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 「大学での4年間を一言で表すならつらかった?楽しかった?」と問いかけると、
「つらいっすね」
との答えが返ってきた。

「自分の場合は怪我が多くて、恐らく4年間あって半分以上は怪我をしてたんじゃないかなって思うくらい、サッカー出来てなかったので、つらいって思いました。特に4年目はシーズンが始まる時点で膝の前十字靱帯を断裂して、今シーズン絶望って言われた中で、リハビリも手術も経験したんで、その時の辛い状況っていうのが最初に出てきたのでつらいなって思いました。」
怪我がちだったらプロに行っても続けられないのでは。気持ちが揺らぎスーツを着て就職活動をしていた時期もあった。 それでもプロを目指すことを選んだのは、辛い経験だけではなかったからだろう。

 ―最後のシーズンのインカレ決勝。

 「やっぱりあの決勝の舞台で得点を決められた瞬間はなぜか、その瞬間に全てが報われたような気がして。あまり覚えてはないんですけど本当の意味でサッカーやっててよかったな、って思った瞬間だったんじゃないかなって思います。(優勝が決まった瞬間は)とにかく泣きすぎてて恥ずかしいくらい泣いちゃったんで(笑)集大成ってわけじゃないですけど、優勝した瞬間に4年間の頑張ってきてこととか、怪我してたときに応援してくれた仲間とか家族とかが一気に浮かんできて、本当にサッカーやっててよかったなって思えたんで良かったです。」
最後のシーズン、怪我に苦しみリーグ戦は思うように出場することが出来なかったが、インカレでは、全試合に出場、そして全試合で先制ゴールを決めた。 決勝でも先制ゴールを決め、見事優勝。苦しく辛い思いをしてきた白井に最後にやってきた最高の舞台だった。

 「辛いってさっき言ったんですけどサッカー出来る環境だったりとか周りの仲間とか全て含めたら本当に今でも最高の4年間だったし、 あの4年間があったから今があるし。」

 そんな最高の4年間を毎日と言っていいほど一緒にいた同期とは今でも本当に仲が良い。
「ユナイテッドにこの間まで福田勝也と喜田弘亮がいて、二人とも今は語学留学でイギリスとカナダに行っちゃったんですけど、その2人はもう毎日会ってて、練習でも会うし、練習じゃない日も一緒に3人で勉強したり。だからもう家族以上の仲っていうか(笑) スタバとかよく行ってたんですけど、それぞれ最初は英語の勉強して、ラスト一時間は3人で英語しかしゃべっちゃいけないルールで一時間過ごすというのを結構やってました。あいつらに実際海外でその経験が生かされたかどうか早く聞きたいんですけど(笑)」


 現在、Jリーガーとして活躍する島田譲(ファジアーノ岡山)と富山貴光(大宮アルディージャ)も例外ではない。2人がゴールを決めれば、同期のライングループですぐに誰かが「おめでとー!」と言う。ラインは徐々に「おめでとー!」で埋まっていき、試合後には2人が「ありがとー!」と返すのが恒例だ。特に大宮と近くにいる富山には試合のチケットをもらったり、家に遊びに行って奥さんの手料理を振舞ってもらったりしている。
「Jリーグの話とかはそこまでせずに、結局トミとかと会うとなんでもない会話しちゃうんで(笑)でもその話こそしないですけどやっぱりトミは試合にも出たりしてますし、結果とかそのプレーしてる姿とかをみて、刺激受けて頑張ろうって思ったりしますね。それは譲も全く一緒で。譲も最近試合に出て点決めたりしてて、すごい活躍してるんで二人の活躍は刺激になりますね。」

 プロとして先に活躍する2人の姿はもちろん刺激になるし、自分が日本でプロとして活躍するという夢も忘れてはいない。
「やっぱりいずれは日本でJリーグで試合に出たいっていうのはまず目標ではあります。日本でやることで応援してくれた人達も見に来れますし、 今でも自分が日本でサッカーする姿見に行くよって言ってくれる友達とか親戚はたくさんいるんで、そういった人達の願いに応えたいなって。」


 10月の初め、ア式蹴球部の先輩である村山拓也にオーストラリアリーグの現状を詳しく聞いた。
村山は現在オーストラリアのサッカーチーム 「ロックデールシティサンズFC」に所属している選手だ。
「一番上のAリーグっていうところに小野伸二選手だったりデルピエロ選手が最近入って、人気が今すごい高まっていて  それこそ日本の選手も多くの人がそのリーグでサッカーしたいと思っている。だけど1チームに海外の選手は2人くらいしか入れない。 でも今すでにいっぱい海外の選手が来てるから契約勝ち取るのは相当厳しいよって。その時はすごく厳しい話をもらって、 それでも挑戦するなら来いって感じだったので、逆に覚悟が決まりましたね。」
簡単な道ではないが、やめるという選択肢はなかった。自分の進む道にもう迷いはない。

「不安はありますけど、でも楽しみのほうが上回ってます。今はやってやろう、って。」

 

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(TEXT=磯綾乃、PHOTO=西村侑美)
 


 
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