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[米式蹴球部特集] 挑戦者たち〜THE GREAT CHALLENGE〜

リレー人物紹介其の七:#1 WR吉田光


 WR(ワイドレシーバー)吉田光選手は才能にあふれた選手だ。アメフトの技術的な才能、下級生に憧れられるようなスター性、しかし一番強いのは目標設定ができる才能だ。目的、理想が明確で、実現のために今なにをなすべきか分かる、そんな才能にあふれている。


 

吉田光選手。

――大学からアメフトを始めたということですが、なぜアメフトをやろうと思ったのですか?
 高校の授業でタッチフットボールをやっていた時から、高校のアメフト部に声をかけて頂いていたのですが、当時は野球をやっていたので断っていたのです。でも肩を壊してしまい、大学で野球を続けるのは無理だなと思って他の部に入ろうと迷っていた時に、相談していたらいつのまにか東伏見に連れて来られて、いつのまにか入部届け出して、いつのまにか入部していたっていう感じですね(笑)。

――本当ですか(笑)?
 いや、本当にそうなんですよ! アメフトなんてやる気は毛頭なくて。WRなんてポジションなんか知らないですし、アメフト=でかい人間くらいしか分からなくて(笑)。

――それだと初めは苦労されたりしませんでしたか?
 いや、それが普通みんな始めは怖いとか思うらしいのですが、全然思わなくて。楕円型のボールの扱いも意外とスムーズにいったので、「何だ簡単じゃん」って。でもディフェンスがついたりするうちにパスひとつにしても難しくなったり、自分ひとりの球ではなく誰かがブロックしてくれた球なんだなと思うようになるにつれて、難しいなと思うようになりましたね。


 
挫折を糧に成長してきたと語る。

――でもかなり順風満帆に見えますよ、挫折知らずという印象を受けますが…。
 挫折だらけなんですよ。端から見れば1年生から試合に出て、いきなりタッチダウンとってレギュラーで出場して…。それだけ聞くと順風満帆、でもところどころで挫折、挫折です。3年まではあまりアメフトを楽しんでできたわけではなくて…、一昨年の甲子園ボウルもそうですし、昨年の横浜ボウルもそうですし(試合の模様はこちら)、何だか泣きたくなってしまうことばかりで。去年の東海大戦(試合の模様はこちら)もそうですね、僕は自分のせいで負けたのではと思っているのですよ。そういう悔しさを糧に今年頑張ってきましたね。今年の1月からトレーニングメニューも変えましたし。

――トレーニングメニューも変えられたのですか?
 そうですね。昨年の東海大戦が終わった後、波木さんとNFLヨーロッパのトライアウトを受けて、その時日本のトップレベルの同じポジションの人と一緒に練習して、すごい人がいるのだなとか逆に手ごたえも感じましたし、純粋に楽しくて! それが起点になって目標がどーんとできて、もう一度モチベーションを持ち直して目標ができて頑張れるようになりましたね。


 

 

――目標ですか。
 目標がないとがんばれないので! 何のためにやっているのか分からないとどうしようもないです。1月からトレーニングを変えて、自分がその人たちとどうやって勝負すればいいのか、例えばパワーではなくスピードですとか。あと、4年生になって自分のことだけではなくてチームのこともやりますし、それで今に至っているって感じですね。

――すごく充実していますね。
 ものすごく充実感はありますね。端から見ると波木さんが抜けてそこばかりフォーカスされるのですが、確かに偉大な存在だったのですけれども。逆に今年はQB(クオーターバック)が若い分、言いたいことが言えるしQBにも遠慮せずに言えって言ってるので。昨年のようなスターはいないけれど、いない分みんながやらないといけないからみんなが主役になれる、本来アメフトは11人でやるものですから。今年のチームは強いですよ!

 「今年のチームは強い!」そう言いきる吉田選手の言葉を聞いて気持ちが高ぶった。こんなふうに人の気持ちを高揚させる力も持つ選手なのだろう。だがこの才能もすべては日頃からの努力の賜物。努力と才能を両手に持った吉田選手から目がはなせない。

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※吉田選手は2年前にもウィルウィンで取り上げております。
その模様はこちら

(TEXT=近藤優美子、PHOTO=横山真弓、齋藤美穂)
 


 
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