6月6日、バスケットボールの殿堂・代々木第二体育館にて第67回早慶バスケットボール定期戦が行われた。奇しくも通算成績は、男子33勝33敗、女子26勝26敗のタイ。女子は史上初の勝ち越し、そして男子は昨年の延長戦の末の敗北の無念を晴らすため、例年に勝る譲れない試合となった。
超満員の観客で迎えた男子戦。5月に行われた関東大学選手権では、早稲田は慶応に65-89で敗れベスト8入りを阻まれる。ベスト16に終わった早稲田と、優勝を手にした慶応。実力差は歴然だった。しかし、何かが起こるのが早慶戦である。
先制のゴールは慶応に許す。慶応の流麗な連携プレーに対して、早稲田は個人技でゴールを切り開こうとするがシュートが決まらない。慶応の精度の高いシュートに圧倒され、12-23で第1ピリオドを終える。反撃はここからだった。第2ピリオド、開始18秒で#00 金井賢治(スポ3)からのパスを受けた#20 久保田遼(スポ2)が右サイドからミドルシュートを決める。残り2分25秒で#20 久保田のジャンプシュートで29-29まで追いつき、その後も#7 井手勇次(スポ3)、#20 久保田らがシュートを決め、懸命にライバルを追い掛け31-34。早稲田ベンチは沸きに沸き、第3ピリオドへ。
しかし、簡単には勝たせてくれないのが昨年度インカレ王者・慶応だ。小柄ながら抜群のスピードを誇る#16 二ノ宮の速攻、関東大学選手権最優秀選手・#5 小林のゴール下での粘りのプレーで、一時は11点差をつけられる。しかし、#1 東達也主将(スポ4)の3Pシュート、205cmの#7 岩下(慶応)の執拗なマークから逃げ切った#20 久保田のシュートなどで45-48の3点差まで再び詰め寄り、第3ピリオドを終える。
そして運命の第4ピリオド。両チームが交互に点を重ねるシーソーゲームとなる。#00 金井がタイミングを外す巧みなシュートを決めれば、#20 久保田は懸命にリバウンドを奪う。残り1分58秒、#20 久保田がゴール時のファールからフリースローを獲得する。冷静に決めて、60-60のイーブンとなる。二ノ宮の3Pで再び離されるも、#20 久保田のシュートで再び差は1点に。1本が出れば逆転が決まる。両校応援団の演奏のピッチが急に早まり、場内の熱気は最高潮に達する。
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喜びを爆発させる#20 久保田。昨年と同じく活躍。
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残り18秒、待ち詫びた瞬間がやってくる。#7 井手の指先から離れたボールがゴールネットに吸い込まれる。逆転の3Pシュート。残り1.5秒、ボール権を早稲田が保有したところで、慶応がタイムアウトを取る。しかし、選手、スタッフ、会場内の早稲田ファンの脳裏には勝利の二文字が浮かび上がっていたであろう。そして試合終了を告げるブザーが鳴り、期待が現実のものとなる。65-63(20-15)での勝利、そして34勝33敗での早慶戦勝ち越し。東主将、山田純也(スポ4)ら4年生、金井、久保田ら主力選手、そしてチームを支える元重茉莉奈主務(スポ4)らの目から涙が溢れた。観客たちは、この伝統の一戦の重さを噛み締めながら、喜びを爆発させるコートへ拍手を送った。
★女子、76点差の大勝 史上初の勝ち越し達成
立ち上がりから、早稲田は3Pシュートを連続で2本決める。27-11からは、5分間連続で独占して21点を重ねた。第2ピリオド終了時で54-17と大きくリードする。第3ピリオドを迎えても、早稲田の勢いは止まらない。チームメイトに背中を押され、緊張の面持ちで途中からコート入りした斉田愛美(スポ1)が早慶戦初の3Pシュートで100点目を決めると、ベンチは欣喜雀躍。最高の雰囲気だった。
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#1 東主将の胴上げ。この直前、倉石総監督は胴上げされじと逃走!
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残り5分38秒で、1年生にしてスタメン出場した#8 丹羽裕美(スポ1)が再び投入される。先の関東学生選手権では新人賞を獲得した179cmの大型ルーキーは、#7柴田ひとみ(スポ4)主将のパスから得点を大量生産。残り4秒までゴールネットを揺らし、121-45(34-18)の圧勝で史上初の早慶戦勝ち越しを達成した。
22日には新人戦が、同じく代々木第二体育館で行われる。男子は1部リーグ昇格、女子は1部リーグ優勝という悲願の達成に加わった若い戦士たちの活躍を楽しみにしたい。
★スターティングメンバー
【女子】#3 浅羽麻子(商4) #6 松井優紀(スポ4) #7柴田ひとみ(スポ4)
#8 丹羽裕美(スポ1) #10 武笠恵理(社3)
【男子】#7 井手勇次(スポ3) #9 平井清貴(スポ3) #20 久保田遼(スポ2)
#21 山田純也(スポ4) #00 金井賢治(スポ3)
関連URL
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