6月24日。外は小雨が降りどんよりした空が広がる中、早慶バスケの行われる代々木第二体育館は熱気に満ちていました。大学スポーツ界をリードする早稲田と慶應による「早慶バスケットボール定期戦」は、今年で男子は65回目、女子は51回目を迎える伝統のある対抗戦です。ここまで男子は早稲田33勝対慶應31勝、女子は早稲田24勝対慶應26勝と、両者の対戦成績はほぼ互角。「勝って泣き、負けて泣く」プライドと魂をかけた一戦、その熱い思いが過去幾多の名勝負を生んできました。早慶戦、それは両者にとって決して負けることのできない戦いなのです。今回はそんな早慶バスケを探訪してきました。
12:30、いよいよ選手整列です。選手の早慶戦にかける思い、気合が感じられます。
13:00、まずは女子から試合開始です。観客は3000人を超え、会場はゴールが決まるごとに応援部の太鼓の音と共に沸きあがり、大きな拍手、声援で包まれます。一方ミスが出たりゴールをはずすと、会場中にため息がもれますが、「がんばれ!」の温かい声も聞こえてきました。慶應のミスにつけこむ早稲田の速攻がはまり、チャンスを確実に決めて慶應を突き放していきます。結果は129-48と、早稲田の圧勝に終わりましたが、一つのボールを皆でつなぎ、ゴールを目指し、相手のゴールを食い止めようとする両校の乙女たちのひたむきな姿勢は美しかったです。
14:50、続いて男子戦です。観客もいつの間にか増え、立ち見が出るほどの大盛り上がりです。女子のしなやかな動きとは異なり、男子の動きは力強く迫力があります。早稲田は前半やや緊張しているのか、粗いプレーが目立ち、慶應にリードを許します。そして迎えた第3クウォーター、早稲田がついに同点に追いつきました。ここで会場は今日一番の盛り上がりを見せました。しかしその後は一瞬の気の緩みからミスが続き相手のペースに持ち込まれていきます。早稲田は69-86で惜しくも敗れてしまいましたが、伝統の一戦の名に恥じない、選手たちの気持ちのこもったすばらしい試合でした。早稲田のキャプテン菅川選手のガッツあふれるプレーが特に印象的でした。
試合終了後、敵味方関係なく両校の健闘をたたえる拍手が会場全体から巻き起こり、慶應の女子、早稲田の男子がうつむき涙をぬぐう姿が目立ちました。選手たちがいかにこの試合にかけていたかということが伝わってきました。さらに男子戦後には慶應の控え選手らがコートにどっと流れこみ、キャプテンを胴上げしてみんなで抱き合う一幕もありました。それほど早慶戦での勝利は格別なものなのでしょう。早稲田が強くなるためには慶應が強くなければならないし、慶應が強くなるためには早稲田が強くなければならないのだと思います。これからも早慶両校が切磋琢磨に努め、大学バスケ全体の向上に貢献してくれることを願ってもやみません。
関連サイト
早大バスケットボール部公式サイト
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