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 史上最強軍団ここに現る!昭和22年に女子部が誕生してから初めての1部優勝へ、チームを導いた梶本麻莉菜主将(教4)。しかし、そこへ至るまでの道は決して平坦ではなかった。泣き、笑い、皆で勝ち取った優勝旗。隠されたドラマを語って頂いた。





 
梶本麻莉菜主将プロフィール
教育学部4年
秀光中等教育学校出身
インターハイ団体優勝
全日本選手権 混合複ベスト8 女子複ベスト4
全日本学生選手権 単ベスト16 複ベスト4
全日本学生選抜選手権 ベスト16
関東学生選手権 複準優勝
春季関東学生リーグ 女子1部優勝、最優秀ペア賞

――女子部創部61年来初めての1部優勝ですが。
 そうらしいですねぇ!(笑)でも61年って意外とそんな長くないですよね。

――いや、長いです(笑)。リーグ戦の感想は。
 結果にびっくり、ですよね。私がキャプテンになってから、練習内容とか色んなことを変えてきて。監督の意見とかも取り入れながら、厳しくキツくしたんですよ。なので、その成果が出て本当に良かったです。私としては安心したというか、まだ早いかもしれないけど自信に繋がりました。こういうことをやれば勝てるんだな、と分かりました。

――練習内容はどのように変えたのですか?
 時間を変えました。前は1コマ30〜40分だったんですよ。それを50分にして。私や監督の意見で、集中力を持続させるために取り入れよう、ってことで。前は40、30、40(分)の3コマでやってたんですけど、50、50の2コマに変えました。1試合30分とか、カットマンの人だと長いと40分になるじゃないですか。練習でそれ以上やっておかないと試合で集中できないので。初めは試しでやってたんですけど、結構皆いけるなという感じになってきたんで、じゃあずっとやってきましょう、と。1部に上がって、(主将が)私に代わってからの11月くらいからですね。やってみよう、って。皆「いいですよー」って受け入れてくれて。

――集中力を重視したんですね。
 はい、あと体力と。大学生は高校生に比べて練習量もぐっと減るので、短期集中型じゃないけど、時間を無駄使いしないようにやらなきゃ勝てないと思ってます。

――自主性を重んじる部だと感じるのですが、練習メニューなどはあるのですか?
 そうですね、自由ですね。練習メニューはないです。1コマ目はフットワーク練習をやって、2コマ目は各自の課題練習とか「自分で考えてやって」って感じです(笑)。これをやりなさい、というのはないんで。しかも練習相手も自分で選んだりするので…自由ですね。練習しない子は弱くなっちゃうし、頑張った子はそれなりに成績を残してますし。そこは結果に出てきてるんじゃないかな、って感じですね。


 
「よく頑張った」と主将が評する木田恵子(人科2)。淑徳大の留学生・王曼・を下した。

――7日間のことを振り返って。今大会より1部8校制となり、期間がのびました。前半戦と後半戦に挟まれた土日は、何をしていましたか。
 7日間、全部が充実してて。全部気を抜けなくて。一瞬一瞬が精一杯のいっぱいいっぱいだったんで…。(土日は)部としては、普通に自分の課題練習とか。でも練習量をすごく少なくしました。疲れている子もいたので。でももっとやらなきゃいけない子もいたので、2コマくらいで切り上げて、あとはフリーにしてという感じで。2日間そんな感じでした。
 私は、前半戦の内容が全然良くなかったんで…。ちょっとその2日間で色んなことがあって。責任感やプレッシャーから、もう嫌になっちゃって。練習場で泣いちゃったり。家帰って泣けばいいのに、こんな所で泣いちゃったんで、皆に本当に心配掛けちゃって。最悪ですよね。やっぱキャプテンは試合期間中はいつも通り接していかなければいけないのに。後悔しています。
 自分では一生懸命やってるんですけど、緊張して上手くいかなかったんです。でもOBの中野(祐介・平16年人科卒、現シチズン)さんが来てくれて、一緒に練習してもらったり、話を聞いてもらったり、まぁ慰めてもらって…(笑)。もう大変だったんですよ〜2日間。最悪でした。皆心配してくれたんですけど、個人個人で頑張ろうとも思ってくれたんじゃないですかね…。でも後半戦が崩れなくて本当に良かったです。それで負けちゃってたら、もう私の責任なんで。

――前半戦は勝てた試合だと思った?
 はい。そういう気持ちがあったから、やっぱり悔しかったし。チームに貢献できなかったのが辛くて。何か吹っ切れなくて、その気持ちが。それで泣いてしまって。嫌だ嫌だ嫌だ…という感じで。

――でも、2日間で立て直しました。
 2日で立て直したんじゃなくて、後半戦の1日目の東京富士大戦でやっと吹っ切れたって感じでした。そこでもし負けてたら、私多分もうダメでした。ていうか多分優勝はなかったと思います。しかもラストで亀崎(遥・スポ2)が負けてたんですよ。で、私が負けたら負けだったんですよ。そこで何とか粘って勝ったのが吹っ切れたきっかけだったかな、って。

――個人的に一番良かった試合と、辛かった試合は?
  一番納得いったというか、スッキリした試合はその東京富士大戦ですね。でも見てる人にとっては良かった試合ではないですね。あの試合は、一番チームに貢献できたという面では良かったんですけど、内容としては悲惨でした。私もう全然集中できなかったんですよ。で、照井(萌美・教2)に「ちゃんとやって下さいよ!集中して下さい!」ってベンチで怒られて(笑)。本当頼りない先輩だから、私。「ごめんごめん!!」みたいな。でも自分にとってはあそこが吹っ切れたポイントだったから、そこで頑張って勝ったのが一番良かったかなと思うんですよ。辛かったのは、大正大戦です。冷静にプレーできなくて負けて、すごく自分が惨めで。

――リーグ戦独特の雰囲気によるものなのでしょうか。
 私変に意識しちゃって。キャプテンであることとか、私が勝たなきゃ後が回らなくなっちゃう、とかそういうことばっかり試合中に考えちゃって。いつもはそんなことは考えないのに。緊張して力んじゃって、全然自分のプレーができなくて。技術は全然大丈夫だったんですけど、精神的にぐらつきましたね、今回は。そんなんだったんで、勝てた試合だったのに全然スッキリしないし。チームが勝ってくれたんで丸く収まったんですけど、もしチームが負けていたら確実に私の責任でした。

――梶本さんのような選手がそうおっしゃるということは、1部リーグのプレッシャーはやはり怖いですね。
 前半戦は怖かったんですよ。でも、後半から吹っ切れていつも通りのプレーが出来て、「こうやってやればいいんだ」ってやっとつかめましたね。慣れるの遅いんです(笑)。

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(TEXT=田辺里奈、PHOTO=神崎風子、佐々木真奈美、鈴木陽平、田辺里奈 )

 

 


 
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