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早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2004/7/6更新  第32回

第55回早慶サッカー定期戦 観戦記

 さる6月26日、国立競技場にてア式蹴球部の復活を印象づける絶好の機会である伝統の早慶サッカー定期戦が行われた。ちなみに私自身、ア式蹴球部観戦初体験ということもあり、期待に胸が高まっていた。国立競技場には思いのほか多くの人が詰め掛け、メインスタンドでは若干多めであろう早稲田側の観客によって熱気を帯びていた。それに対し、スタンドは心地よい涼しげな風が流れていた。ピッチとスタンドの距離感と鮮やかな黄緑色の芝に感動しながら、国立はサッカーをする誰しもが目指す聖地である事を実感した。するとお揃いのエンジがかったユニフォームに身を包んだ選手達が入場。スタンドから見るピッチは中継で見るそれとは違い、小さいという印象を受けた。またスタンドからは選手の体、動きなど微細な部分まで読み取れた。試合前に練習を行う応援部の懸命な姿に刺激を受け、観客、選手とも気持ちはひとつであった。

 早稲田は3-5-2の布陣。これは運動量とフィジカルに裏打ちされた兵藤慎剛(スポ1)と徳永悠平(人3)を両サイドに置くことで、特に攻撃面を意識し、守備面でもDFラインのサイドに空いたスペースをカバーしようという狙いがあったのであろう。大榎監督には選手の特質をできる限り引きだしたいという意図があったのかもしれない。攻撃陣のタレント性に勝る早稲田は立ち上がりから一気に攻め込み、可能な限り早い時間帯に先制点を奪い余裕を持った試合運びを行うといったプランがあったようだ。しかし、矢島卓郎(人3)を基点とする決定機はいくつもあったが、慶應の守備陣を簡単に崩すことはできなかった。早稲田の守備面ではボランチとDFラインでのプレスのかけ方が連動し、意識の統一がなされていた。時に見られる慶應のサイドを起点とした攻撃からのクロスによるあぶないシーンも早稲田DF陣が体を寄せ、楽な体勢からのシュートを許さない。攻撃中心の流れの中で決して気を抜くことはなかった。攻撃面に目を向けてみると球離れの良さが印象に残る。ボランチが高い位置でボールを奪い、周りが常に動き回りながらボールの出しどころを作っていた。また矢島のプレイセンス(フィジカル、ボールへの嗅覚)には目を見張るものがあった。前半31分、その矢島がこぼれ球を落ち着いてシュート。ゴールが決まり、観客が叫ぶ。私もその高揚感を五感で感じ、その時はいち傍観者ではなく、スタンドの雰囲気に一体化し早稲田を肌で感じる瞬間でもあった。
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(TEXT=村山裕太、PHOTO=中島和朗)
 


 
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