2002年7月18日、早稲田大学とアディダスジャパン株式会社は産学協同としては日本初となる「スポーツ分野における包括的パートナーシップ契約」を締結した。スポーツ振興の為にお互いが協力することにより、スポーツ全体の発展に貢献するという新たな試みだ。その一環として2003年11月2日、早稲田祭の中で、「アディダス・早稲田ロゴコンテスト」というイベントが催された。今回はこのイベントの取材とアディダスジャパンのパートナーシップ担当者のインタビューを行った。
ロゴコンテストは早稲田大学広告研究会によるもので、2004年度のアディダスと早稲田のロゴを会場の審査員と学生、ならびに事前に行ったインターネット投票をもとに決めるというもの。場所は15号館401教室にて行われた。ロゴデザインは応募総数113作品の中から、一次審査を通過した8作品の中から選ばれた。8作品のロゴの制作者がステージにてプレゼンテーションを行い、審査員や学生にアピールする。審査の合間をぬって、審査員でもある奥島元総長のトークも行われた。そもそもはスポーツ振興に非常に寄与された奥島元総長がこのパートナーシップに積極的に働きかけ、締結に至った背景がある。今後の展開に期待を寄せる胸中を話した。奥島元総長はそのまま野球の早慶戦の応援に。スポーツをこよなく愛す元総長らしい姿だった。そして審査の結果、富田奨(第一文学部)さんのロゴが選ばれた。また翌日の早稲田祭にてこの新ロゴの発表会も行われた。雨が降る中、大隈講堂前に集まった学生からは大きな歓声が上がった。この新しいロゴが今後のパートナーシップ発展の大きな足がかりとなってほしいものだ。
また我々は今回のコンテスト後にアディダスの担当者から話を聞くことができた。
アディダスジャパン株式会社
・スポーツイベントディべロッパー:下島豊氏
・スポーツプロモーションマネージャー:伊東弘幸氏(以下敬略)
――まず初めにロゴコンテストのほうからお伺いします。どのような経緯で広告研究会と共にこの企画が行われることになったんですか?
伊東:去年の7月に早稲田大学とアディダスは大学としては日本初の、スポーツ分野におけるパートナーシップ契約の調印式を大隈講堂で行いました。その後、様々な活動を具体化していく過程の中で、正式なロゴマークが早稲田にはない事が分かり、そうであれば皆で作ろうよという話になりました。ここまでアディダスが主体となったイベントをいくつかやったんだけど、そのスタンスはちょっと違うなと、気付きました。やっぱりもっと学生のみんなが主役になるほうが、このパートナーシップ自体も、身近になると思ったので、今回のロゴコンテストはちょうどいい機会だと捉えて行いました。
――ロゴの持つ意味というのはどのようにお考えですか?
伊東:もうそれは顔っていうか、命。もうそれによってアディダスと早稲田の提携自体の根幹さえも揺るがしかねない程大事な物です。なぜかというと提携を支える3つの柱のひとつに「ブランドビジネス」があります。ライセンスグッズ販売で得た収益の一部が早稲田大学スポーツ振興事業に還元されます。このサイクルを維持する為に、魅力的な商品開発をしなければなりませんが、それを左右するのもロゴ次第と考えています。
下島:ロゴマークは商品の顔になるものなので、それを見る人は様々な年齢層の人もいるわけで、やっぱりできるだけシンプルで伝えたいことが伝えやすい、それが第一要素。で、それを持った上で、デザイン性が問われて、バランスがとれているかってとこなんですよ。
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