日本卓球協会理事会は9月13日、接着補助剤の使用を禁止するという新ルールを決定した。10月9〜12日に東京武道館にて行われた全日本学生選手権大会ではこのルールが適用され、選手たちは用具の調整を余儀なくされた。その影響もあったのだろうか、五輪代表の水谷準がシングルス4回戦で姿を消す番狂わせが起きる。早大勢は女子シングルスで照井萌美(教2)、男子ダブルスで浅沼慎也(スポ2)・高岡諒太郎(スポ1)組が飾ったベスト4入りが最高。優勝が期待されていた塩野真人(スポ4)は、昨年と同様に相性の悪い軽部(明治大)に阻まれベスト8入りとなり、悔しい表情を浮かべた。
照井萌美(教2)に「(影響は)すっごくあった」と言わしめた今回のルール改正。カット性のボールを打ち抜けないと感じたと話す。開催前日まで、使用する用具について悩んだという。1-4で敗れた山梨有里(淑徳大)との準決勝戦では、自らの球が台に入らない歯痒さを、地団駄を踏んで表す場面も見られた。珍しく感情的になったことを、「用具の不安もあって良くなかった」と振り返った。リーグ戦後は国体出場など多忙から調子も万全とはいえず、満足のいく練習量もこなせていなかった。その状況でのベスト4入りには、「良かったです。ホッとしました」と話した。照井は塩野とともに、今月22日よりセルビアで開催されるITTFプロツアーへの参加が決まっている。
ルール変更を受けラバーを変えようと悩んだが、結局は普段使ってきた物で挑んだという梶本麻莉奈(教4)。有終の美を飾ったリーグ戦での引退後初めての試合となった。「キャプテンを引き継いで、荷が下りた感じ。気持ちの面で楽になった」。リーグ戦後は時間が足りなかったが、少しでもリーグ戦時の好調に近づけるべく、調整に専念したという。シングルスでは準々決勝で山梨に敗れるも11位となり、目標としていたランク入りを初めて達成した。これにより1月の全日本選手権への推薦が決定。「シングルスでは去年よりも1こでも多く勝てるように。ダブルスとミックスは楽しんでやりたい」と抱負を語った。本年度もダブルスは宮本真梨子(平20スポ卒)との3位を修めた”名コンビ”で出場予定。「去年よりも良くなっている」と自身の明らかな手ごたえを感じながら、ラストスパートを駆け抜ける。以前大会時にオランダの記念館に訪れ縁を感じたという、アンネ・フランクをテーマにした卒業論文の作成にも集中する予定。学業との両立が迫られる中モチベーションを下げることなく、先ずは11月の全日学選抜へ臨みたいと語った。
主なランキング
男子シングルス |
女子シングルス |
男子ダブルス |
女子ダブルス |
1.松平賢二(青森大) |
1.若宮三紗子(立命大) |
1.大矢・松平組(青森大) |
1.宇土・若宮組(立命大) |
6. 塩野真人 |
4. 照井萌美 |
3. 浅沼・高岡組 |
5. 梶本・照井組 |
8. 足立智哉(スポ2) |
11. 梶本麻莉菜 |
8. 足立・笠原組 |
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10. 笠原弘光(スポ1) |
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今回は、観客席の選手たちの声もお届けします。
★ The Stands’Voice@
長かった髪の毛をばっさりと切り、ショートヘアになった亀崎遥(スポ2)選手。「スッキリして、スッキリ負けちゃいました〜」とおどけた。今大会には関東学生連盟の推薦で出場したが、シングルス、ダブルスともに3回戦敗退という悔しい結果に。この日は観客席でチームメイトの応援に徹した。
安定感のあるプレーが持ち味だがユニークなキャラクターで、部内では相当な”いじられ役”。取材では、独自のコメントでいつも楽しませてくれる。そんな”亀ちゃん”は、10月28日〜11月1日に韓国で、11月4日〜11日には上海で行われる、関東学生卓球連盟の1部8校の男女1名ずつが参加する強化合宿に、早稲田の代表として参加する。「自分のいい所、悪い所をはっきりと発見して来たい」と、意気込みを語ってくれた。厳しいトレーニングが待ち構えているとの話だが、「自分の役に立つだろうから楽しみ」と前向きな姿勢。異文化交流のチャンスも楽しみにしている。「やっぱり食べ物!特に韓国の焼肉とか楽しみです。キムチとか辛い物も大好きです。体重は保つように言われているので、”ブー”にならないように気をつけます!」
★ The Stands’ VoiceA
今3年生の関心事と言えば、就職活動。それは体育会の部員も同じだ。西田渚(教3)選手も、髪を黒く染め、3年生部員とエントリーシートの書き方や面接の仕方などの情報収集を始めている。
「就活って、普段会えない人に会えて、知らなかったことを知れる。そうやって楽しめればいいけどね」。暫くは練習と学業と就活の3つをこなさなければならないが、未知なる”試合”に前向きな姿勢で臨んでいるようだ。
関連URL
卓球部、稲門卓球会ホームページ
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