本年最後のパワーリフティングの関東学生大会が11月28日・29日の2日間、東京大学駒場キャンパスのトレーニング体育館にて開催された。早稲田バーベルクラブからは、4名の選手が出場。数多くの選手が出場する大会の中で安定したパフォーマンスを見せ、うち高梨朋哉(一文4)が75s級で優勝。石田篤慶(社学2)、木落琢朗(法2)各階級で第3位、宮島典平(商1)が56s級で4位への入賞を飾るなど、好成績を残した。
「フォームが良い。それに競技に慣れている」1日目、出場がなかった高梨(一文4)がこの日の試合を観て、こう呟いた。「経験を重ねればもっと伸びる」。
世界大会の出場経験を持つ先輩リフターにお墨付きをもらったのが、この日56s級に出場した宮島典平(商1)と木落琢朗(法2)だった。その言葉通り、まだ経験の浅い2人のパフォーマンスは、安定したものだった。
第一試技のスクワットでは、スピードやタイミングともに安定したリフティングを見せ、宮島が135s、木落が140kgまで記録。また第3試技のデットリフトでもそれぞれ135.7kg、150kgまで記録を伸ばすなど、まずまずの成績を残した。両名ともヒジの曲がりの深さやバーベルのふらつきがあり、思うように記録が伸びなかったデットリフトに関しては「まだまだ課題がある」と語るものの、試技の安定感、落ち着きは十分だった。結果、木落は総合3位、宮島が4位に入賞。新人賞でも56s級の部門で1位、2位を独占するなど、今年最後の舞台で健闘を見せた。
今回の試合について木落は「トレーニングスケジュールを先輩たちに教わり、試合までの日程に気を使って練習をしてきた」と試合前の充実ぶりを語る。また試合前にインフルエンザにかかり十分に調整ができなかったという宮島も「病み上がりで試合に影響があるかと思ったが、身体が良く動いた」と今大会でのコンデションの良さを明かした。
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一方で、この日もっとも成長の兆しをみせたのが、100kg級に出場した石田篤慶(社学2)だった。自身も「パワーリフティングという競技に少し馴染めてきた」と語るように、この日の試技ではブレのない安定感を発揮した。
「まずはスクワットで流れを作りたい」そう語り挑んだ第一試技、石田は1回目、2回目と成功させると、3回目に重量240kgを申請。ゆっくりと腰を落としスクワットすると、バーベルを左右に揺さぶることなくプレス。膝の角度や重心を安定させ、余裕をもって試技を成功させた。
前回の関東学生大会では、スクワットで波に乗れず記録を伸ばせなかった石田。それだけに今回はフォームを改善してきた。リフティング時の体重の乗せ方がわかったことでスクワットの安定感が増した。
この成功は大きかった。続く第2試技、第3試技でもそれぞれ125kg、227.5sまで記録を伸ばし、自己ベストの3種目合計570sを大幅に更新。592.5sで、この階級総合3位、新人部門でも2位に食い込む活躍をみせた。来年は体重を落とし90s級で表彰台を目指していきたい石田。「今大会は来年につながる結果を目指した」と目標はすでに来春大会の上位入賞を見据える。
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