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2012/06/04 [野球部]

ステージ中央には背番号「10」も…優勝のその先の決意とは 優勝祝賀会レポート  


 祝賀会特設ステージに早稲田大学野球部の選手たちが姿をあらわす。ひとりの選手が背番号「10」のユニフォームをステージ手すりの中央にかけた。
早慶1回戦で負傷し、チームを離れている佐々木孝樹主将のユニフォームだ。
佐々木主将は今季打撃不振に苦しんだ。だが、どんな状況でも前を向きチームを牽引した。優勝を決める明治大との4回戦では決勝タイムリーを放ちチームに貢献。
残念ながら、祝賀会欠席となったが背番号「10」のユニフォームがチームの中心にいる佐々木主将を感じさせた。

 選手からの挨拶は杉山翔大選手から始まった。第一声は「完全優勝できなくてすみませんでした」とこの日の敗戦についてだった。だが、「全日本選手権では必ず優勝します。神宮に応援に来てください」と力強く言葉をつづけた。
続く地引雄貴選手はこの日の最終打者。2点差でむかえた9回裏二死1、2塁の場面に打席がまわってきた。「最後は自分が3ランで決めるつもりだった。だけど、そんなに甘くありませんでした」と振り返った。悔しさを胸に「全日本選手権で必ず日本一になって岡村監督を胴上げします」と誓った。
3番手は高橋直樹選手。
「2年前、斎藤(佑樹)さんは何か持っていると言っていました。しかし自分たちは何も持っていません。持っていないから冬、春と必死に練習してきました。夏も死ぬ気で練習して秋またこの舞台に立ちたいと思います」
高橋選手は2回戦、3回戦とも代打で出場ながら2点本塁打、中越適時三塁打と勝負強さを見せた。この勝負強さは懸命に積み重ねてきた練習に裏付けられていた。

  3名の副将からの挨拶が終わると荒谷健人学生コーチがマイクの前に立った。選手を近くで支えてきた学生コーチだからこその挨拶だった。
「今シーズンは、吉永(健太朗)をはじめとする一年生の活躍が目立ちました。しかし、本当に頑張っているのは四年生。全日本選手権で日本一になって秋は佐々木を連れてまたこの舞台に立ちたいと思います」

 早稲田の若き投手陣もマイクをとる。
この日、先発して3回0/3でマウンドを引きずり降ろされた高梨雄平選手はこの日の敗戦は自分の責任だと頭をさげた。気持ちを切り替え「日本一」への貢献を誓った。
1年生ながら最優秀防御率賞を受賞した吉永健太朗選手は、「ご声援ありがとうございました」と感謝を伝えた。はにかみながらも祝賀会冒頭に挨拶に立った川口浩部長の発言をうけて「黄金時代を築いていきたいと思います」と堂々の宣言をした。

 そして、最後に佐々木主将からのメッセージが深田賢一主務により伝えられた。
打撃不振に悩みながらも「凛とした態度で前を向こう。個人の成績よりもチームが優勝できればいい」という心境でシーズンを過ごしてきたことを明かした。そしてケガについては「自分に与えられた試練」と捉え復帰に向けて歩んでいくとした。
佐々木主将の思いが伝わると会場には佐々木コールがおきた。

 「四年生が一番苦しもう」この合言葉を胸に戦い抜いた四年生。若い選手の活躍が目立ったが、四年生がこのチームの原動力になっていた。
全日本大学野球選手権大会での早稲田の初戦は大会2日目の6月13日(水)第4試合(16時30分プレーボール)。神宮球場で西日本工業大対福井工業大の勝者と対戦する。
「日本一」にむけて、若い力と四年生の意地が熱き戦いをみせてくれるはずだ。        

(TEXT=平尾実夏)
 


 
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