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早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2004/5/2更新  第30回

水泳日本選手権観戦記

 
 
 

 

 「絶対に負けられない戦いがある」というのはあるTV局のキャッチコピーだが、アテネオリンピックの代表選考会として行われた今回の水泳の日本選手権は、その言葉が相応しい舞台であった。派遣標準の記録を突破した上位2名だけがオリンピックに臨めるという厳しい戦い。去る4月21日、ふたりの早大生がアテネ行きの切符を賭けた戦いに挑戦した。

 この日行われた最初の決勝種目、女子100m決勝に前回のオリンピックに出場した三田真希選手(教3)が登場した。準決勝では6位という不本意な成績に終わり、決勝での巻き返しが期待された。スタートの号砲とともに一斉に飛び出した8人の選手たち。先手を奪ったのは2001年の世界水泳で銅メダルを獲得した大西順子選手。力強い動きでスタートから頭ひとつ飛び出していき、先頭で折り返しのターンをする。三田選手は遅れて7位で折り返す。後半に入っても大西選手の勢いは止まらず、はたから見ていても快調に飛ばしているのが分かる泳ぎだった。日本記録を塗り替える58秒62のタイムで優勝し、見事アテネオリンピックの切符を掴んだ。三田選手は後半追い上げたものの、残念ながら6位に終わった。

 そして、この日のクライマックスは男子100m平泳ぎ。この種目と200m平泳ぎで世界記録を持つ北島康介選手に注目が集まる中、水泳部主将の吉田光宏選手(人4)が出場。この大会で自己記録を更新して決勝の舞台に立った吉田選手であったが、50mの折り返しでは世界記録を上回るペースを刻んだ北島選手についていくことが出来ない。結局、北島選手が1分00秒39で優勝、吉田選手は1分02秒81の5位に終わった。

 大会を観戦して、ひとつ印象に残った言葉がある。「この日のために、長い間水泳をやってきてよかったです」――100mバタフライで日本記録を出して優勝した大西順子選手の言葉である。この日のために費やした時間の大きさが感じられる言葉である。レース後に行われた表彰式で、表彰台の頂点に立った彼女の顔はとても晴れやかだった。今度は、そこに早大生が立つ姿を見てみたいなと思ったのであった。

 

関連サイト
日本水泳連盟公式サイト



 

(TEXT、PHOTO=田村拓実)
 


 
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