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早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2010/11/3更新  第78回

関東大学アイスホッケーリーグ戦探訪 
「氷上の早慶戦観戦記」

ボディチェックで守備する選手。このぶつかりあいも魅力の一つだボディチェックで守備する選手。
このぶつかりあいも魅力の一つだ。

 アイスホッケーの試合を生で見たことがある方は決して多くはないかもしれない。残念ながら日本ではあまりメジャーなスポーツではなく、トップリーグの強豪・SEIBUプリンスラビッツも親会社の業績不振で姿を消すなど、冬の時代が続いている。
 だからこそ、リンクに足を運び、生で観戦してほしい。これが10月23日に行われた早慶戦で初めてアイスホッケーを生で見た筆者の率直な思いだ 。

 アイスホッケーの魅力はそのスピードとダイナミックさにある。‘氷上の格闘技’とも称されるこのスポーツはとにかく展開が早い。時速40kmでゴール前へ滑ってきたかと思えば、150km近い速さのシュートを打つ。それを阻止するために体当たりで止めるボディチェック。そして絶えず行われる選手交代。同じゴールを目指すサッカーやバスケではみられない‘激しさ’がそこにはある。そして今回試合が行われたダイドードリンコアイスアリーナ(東伏見駅徒歩1分)は意外にも小規模だった。全席が野球やサッカーでは特等席になるだろうリンクのすぐそば。リンクのフェンスの上には透明な板が張り付けてあり観客席にパットが飛び出すこともなく安心だ。つまりすぐ目の前のフェンスに全力疾走の選手やシュートされたパットが飛び込んでくるため迫力満点である。ちなみに相手ゴールの真正面から少し横の席はシュートシーンやベンチがよく見えるためオススメだ。

ゴールを決めて喜ぶ選手たち。
第2ピリオドは早稲田の独壇場だった。


 この日は早慶戦ということもあって両校の応援団も駆けつける中で試合が始まる。 リーグ開幕戦を同校相手に7−2で勝利した早稲田としてはこの試合も気持ち良く勝ってリーグ優勝へ弾みをつけたいところだ。しかし第1ピリオドでは思うようにパスがつながらず、2度のパワープレイも失敗してしまう。

 第2ピリオドではしっかり修正してきた。開始直後から次々と慶応ゴールに迫り、4分に勝田貴之(国教1)がドリブルで切り込むと岩浅友考(社4)がシュートして跳ね返ったパットを最後は寺尾裕道(スポ3)が冷静に決めて均衡を破るとそこから合計3得点。終始早稲田ペースで試合を運び、フィジカルで圧倒した。特に注目すべきはDFの羽銘(スポ1)。U‐18日本代表に2度選出された逸材はボールを取った直後には相手ゴール前まで切り込み、攻撃のリズムを作っていく。相手には脅威だ。

 落とし穴だったのは第3ピリオド。6分に高橋洋平(教4)がペナルティーをもらうとその1分後には遠藤高平(商2)までもがペナルティーを受けてしまう。4人対6人では守りきれるはずもなく、立て続けに2点を献上して3−2。この後は一進一退の攻防が続くが、「慶応の方が勝ちたいという気持ちを前面に出してきたのでこういう結果になったと思います。」(中居隼都主将(教4))の言葉通り、試合時間残り2分である18分に慶応が1点を追加し、終わってみれば3−3の引き分けだった。

 試合には引き分けたが、持ち前のフィジカルを存分に発揮した早稲田。リーグ戦も折り返し地点に入り日程も過密になっていくが、必ずやプレーオフ進出。そして優勝してくれるはずだ。

 最後になったが当然ながらリンクは寒い。近くのコンビニではホッカイロも売っているし、リンクの自販機はあたたかい飲み物の種類が豊富だ。観戦に集中できるようしっかり防寒対策はしていただきたい。


(TEXT=鈴木崇広、PHOTO=鈴木雄介)
 


 
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