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2009/11/30掲載 

競走部 江里口匡史 第3回

  今夏には世界選手権という大舞台を経験し、「世界で戦う」トップアスリートとしての第一歩を踏み出した江里口選手。そして、世界での経験を糧に、更なる成長を誓い臨んだ秋シーズンでは、積極的にレースに参戦する姿が目立った。次なる目標に向けて新たなスタートを切った彼にとって、この秋は『実りの秋』となったのだろうか?
 特集第3回は、前、後編の2部構成。まず前編では先日のアジア選手権を中心に秋シーズンの総括、続く後編では普段の大学生活や競走部についてなど躍進の原点である母校「ワセダ」への思いを聞かせて頂いた。



江里口匡史選手プロフィール
熊本・鹿本高校出身
スポーツ科学部3年
自己記録:100m 10秒07
 

――まず始めに、先日のアジア選手権(11/10〜14)を振り返っての感想を聞かせて下さい。 
 今シーズン最後の試合だったので、自分としてはこの一年の集大成というか自分がシーズンを通してやってきたものをそこで最高のものとして発揮できればいいなと思って臨んだ試合でした。ですけど、個人(100m)は失敗して予選落ちで、リレーも何とか中国に勝って優勝はしたんですけど、やはりリレーはリレーなので。「個人あってのリレー」にしたかったっていうのが本心なので、素直に残念だったなという気持ちの方が強く出てきている試合でしたね。

――大会に臨むにあたってのご自身のコンディションはいかがでしたか?
 体調はすごく良くて、足も痛いところはなかったですし、何か自分の中で気になる点も特になかったので、試合に向けては精神的にも肉体的にも良い状態で迎えられていたと思います。

――個人の100mでは、スタートの瞬間にスターティングブロックが外れるアクシデントがあったそうですが。
 本当に初歩的なミスだと思うので、自分の中に甘い部分や抜けている部分があったんじゃないかなと…。それが試合にああいう形で出てしまったんじゃないかなと考えることもできるので、反省というかもっと気を引き締めていかなければいけないと思いました。どうしようもないと言えばどうしようもないかもしれないんですけど、そんなミスは普通にやっていればしないはずですし、ミスをしてしまったのは自分に何か抜けていた部分があったと思うので、自分の考え方を見直すという点では、今回の失敗をこれからに繋げなければいけないなと思います。

――アジア規模の大会に参加して感じたことは?
 やはり陸上に関しては、アジアでは日本が引っ張っていかなければいけないなと感じました。世界に行くためには、まずアジアで勝たなければいけないですし、アジアで勝って世界で勝負するという道が段階を踏む上では必要なことだと思います。来年はアジア大会が同じ場所(中国、広州)であって、こちらの方が位置付けとしては(今回のアジア選手権より)大きい試合になります。それが直接(ロンドン)オリンピックにも影響してきますし、今回は来年のアジア大会のためのアジア選手権だということは日本選手団もみんな意識はしていたので、今回「勝った、負けた」という結果もすごい重要なんですけど、やはり大事なのは来年にどう影響させられるかだと思います。(遠征に)行くことが出来なければ、来年に繋げるには厳しい部分もあったと思うので、そういう点ではまず遠征に行って、その中でラウンドを踏んで試合をこなすっていうことが一番重要だったんですけど、それができなかった自分がやはり情けない感じでしたね。

 

――優勝した4×100mリレーについては?
 リレーは日本の中でも特に意識というか重点を置いている種目の一つなので、それが負けてしまうとチームにも良い影響はまず与えませんし、逆にリレーが勝つということはただ自分たちが優勝するってだけじゃなくて、日本チームに対してすごく良い影響を与えられる種目なので、やっぱり単純に負けられないですね。勝てて良かったです。

――今大会も8月の世界選手権と同じオーダーで臨みましたが、チームとしての完成度が上がったという感触は?
 今年の世界陸上でやったチームではあったと思うんですけど、やはり時期が変われば選手個人個人の能力もその時によって上下するので、良い選手もいればなかなか夏に比べて上がってこない選手もいます。そういう意味で事前に合宿や練習で調整はするんですけど、1回世界陸上で走っただけあってそんなにも練習しなくても大丈夫というか、代表で走る前に今まで各々でやってきた経験が生きている人たちなので、自然に今の自分の体調に合わせてバトンの歩数を決めて練習をしてたので、さすがだなと思いました。


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(TEXT、PHOTO=岡崎聡)

 

 


 
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