Episode.1
○月×日
今日はジョカトーレの女の子の練習を見学しちゃう、僕。 どんな女の子がサッカーをしているのかと考えるだけで心は躍り、胸がときめき、
なにはともあれ楽しみだ…(^m^)
埼京線・十条駅を降りて徒歩5分くらいの位置にある「加賀中学校」へと早歩きで向かった。正門をくぐると、目の前に規則正しく並んだ上履きたちが…、そう。なつかしの“GETABAKO”通称・下駄箱に到着。
好きだったあの娘から「…きもちわるい!」とふられた時、バレンタインデーの日には両隣の子ばかりチョコが入っていた時など、私の恥ずかしい姿を見守ってくれた、あの思い出の下駄箱である。
他にも懐かしいメンツのオールスターが私を迎えてくれた、ちょっと低めのバスケゴール、頭の薄い校長先生の銅像、昼休みにサッカーをしていた屋上…
おっと、いけない。忘れてた!おもいでぽろぽろしている場合ではない!今日はサッカーをしている女の子たちの見学に来たんだっけ。慌てて階段を二段飛ばしで上がる僕。心はすでに中学生。息を切らし、登り終える。ここからはしのびあしで近寄る。
体育館の前へとたどり着く。昔は重かったイメージの体育館のドアを押し、
…扉を開けた。ギイィィ…
「うわあっ…!!」
…まばゆい光が僕を包みこむ。
眼が明るさに慣れ、徐々に焦点があっていく。歓声と興奮の渦そこに広がっており、 その中心には白と黒のボールに魅入られた乙女達の姿がそこにはあった。およそ女の子が20人はいるだろうかと思われ、それぞれ思い思いのユニフォームを身にまといとても楽しそうにボールを蹴っているではないか!しかしこれはまだこれから始まる驚愕パレードのほんの序章にすぎなかった…
なんと男顔負けの素早いパス回し!
(そう、それはまるでプリクラ交換くらいの手際の良さ。)
DFをしているときの隙のなさ!!
(合コンに行く時の化粧のように…。)
そして、いかなる時も可愛らしい!!!
(まったくもって僕の主観。)
僕は早速、彼女達に話を聞いてみることにした。
僕「女の子がサッカーするのってめずらしいよね?」
さっそく男らしくない僕は男女差別質問をぶつけてしまう…
それに対するカワイコチャンたちの回答。
天使A「男の子がシンクロして大ヒットした映画知らないんですか?!」
女神B「いまじゃモー娘。だってやってるんだから!」
魔女K「聞いた、ジジ?あたしこの町にする!」
などなど・・・
「多勢に無勢」というよりは、あきらか失言のせいでぼろぼろに言われ逃げるように体育館の外へと飛び出す、僕。負けたのは僕のようだ。
月明かりの下、長く伸びた自分の影と二人で私は逃げ帰った。 ただ一言、言いたいのは…
「まだ、試合終了の笛はふかれてないぜ…。」
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