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[米式蹴球部特集] 挑戦者たち〜THE GREAT CHALLENGE〜

リレー人物紹介其の弐:#8 TE尾崎耕司


  大学時代、何かひとつのことに対して熱くなりたい、春の大学内にはそんな「熱い気持ち」を持った学生があふれ出す。そんな大学一年の春、筆者は授業で隣の席に座っていた背の高い男の子に声をかけた。「サークル決めた?」「ああ、俺、アメフト部入るんだ」「?!」――それはもう二年も前の会話。その時の男の子、尾崎選手は大学三年生、本人いわく「もやしっ子」だった体が想像できないほどのたくましい肉体と、それに見合うアメフトのスキルを身につけて筆者の前に座っている。尾崎耕司選手、BIG BEARSのタイトエンド主任、チームの核となる存在だ。

 

尾崎耕司選手。

――大学からアメフトを始めたそうですが、なぜアメフトを選んだのですか?
 大学生活は何かひとつのことに打ち込みたくて、テニスやサッカーサークルとか他の部活も回ったのですが、アメフト部はもう盛り上がり方が違って! 一番充実して見えたんですよ。

――入学時よりもかなり体格が大きくなりましたよね。
 当時はもやしっ子だったから(笑)。一年生の時から週に3回はベンチプレスなどのウェイトトレーニングもして、66キロから今は87キロまで大きくして…。でもまだ細いからもう少し大きくなりたいのですよね。目標は90キロ!まあただ太ればいいって問題でもないのだけれど…、もてなくなるし(笑)。

――それでは入部して「しまった!」と思ったことも?
 それは一年生の時ずっと思っていました(笑)。雰囲気にあこがれて入ったはずなのに、練習にも雰囲気にもついていけなくて…。いきなり挫折の一年間(笑)。その経験もあって、今の一年生がそうならないようには気をつけていますね。一年生は未経験者が多いから上級生と離れて練習するので、どんどん上級生から離れていってしまって、自分みたいに「ダルイ、ダルイ」とか言い出しますから(笑)。でもそれはよくあることだと思うから、上級生とうまくつながりを持たせて、うまくメンタルケアをやっていかなければいけないなと思いますね。

――そういえば「学生生活はどうですか」の質問で、「友達と話すとリフレッシュする」とありますが…。
 部活以外の友達といるとすごくリフレッシュできるんですよ。完全に開放されています! 今は東伏見で一人暮らしをしているから、学校に行かないと一日中アメフト漬けになってしまうんですよね。大学に行くのは気分も変わりますし、楽しいです。

――それでは勉強はどうですか?日常生活に占める割合は「30パーセント」とありますが。
 みんなに比べて多いでしょう!? 親がこのインタビューを見るかと思って(笑)。 国際貿易のゼミに入っていて、まだ始まったばかりなのですが来週は東証(東京証券取引所)に行きます。なんだか遠足みたいですね(笑)。


 

 

――話をアメフトに戻して、今年のチームの中で自分の役割は何だと思いますか?
 「核」ですね。三年生になってから、自分が引っ張っていかなければと思うようになりました。昨年はTEに先輩がふたりいたのですが、今は僕が主任なので、「自分がやらないと」と思います。それに去年の東海大戦で自分にとっては痛いことがあって…。絶対甲子園ボウルに行けるっていう雰囲気になっていたのですが、すごく拮抗した試合になっていて、その時僕はレシーバーで出ていたんです。絶対僕にボールが投げられるっていうプレーだったのですけれども、それを落としてしまったのですよ、ぱっぱって。結局その試合に負けてしまったから、「四年生を引退させちゃったじゃん!」って…。負ける要因はほかにもいろいろあったのですが、自分のなかではそれが一番印象に残っていて。取り返せるものなら、取り返したい。自分がやるしかないなって思いますね。

――それでは最後に、尾崎選手の今年の目標はなんですか?
 個人の目標はとりあえずスタメン出場で、別に普通のことなのですが、しっかりブロックして、しっかりパスをとって、「早稲田のオフェンス」を作ることですね。やはりタイトエンドが弱かったりすると、タイトエンドを中心に動くプレーは出来ない訳です。だからオフェンスのプレーを考える上でひとりひとりがしっかりしているのと、いないのとでは全く違うから、オフェンスをしっかり作っていきたいと思います。

 大学四年間という限られた時間、自らの「熱い気持ち」をアメフトに賭けた尾崎選手は限りなく魅力的だ。そんな彼をぜひたくさんの人に見て欲しい、試合会場に足を運んで欲しい。「背番号8」はすぐに見つかるはずだ。

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(TEXT=近藤優美子、PHOTO=山下葉子、田村拓実)
 


 
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