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男子4×100mRの表彰式の様子。会場からはどよめきが起こるほどの圧巻のレースだった。
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10月24〜26日、日産スタジアムにて第92回日本選手権リレー競技大会が行われた。トラックシーズンの締め括りとなるこの大会、早稲田は、男子が4×100mRと4×400mR、女子は4×400mRに出場し、日本一を目指した。
大会11連覇を逃した屈辱の敗戦から一年。「昨年は相手(優勝した筑波大)ばかり意識していたが、今年は記録や順位を意識していた」という木村慎太郎(スポ3)の言葉通り、今年は他チームを全く寄せ付けない圧倒的な強さで王座に返り咲いた。「対抗戦と同じくらい重要」(江里口匡史(スポ2))、「早稲田のリレーはここから始まる、日本選手権リレーが原点」(木村)と、メンバーは口を揃えてこの大会の重要性を力説する。そんな運命の一戦に、早稲田は従来のオーダーから1走・木村と2走・江里口の走順を入れ替えて臨んだ。
そして迎えた決勝のレース。「日本代表に入った時のためや自身の幅を広げるためにカーブも走れるように」1走での出場となった江里口。「大会3日前の通し練習では走りづらさがあったが、走る度に慣れて決勝では一歩目から加速出来た」という本人の言葉通り、スタートから格の違いを見せつけ、80m過ぎには前を走る中京大を交わし2走にバトンパス。「直線を走るのは気持ちよかった」という木村もグングン他チームを引き離し、バトンはやや詰まり気味ながらも3走へ。3走は、チームを短距離主将として支えてきた楊井佑輝緒(スポ4)。秋シーズンに入り絶好調の短距離主将が、安定した走りで4走・木原博(スポ3)にバトンを託す。アンカーの木原は、既に優勝は間違いない状況の中、目標の38秒台を目指して一心不乱に駆け抜けた。注目の記録は、大会新記録となる38秒97。狙い通りの38秒台を出しての優勝に、メンバーには喜びとともに「勝ててよかった」と安堵の表情が広がった。
関カレ、全カレ、日本選手権リレーと三冠を手にした今年のチームを振り返り木村は、「今年のチームは穴のないチーム。人数は少なくても層の厚いチームになった」と胸を張る。来年は楊井が抜けるが、その後釜として小原真悟(スポ2)、栗崎康介(スポ2)ら力のある選手が控えており、戦力に不足はない。一年前の苦い経験を糧とした「ワセダの4継」が、また新たな歴史の第一歩を踏み出した。
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