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[ア式蹴球部特集] 「覚醒」

早慶戦直前!大榎克己監督インタビュー


 見事前期リーグを首位で折り返したア式蹴球部。徳永悠平キャプテンなど選手個人の活躍に目がいきがちだが、そのタレントの個性を1つのチームにまとめ上げた大榎克巳監督の見事な手腕も欠かせなかった。
 今回は、大榎監督に、前期リーグを振り返るとともに、早慶サッカー定期戦への意気込みを語っていただきました。


 

就任2年目の大榎克己監督。

――まず、はじめに前期リーグを見事首位で終えました。振り返ってみてどうですか?
 慶應戦の一敗(第4節1−2で惜敗)はチームに少なからずショックを与えた。しかし所詮22試合分の1だし、そこでチームとして、切り替えてもう一回やり直そうっていう団結力が生まれて、その後の無失点での4連勝という成績につながった。振り返ればあそこで、強さが身に付いたんだと思う。しかし国際武道大に負けた試合(第10節0−1)でも、先取点を取られると、ばたばたして自分たちのサッカーができないことがあった。対戦相手は引いて守ることが多いので、そこをいかにくずしていくかがチームとしてリーグを通じての課題になった。後期ではますますそういうチームが多くなってくると思うんで、そこで得点できないとこのまま勝ち続けることはできないと思う。でも、前半戦を首位で終えたことは満足しているし、まぁもう少し下と差がつけられると思ったけど(2位とは勝ち点4差)、試合はそんなに簡単にはいかないとは思っていたし、いい結果だと思う。

――今年のチームの強み、持ち味はなんですか?
 昨年からテンポの速いワンタッチ、ツータッチで人よりもボールが速く動くサッカーをチームで目指してきて、それは単に走るスピードだけではなくて判断スピードも要求している。そういう意味ではある程度形として出てきた点は満足してる。

――改善していかなければいけない点は?
 相手は守ってカウンターという場合が多くなってくるので、セットプレーの精度を上げてそこからもっと点が取れるようになれば、チームとして展開が楽になると思う。うちが先に点をとって主導権を握れば、相手は攻めてこざるを得ないわけで、その状況をなるべく早く作りたい。そうすれば、自分たちのサッカーがもっと長い時間できると思う。


 

選手は全員が同じ方向を向くように指導。

――監督2年目として自身の監督論は固まってきましたか?
 特に(監督論は)持ち合わせてはいないんだけど、選手のモチベーションをいつでも維持できるようにすることは心がけている。人数が多いので、全員が試合に出れるわけではないけど、Aチームのメンバーは全員が同じ方向を向くように指導しているし、その他の選手もIリーグ(インテリジェンス・リーグ=主に関東リーグに出場しない選手が出場する育成リーグ)で、チームとして一丸になって戦うようになっているので、チーム全体としての状態はいいと思う。

――昨年の早慶戦を振り返ってみてどうですか?
 あまり思い出したくないんだけども(笑)、前半は非常にいいサッカーができたと思う。後半になって徳永が怪我で退場したり、自分自身も監督になりたてだったし、四年生になるべく経験をつませてあげたいと思って選手交代も多くしたこともあって、結果として負けてはいないんだけど(2−2の引き分けで終了)、あまり気分がよくない試合だった。その試合も含めて今年もリーグで慶應にやられているんで、リベンジという意味での早慶戦になると思う。

――早慶戦でのゲームプランは?
 リーグでは最後パワープレーになってしまったんだけど、今回は序盤から仕掛けていってボールを早くまわして相手を消耗させたい。相手もきっと長い時間はついてこれないからね。まぁ基本的には自分たちのサッカーを90分間し続けることだね。


 

早慶戦ではリベンジ!そして狙うは全国制覇!

――今年のチームとしての目標はなんですか?
 一番は2部で優勝して1部にあがること。これは最低限の目標でもある。あとは、総理大臣杯予選で勝ちあがって出場権を獲得して、早稲田の名を全国にとどろかせたい。欲を言えばタイトルも取りたい。しかし、このチームはそれだけのポテンシャルを持っていると思っている。

 

 

 監督生活2年目を迎えた大榎監督。選手とのコミュニケーションを非常に大切にし、システムに選手を当てはめるのではなく、選手の個性を最大限に生かしたサッカーで見事な結果を残した。それは選手を信頼しているという意思の現れであろう。昨年度の定期戦、そして前期リーグでは慶應の前に屈した。しかし、今こそリベンジの時がきたのである。大榎監督のもと着実に進化を遂げていく早稲田。その先には栄光が待っているに違いない。 


(TEXT=平野峻、PHOTO=普川まど香)
 


 
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