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2010/6/25[ア式蹴球部]

伝統の早慶サッカー定期戦!!
ライバル慶大の前に、0-2で完敗…

 

FWの小井土翔(教3)。前線で体を張ったプレーを見せた。

 
 

途中出場を果たした皆川翔太(スポ4)。
積極果敢な動きも、ゴールはならず。

 
早大
0
0-1
2
慶大
0-1

第61回早慶サッカー定期戦
早稲田大学×慶應義塾大学
6月25日(金)
国立競技場



 12230人の観客が詰めかけた国立競技場。試合後に鳴り響く「若き血」の前に早稲田イレブンはうなだれていた。晴れ渡った国立の空とは対照的に、選手たちの暗い表情が物語る「完敗」。慶應のシュート数14本に対し早稲田シュート数2本、数字が示す以上に早稲田のチャンスは乏しかった。1950年から61年目を数える早慶戦の歴史の中で1953-54年に続く2連敗。早稲田にとっては非常に厳しい第61回早慶戦となった。  

   早稲田のシステムは4−4−2(4-2-2-2)。ゴールマウスを守るのは菅野(商4)。DFは畑尾(スポ2)と菅井(スポ2)がセンターを固める。4バックの両翼は野田(スポ4)、幸田(スポ4)の最後の早慶戦となる4年生二人。中盤を支えるボランチには、慶應・河井(3年)とのマッチアップを楽しみにしていた早稲田のキャプテン岡根(スポ4)と、攻守のバランスに優れた山中(スポ3)。奥井(スポ3)と鈴木(商4)が高い位置から攻撃を狙いFW陣にボールを供給する。FWは、リーグ戦でチームトップの得点を挙げる早稲田の新エース富山(スポ2)。運動量豊富な小井土(教3)とのツートップで慶應のゴールマウスを狙う。

 試合開始とともにピッチを広く使う慶應にボール支配される時間が続く。中盤で早稲田はボールが落ち着かない。逆に慶應の高い位置からのプレスからのインターセプトでフィニッシュまでもっていかれる展開。前半29分の先取点は、ペナルティエリア右後ろ近くの位置で得たFKから。慶應・山浦(2年)の右足から放たれたボールは、壁をするっとすりぬけ、そのまま菅野(商4)の伸ばす左手先のネットを揺らす。試合を通して慶應の直接FKは早稲田の2倍以上25本。相手にいい位置でボールをキープされ、ファールで止めるしかなかった早稲田を突く一発だった。このゴールで完全に波に乗った慶應はサイドを起点に立て続けにシュートを放つ。早稲田は防戦一方で慶應の波状攻撃を前になす術がなかった。

 

試合後うなだれる早稲田の選手達。

 後半を迎えても構図は変わらない。不用意なプレーから中盤でボールを奪われ、慶應にそのままゴールまで運ばれる展開が続く。開始直後の50分、左サイドからのふらふらっとあがったボールに慶應・黄(3年)が折り返す。早稲田DFの連携が乱れ、右サイドの加美(4年)をゴール前でフリーにしてしまう。そのまま加美にゴールに押し込まれ痛恨の2点目を喫した。失点直後の56分山中(スポ3)→中野(スポ4)、60分富山(スポ2)→皆川(スポ4)、62分に鈴木(商4)→柿沼(教3)、と立て続けの選手交代で巻き返しをはかる早稲田。皆川のスピードと飛び出しで前線でのアクセントをつけた早稲田だったが、慶應にいってしまった流れは簡単には引き戻せない。奥井(スポ3)がドリブルや縦パスで裏を突こうと試みるも慶應DFの集中は途切れず、ことごとく跳ね返された。78分には奥井→小川(スポ4)が投入され、4年生最後の早慶戦に執念を見せるが、最後まで慶應の圧倒的優位は変わらなかった。慶應はフィールドを広く使うサイドからの攻撃で、ピッチ上を軽やかに90分間支配し続けた。

 パスがつながらずFWにいいボールが入ってこない、中盤とFWの距離が非常に長く感じた試合だった。早稲田のチャンスらしいチャンスは皆無だったといってよい。FWが前を向いてボールを受け取る機会はほぼなかった。中盤での不用意なプレーでボールを簡単に失い、そのまま自陣ゴールまで押し込まれる。キャプテン岡根と同じ清水エスパルスの強化指定選手である慶應の絶対的司令塔・河井(3年)のプレーを止められなかったのも敗因の一つ。いい形でボールを持たせ、河井を経由することで攻撃陣が機能し、慶應の攻撃のリズムをいい様につくらせてしまった。早稲田は意識の改革が必要だ。前線からの高い位置で積極的にプレスをかけ、ボールを奪いにいく姿勢を強化してもらいたい。そして中盤での落ち着いたボールキープからのパスでFWにいいポジショニングでボールを渡せれば、攻撃から試合の流れをつくれるはずだ。

 今回の敗戦で早慶戦の通算成績は慶應・13勝30敗18分、早稲田・30勝13敗18分となった。去年の0-3敗戦から続き2連敗となった早稲田はここが踏ん張りどころ。ひとりひとりが考えてプレーするサッカーを体現する早稲田。今回の敗戦は選手たちにとって辛かったに違いない。筆者も国立競技場で観客席から自らチーム早稲田として声援と熱視線を送りながら戦い、悔しかった。この敗戦をきっかけに4年生中心となってさらなるチーム向上のため、リーグ後半戦へ向けそれぞれが考え、ぶつけあい、一皮むけた早稲田として帰ってきてほしい。自分の頭で考えて行動できる集団である早稲田ならできる。

関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト

(TEXT=鈴木陽平、PHOTO=岡崎聡)
 


 
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