春といえばお花見。今年も桜の木の下でお酒を飲んでドンチャン騒ぎをする集団を随所で見かけた。桜の木の下に集まってお酒を楽しむ風習はなんと江戸時代から庶民の間に広まっていたというから驚きだ。そんなお花見シーズンに今注目すべきスポーツ、女子サッカー(ア式蹴球部女子)の練習を見学した。
夕方5時、東伏見の新しくなった人工芝グランドにて練習が始まった。この日のメニューの前半はとにかく走りが中心。スポーツテスト上級編といった感じで、選手はとにかく走っていた。90分間フルに走り続ける体力づくりは大変だなと痛感した。
約1時間後、ボールを使った練習が始まると私の隣ではウィルウィンのサッカー好き青年の口が活発に動き始めた。「あの選手はヘディングが強い!」だとか、「お!トラップが柔らかい!」だの、素人同然の私にはいまいちピンとこないことを言っている。しかし、ひとつだけ彼の呟きに納得できることがあった。それは、男子サッカーに比べてワンタッチプレーの数が多いということだ。ワンタッチプレーというのはボールに1回だけ触れてプレーをすること。私はそのプレーを見ていて次第に好感を持ち、そして改めて感じたことがある。世間では時々「女子サッカーはスピード感や迫力に欠ける」などといった意見を耳にすることがある。しかし、それは男子のプレーを基準に比較しているからであって、男子と比べれば女子のスピードや迫力が劣るのは当たり前のことだ。そもそも男子と同じレベルのものを求めるのはおかしい。女子サッカーには女子サッカーならではの魅力があるはずであるが、残念ながらその魅力はまだあまり浸透していないというのが現状だ。
女子サッカーの特徴のひとつだというワンタッチプレーは、素早い周囲の状況把握と判断、そして正確な技術を要す。瞬間的な判断力は男性の方が勝るかもしれない。だが、女性は観察力が非常に優れており、それに加えて、いくつもの事を同時に思量するということを男性よりも得意としているのだと聞いたことがある。ワンタッチプレーはこのような女性ならではの感性を活かしたプレーといった感じであろうか。このように考えてみると未知なる面白さはまだまだ多くありそうだ。女子サッカーの面白さがもっと広まれば、競技人口も自然と増え、盛り上がっていくだろう。バレーボールやテニス、マラソン等のスポーツは女性だからこその醍醐味が確立され定着している。女子サッカーも、なでしこジャパン旋風の波に乗って、これらのスポーツの仲間入りをしたいところだ。
早稲田ア式蹴球部女子は現在関東1部で活躍している。今年も意欲的な1年生を迎え、グラウンドを元気に駆け回っている。彼女たちは紛れも無くサッカーが好きであり、一生懸命だ。そして女子サッカーの醍醐味がひとりでも多くに人に伝わるよう願っており、様々な催しも積極的に行っている。興味を持った方は是非参加してみて欲しい。
関連サイト
早稲田大学ア式蹴球部女子公式サイト
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