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2004/12/14 [米式蹴球部特集] 挑戦者たち〜THR GREAT CHALLENGE〜

特別企画 「マネージャーから見た米式蹴球部」 
横山麻衣さん&三瓶麗子さんインタビュー


 

2年前の甲子園ボウルの様子


前のページより)
――ところで、4年間マネージャーの仕事をしてきた中で、おふたりが一番印象に残っている事は何ですか? ある試合でも、練習中や合宿中の出来事でも結構なのですが。
横山: もういっぱいありますよ(笑)。

――どうぞ何個でも挙げてください(笑)。
横山:
1年の頃は結構感情的だったよね。
三瓶: だったね(笑)。私はやっぱり、今思い返して4年間を象徴するなと思うのは、2年前の甲子園ボウルですね。負けてしまったんですけれど。

――確か14-51でしたよね。
三瓶: そうです。それで最後に一列に並んでお互いの校歌を歌ってエール交換をしたんですけど、私たまたまグラウンドの片づけの担当でグラウンドに居て、それで選手と一緒に列に並んでいたんですよ。相手の校歌が流れている時は立命館側の観客席を見ていたんですけど、いざ自分たちの校歌の番ということで、くるっと早稲田側の観客席を見たその瞬間ですね。甲子園の関東側のスタンドなんて仮設なんで、全然小さいんですよね。

――バックネットの前に設けてありましたね、そういえば。
三瓶: はい。で、そこに溢れんばかりの早稲田の応援団で。その時は試合が終わって負けて、あまりに大差で悔しいとかそんな感じは無かったんですけど、振り返って観客席を見た瞬間に涙が出てきて。こんなに応援されているのに勝てなくて申し訳ないというのと、またここに来なきゃっていう感じが。私たちのやっていることはこんなに多くの人を巻き込んでいるんだと実感した瞬間ですね。

2年前のクラッシュボウル準決勝

――横山さんはどうです?
横山: 私は自分の仕事での失敗なんですけど、2年生の時に初めてプレーオフに進出して、その時に記念にということでグッズを作ろうという事になったんですよ。一般の方に販売もするし、みんなでも着れるようにというということで、Tシャツの後ろにみんなの名前を書いたんですけど。それはうちのチームは波木さんのような方もいらっしゃいましたけど、未経験の方でどんどん上手くなってスターターを勝ち取って、それでチームの勝利に貢献した人も、いろんな人が居て、みんなが居てこそここまで来れたんだぞということで、みんなのイニシャルを書いたんですけど。最後の…最終戦?
三瓶: 最終戦。
横山: 最終戦でプレーオフが決まって、準決勝までほんと時間が無い中で急遽Tシャツを作ろうという事になった時に、業者に送ったデータには全員分の名前が入っていたんですけれど、実際試合の前日に届いたTシャツにはふたり名前が抜けていたんですよ。ふたり名前が抜けたら本当に意味が無いんだという思いがあったんですけれど、一般の方には注文を取っていたんで、一般の方には販売したんですよ。ただ、部員が着る分にはどうしてもそのTシャツは配れないんで、部員の分は回収して業者に返して、急いで作り直してもらったんですけど。その時私は2年生だったんですけど、どうすることも出来なくてもう悔しくてただ泣いていただけなんで、主務や他のマネージャーの先輩が掛け合ってくださったんですね。結局それが試合前日だったので、試合当日そのTシャツを着ることが出来なくて。
三瓶: 準決勝?
横山: そう。そこで負けたらもう終わってしまうんで、結局Tシャツを着れないまま終わってしまう、出来上がった頃にはみんなシーズンオフに入ってしまうという事で、すごい自分の中で悔しい思いをしたんですよね。だから法政戦で最後にキックが決まったというのが「もう一回頑張るチャンスが出来たんだ」というのがすごい嬉しくて。これで全員の名前の入ったTシャツを着て決勝に行けるというのが、もうすごい安心しましたね。回収して良かった、って。ちゃんと現役としてそのTシャツを着せてあげられる、というのが嬉しくて。私その時外の受付にいて、中から歓声が聞こえても何のことか分からず「どっちが勝ったんだろう」と思っていたら、人伝いに早稲田が勝ったよ、って聞いたんですけど。

 

――あの裏側ではそんな事があったんですね。
横山: ええ。チームが初めての舞台に立つという事だけでなく、まだこれから頑張れば取り戻せる、そのチャンスが与えられた事がすごく嬉しくて。結果がどうのこうのと言うよりは(笑)。

――ところで、マネージャー生活で一番良かったなと思う事は何ですか?
横山: 今こうして横に麗子がいるのもそうですし、他の同期の仲間ともそうですけど、実際部にいたときも、部から出た今でもすごく大きな拠り所があるっていうことは。自分がここにいたんだな、っていう家族的なものがあるのは大きいですね。つらい時もあったんですけど、そういう時はいつも隣に麗子や由里子(今年度主務を務めた村上さん)や他の仲間がいたんで。振り返ってみると一本太い道を歩んでこれたかな、と思いますね。
三瓶: ちょっとこう、蛇行しながらも最終的にはまっすぐ軌跡を残せたというか、歩きとおせた道というのがありますね。
横山: 一生懸命過ごしていると4年間なんてあっという間に過ぎてしまうじゃないですか。振り返るとすごいいっぱい思い出すことがあって、思い返してみると4年間ってすごい長いんじゃないかって思いますね。
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(TEXT=田村拓実、PHOTO=早稲田大学米式蹴球部提供、横山真弓、近藤優美子)
 


 
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