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  11月21日より開幕のプレーオフに見事出場を決めたワセダ。文字通り常に先頭にいたのは、主将の久慈修平だった。4月には世界選手権に召集され、鮮烈な代表初ゴールを決め、夏にはNHL・NYアイランダースのプロスペクトキャンプに参加し、現地マスコミからも高評価を得た。そんな世界に最も近い大学生が、日本のアイスホッケーの現状、ご両親への感謝、悲願の大学リーグ優勝、そして五輪出場への思いを熱く語る、特別インタビュー前編がフェイスオフです!

金の卵たちとのホッケー


久慈修平主将プロフィール
社学4年  駒大苫小牧高校出身
171cm 71kg 4月27日生まれ #21

U18・U20日本代表
2009年 世界戦選手権リトアニア代表


 

―NYアイランダースのキャンプに参加されて、いかがでしたか?
最初は戸惑いと不安がありました。英語全く喋れない中でどうやるんだろう、という不安はすごくありました。でもトライアウトではなく、ミニキャンプということだったので、僕らと同じ世代のトップレベルの選手が見れるという、ある意味“見学旅行”のような気持ちでいったので、あまり気を張ることはなく、気持ち的には楽にいけました。勉強になったというよりは、「楽しかったなぁ、すごい人たちを見て来れたな」という感じです。

現地のメディアでも評価が良かったようですが。
むこうの方はお世辞が上手なので…(笑)。

―アイランダーズのGMや監督に何か言われましたか?
「NHLにも背の小さい選手はいる」ということを言ってもらいました。「その選手たちを見本にして、高いレベルでやっていかなくてはダメだ」とも。あとは、「背の小さい選手は下半身を鍛えないと、強い選手に勝てない」ということです。自分でも分かってはいましたけど、トップレベルの人たちに言われることで「やっぱり大事なことなんだな」と改めて思えました。

―帰国後、トレーニングは変えましたか?
そうですね。「とにかくお尻をでかくしろ」と言われて。そのことを考えてやりましたけど、まだまだこれから、です。

―一緒にキャンプに参加した海外の選手の印象は?(昨年のアイランダーズドラフト1位、来年のNHLドラフト候補となる選手たちが参加。)
僕が見てきたのは、本当に金の卵のような人たちばかりだったので、高い意識もスキルも持っていると感じました。そういう選手でもすごく一生懸命やっている、というところに一番感心しました。「俺は上手いんだ!」という感じで練習している選手は、誰もいなかったですね。とにかくひたむきにNHLを目指している、という印象でした。

―プレー中のコミュニケーションは英語でとられたと思いますが、いかがでしたか?
英会話(教室)に行って英語を学ぶのも確かに大事かなと思うのですが、やっぱり英語を肌で感じないと。“英語じゃない部分”というのが大きいのかなぁ、と。ある程度(英語の)知識はあると思って行ったんですけど、実際むこうの人々の会話を聞いていると、これは英会話じゃ学べないし、教科書には載ってないな」と。そういうパターンというかシチュエーションは、実際にむこうに行かないと経験できないことだと思いました。英語は学ぶことも大切だけど、感じることも大切なのかなぁと思いました。

夢のNHLへ…「どこかで覚悟を決めなくては」

―卒業後、NHLを視野に入れている?
いきなりNHLは無理だと思うんですけど…。GKを除いての日本人初プレーヤーを目指したい、という気持ちもあります。正直自分がそこでやっていけるという自信を、まだ持てていない部分もあります。まぁ、行かないことには挑戦もできないだろうという考えもあるので、「行きたいか?」と聞かれたら現時点では半々の気持ちですね。でも「いずれ、いずれ」と言っていたら時間がどんどん過ぎていってしまうので、どこかで覚悟を決めるチャンスがあればそれを生かさないといけないとは思います。将来、早い段階で行かなければいけないのかな、「自信がついてから、後々に」ということだと手遅れになっちゃうのかな、と思っています。

―まず日本で足を固めていきたい?
僕は性格上、(国内から)段階を踏んでいきたいという気持ちが強くて、いきなり(NHLに)行く自信はないんですが、今回の代理人の方も「とにかく行って経験しなきゃいけない」と強くおっしゃっていて。時にはステップ、ジャンプするのも大事なのかな、と思ってます。

―今回のキャンプは良い経験になったのでは?
そうですね。自分のホッケー人生の中のすごく大きな一歩を踏んだのかな、と思います。

―今年4月、世界選手権のオーストラリア戦で代表初ゴールを決めました。
追加召集で世界選手権に初めて選ばれました。その前は、小さな(国際)大会には何度か行ってたんですけど、本当の日本代表として行くのは初めてで、入った瞬間から「これが日本代表として出発する自分の第一歩なんだな」という気持ちでいました。「ここで結果を残さなきゃ、次はないんだな」という気持ちでいって、それがうまくというか…良い結果に出て、いいアピールにはなったんじゃないかな、という感じですね。

―ゴール後には「遠慮しないで、自分の役割を果たしてきたい」とコメントをされていましたが、『自分の役割』とは何だと思いますか?
自分の持ち味を出すために、(相手チームに)二人で来られても勝負しよう、と思っていて。代表の監督には、「若さを生かしたエネルギッシュなプレーして、チームを盛り立てるのが若手の役割だ」ととにかく言われていて。あとは自分の武器である“スピード”を生かさないと、何にもならないから、と言われていて。あとは「自信をもて、自信をもて」と。自信をもって思いっきりやることで、結果につながったのかな、とは思います。

―夏は韓国での合宿のあとすぐに苫小牧でのサマーカップに参加するというハードスケジュールでしたが、大変だったのでは?
そうですね。でも、サマーカップも合宿のうちだと考えていたので。大会とは考えずにひとつの合宿だと思っていたので、全然大丈夫でした。合宿では走り込みと1on1ばかりやっていました

―韓国ではアジアリーグ所属のハイワンと試合をされましたが、どうでしたか?
チームとして言えば、韓国のアジアリーグの選手たちとできる経験はあまりないので、選手たちはいい経験をできたのではと思います。個人的にも、もし来年実業団でプレーするのであれば当たる相手でもあるので、「現段階でどこまで通用するのか」という気持ちで、気合を入れてやっていました。その意味では、本当にこの貴重な体験を早稲田のチームでできたことが良かった、と思います。

 


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                                        (TEXT=田辺里奈PHOTO=鈴木雄介、田辺里奈)

 

 


 
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