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2003/12/7 [ラグビー蹴球部]

79回目の伝統の早明戦。苦戦を強いられるも29-17で明治を振り切り、3年連続の全勝優勝を飾る。

 
試合前には黙祷が捧げられた。
 
 
1トライを奪った今村
 
 
後半ロスタイム、攻める早稲田。
 
 
早大
29
24-5
17
明大
5-12

関東大学ラグビー対抗戦
早稲田大学vs明治大学
12月7日(日)国立霞ヶ丘競技場
【トライ】=首藤2、内橋、後藤、今村
= 山下、林2

 今年もこの日がやってきた。12月最初の日曜日、ラグビー早明戦の日である。今年の対抗戦の優勝は既に早稲田に決まっているが、それでも国立には5万人の大観衆が集まり、この一戦が伝統の一戦と言われる所以を感じさせた。試合前に先日イラクで亡くなった早大ラグビー部OBの奥克彦氏に対して黙祷をささげた後に、試合開始となった。

 この試合、先手を取ったのは明治であった。前半11分、明治が早稲田のゴールライン前で連続攻撃を仕掛け起点を作ると、SH藤井がライン参加していたPR山川にパス。PR山川がディフェンスに来たSH後藤(教3)を倒しながら左中間にトライ。明治が5点を先取する。しかし、すぐさま早稲田も反撃する。14分、相手陣内10m付近でのスクラムからNo.8佐々木(人2)が突破し、WTB首藤(スポ1)に繋ぐ。首藤がゴール左隅まで走りきり、同点のトライを挙げる。21分、今度はゴール前のラックからLO内橋(人3)がトライを奪い、早稲田が10-5と逆転に成功する。この後、28分にSH後藤が、37分にCTB今村(スポ1)がそれぞれ50m、40mを独走してトライを挙げ、24-5で前半は終了する。

 ところが、後半は一転して明治ペースの試合になる。明治の攻勢に早稲田が防戦一方の展開になり、早稲田がなんとかゴールラインを割らせないという時間が続いていく。早稲田がボールを奪って攻めに転じても、明治の出足の早いディフェンスに手こずり、相手陣内に入ることすらままならない。早稲田にとって自陣での苦しい時間が続いていく。そして後半30分、この状況を明治が力で打開した。早稲田ゴール前のラックから左に展開し、最後は途中出場のPR林がディフェンスに絡まれれがらもトライを奪う。ゴールは不成功ながらも、24-10と明治が追いすがる。続く36分、明治が自陣のマイボールスクラムから連続展開し、またもPR林がトライ。コンバーションも成功し、24-17と明治が7点差に詰め寄る。

 残された時間は5分。ここからが本当の勝負。勝ちを決めたい早稲田、そうやすやすとは負けられない明治、どちらのチームにとっても次のトライは絶対に奪いたい、奪わないといけないものだった。両チームの気迫のこもった攻防が続く中、勝負の行方を決める次のトライを奪ったのは早稲田だった。後半のロスタイム、やっと明治陣内に攻め込んだ早稲田は、明治ゴールライン前で起点を作ると、そこから後藤、SO大田尾(人4)、今村、小吹(人2)と繋ぎ、最後は首藤がこの日2本目のトライ。このトライで勝負あり。早稲田が29-17で明治を振り切り、早明戦43回目の勝利を飾った。

 やはり早明戦はなにが起こるか分からない。スタンドで観ていてつくづくそう感じた。CTB曽我部(教1)の欠場、主将の大田尾は怪我をおしての出場と、攻撃の核となるふたりが万全の状態で出場できなかったとはいえ、ここまで攻めきれずに苦戦するとは思わなかった。また、明治も早稲田をよく研究していた。取ったトライは3本ともプロップが挙げたものであり、そして早稲田のディフェンスのギャップをうまく突いたものだった。試合中にはFB内藤慎とNo.8佐々木は怪我を負ってしまった。早稲田にとって本当に苦しい試合でった。だが、この苦しい試合をモノにしたことは、今後の大学選手権を勝ち抜いていく上での貴重な経験となるだろう。大学王者に向けた戦いはいよいよ今週末、秩父宮から始まっていく。


特集
ラグビー蹴球部特集「Champion Road 〜オウドウを歩め〜」

関連URL
早大ラグビー蹴球部公式サイト
関東ラグビーフットボール協会

(TEXT・PHOTO=田村拓実)

 


 
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