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早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2003/11/18更新  第28回

明治神宮大会・対東亜戦観戦記

 
相手は東亜大学。
 

 
米田選手。
 

 
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早大
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東亜大
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7
 
2003年明治神宮野球大会準決勝
早稲田大×東亜大
11月16日(日)明治神宮球場

 負けているときに聞く「紺碧の空」は、どうしてこんなに空しく聞こえるのだろう。スコアボードの数字は早稲田が3、そして相手の東亜には7という数字が記されていた。9回表の早稲田の攻撃、先頭の坂本(人4)がサードへの内野フライ、続く代打の東山(教4)が三振に倒れ、2死ランナーなし、バッターは1番の田中(社3)に回っていた時、絶え間なく聞こえてくる紺碧の空に、私はそう感じた。

 天候は快晴。温かい日差しが差し込む中行われたこの試合、序盤は早稲田のペースだった。先発の越智(人2)は初回3者連続三振に切ってとる絶好の立ち上がりを見せ、打線も4回、米田(一文4)のライトへのホームランで3点を先制する。この時点でまさかこんな展開になるとは、早稲田を応援してた人は誰も予想しなかったであろう。

 3回までノーヒットに抑えていた越智も、東亜の打順が2順目に入るころからタイミングを合わされるようになり、ヒットを数本打たれていた。そして迎えた6回裏。先頭打者に死球を与えると、それをきっかけとして、まさに歯車が狂ったかのように越智が崩れてしまう。次の打者にはヒットを打たれ、3番には前進守備の武内(人2)の頭上を抜けるタイムリーを浴び、1点を献上。このあともフィルダースチョイスで1点を失い、1死1、3塁という場面で越智は交代させられる。

 ところが代わった宮本(スポ1)もピリッとせず、四球で満塁とすると、相手7番にタイムリー内野安打を打たれ、8番打者にはレフトスタンドに満塁ホームランを浴びてしまう。この回、東亜は打者12人を送る猛攻で早稲田から7点を奪い、試合をひっくり返すことに成功する。東亜のベンチ、そしてスタンドで応援する野球部の盛り上がりとは対照的に、早稲田のベンチ、スタンドは今までに無いくらい静まり返っていた。

 今年の公式戦では、初めて4点のビハインドをうけた早大ナイン。追いつこう、逆転しようと早稲田側のスタンドは精一杯応援する。しかし、追いつこうという気持ちが空回りしてるのか、はたまた、7点を取られたということに気落ちしたのか、選手たちのプレーにはいつもどおりのキレが感じられない。8回に得たノーアウト1塁3塁のチャンスも無得点に終わり、最終回の9回を迎えたのであった。

 
試合後。
 

 そして9回表ツーアウト。バッター田中のカウントは2-3。ここから田中は打ってでる。しかし打球に勢いはなく、ライトのミットの中に納まりゲームセット。この瞬間、日本一への道はまたしても潰えることとなった。

 思えば、今年はきょうの試合のように、大量失点、タイムリーが打てない、さらに守備の乱れも出る――といういわゆる「負けパターン」が重なって敗れた試合を見たことがなかった。今年のリーグ戦の戦績が20勝1敗だったということが示すように、早稲田はチームとして(六大学の中だけかもしれないが)完成度が高く、ずば抜けた力を持っていた。しかし、それだけ強いチームでも、全国の舞台では勝ちあがれない。そんな野球の怖さ、そして強いものが必ずしも勝つわけではない、という野球の醍醐味を感じた試合だった。

 それでも、負ける早稲田を観ることはとても悔しい。来年の全国の舞台では、紺碧が勝利の凱歌として響きますように。そう思いながら、神宮を後にした。

関連URL
早大野球部公式サイト
東京六大学野球連盟公式サイト

(TEXT、PHOTO=田村拓実)
 


 
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