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[ア式蹴球部] 「2009早慶サッカー定期戦特集」

第60回早慶サッカー定期戦 試合展望


 6月28日(日)、聖地・国立競技場にて第60回早慶サッカー定期戦が行われる。昨年は、慶應が2点を先制するも、その後早稲田が4点を返し、4-2で勝利を収めたこの試合。今回で60回目を数える伝統の一戦、今年も両校の意地とプライドをかけた激しい戦いが繰り広げられるに違いない。そこで今回は、両校の戦力分析、試合展望をお送りします。


 

今季の早稲田の成績はリーグ戦5位(5勝4敗2分)。
総理大臣杯予選3回戦敗退。

早稲田の戦力分析
 早稲田のシステムは4-4-2。先日の総理大臣杯予選で採用した4-5-1(4-1-4-1)の布陣も考えられる。GKは菅野(商3)。今季公式戦全試合で早稲田のゴールマウスを守る安定感抜群の守護神だ。DFは小川(スポ3)と服部(スポ4)のコンビが有力。二人ともフィジカルの強さには定評があり、空中戦にも絶対的自信を持つ。その脇を固めるのは、堅実な守備と機を見たオーバーラップが魅力の主将・中川裕(社4)と正確な右足でチャンスを演出する野田(スポ3)。野田はセットプレーのキッカーも務める。その他、189cmの長身でフィードの質も高い岡根(スポ3)やSBの佐々木(スポ4)らが控える。

 ボランチは山中(スポ2)と幸田(スポ3)の二人。山中は元々守備の評価が高かったが、今季はここまで公式戦で3得点と攻撃力にも磨きがかかっている。幸田は攻撃的ポジションならどこでもこなせるユーティリティプレーヤーで、ドリブル、シュートともにハイレベル。また、チームが4-5-1の布陣を敷いた際には、CBが本職の大型ルーキー畑尾(スポ1)が中盤の底にアンカーとして入る。
 中盤で攻撃の中心となるのが右サイドの松本怜(スポ4)。スピードに乗ったドリブルからのクロス、シュートは相手にとって大きな脅威となる。左サイドは胡桃澤(スポ3)か奥井(スポ2)が有力。胡桃澤は突破力に加えトリッキーなプレーが持ち味で、今季一番の成長株。奥井はチーム屈指のドリブラーで、個人で局面を打開できる選手だ。サイドが主戦場だが、リーグ戦で無難にこなしたボランチでの起用もあり得る。その他、テクニックのある副将の中野大(スポ4)や、気持ちを前面に押し出したプレーが特徴の菅田(人4)らも出場機会を窺う。

 FWで核となるのはルーキーの富山(スポ1)。得意のシュートの威力は勿論、ポストプレーもきっちりこなす早稲田の新エースだ。リーグ戦ではチームトップタイの3得点、先日の総理大臣杯予選でも2試合連続でゴールをマークしている。2トップの場合、富山と組むのは、昨季チーム得点王の中川翔平(スポ4)。ピッチを縦横無尽に駆け回り、DF裏への飛び出しを得意とする。ベンチには、2年目の小井土(教2)や今季リーグ戦初ゴールを挙げた松井(スポ2)などが控える。

 

今季の慶應の成績はリーグ戦4位(5勝3敗3分)。
総理大臣杯予選2回戦敗退。

慶応の戦力分析
 慶應のシステムは4-5-1(4-2-3-1)。GKは今季から正守護神の座に就いた中川翔太(2年)。DFは今季リーグ戦全試合でコンビを組む三上(3年)と笠松(2年)が主軸。田中奏(2年)と黄(2年)の両サイドバックは共に攻撃力に優れ、質の高いクロスでチャンスを演出する。右SBの田中奏は昨年の早慶戦でもゴールを決めている。

 タレント揃いの中盤を支えるのが中町(4年)と織茂(4年)の両ボランチ。特に10番を背負う中町は、キックの精度、キープ力、決定力のどれをとっても一級品で、リーグ戦でも4得点3アシストと大活躍。圧倒的な存在感で、慶應の攻撃のタクトを振るう絶対的司令塔だ。副将の織茂は、安定感あるプレーで、攻守のバランスを保つ役割を担う。

 前線で巧みにポジションチェンジを繰り返し、攻撃の中心となる動きを見せるのは中川靖(4年)、河井(2年)、深澤(3年)の3人。今季チームトップタイの5得点を挙げている主将の中川靖は、豊富な運動量を武器に鋭い突破で相手ゴールを脅かす。河井はチームトップの4アシストをマークするなど、精度の高いキックとパスセンスが光るプレーヤー。小柄ながらその技術の高さは折り紙つきで、Jリーグ特別指定選手(J1・清水エスパルス)でもある。深澤は、サイドバックもこなす器用さを持ち合わせるサイドアタッカーである。

 FWは甲斐(4年)。183cmの長身を生かしたダイナミックなプレーが持ち味だ。中盤の3人とのコンビネーションも抜群で、リーグ戦でも5得点を挙げている。サブには1トップもこなすFW風間(2年)や、ボランチのバックアッパーの加美(3年)、MF日高(2年)、DF横川(3年)らが控える。

 

キャプテンの中川裕平(社4)。
早慶戦でもチームを勝利に導けるか。

試合展開予想、見どころ
  今年度の成績が、早稲田が関東1部5位(5勝4敗2分)、慶應が関東1部4位(5勝3敗3分)。リーグ戦前期の対戦では1-1の引き分けに終わっており、両者の実力はほぼ互角といえるだろう。今年の慶應は、昨年同様「パスサッカー」を身上としており、リーグ戦でも11試合で22点(リーグ2位タイ)を挙げるなどその破壊力は抜群。リーグ戦序盤の好調時に比べると終盤はやや勢いが衰えたものの、早慶戦には強い意欲を見せており万全の状態で臨んでくるだろう。対する早稲田も、先日の総理大臣杯予選では守備陣が踏ん張れず敗れたが、リーグ戦を連勝で終えており、チーム状態はまずまず良好といえる。

 この試合でポイントの一つに挙げられるのは「サイドの攻防」だろう。両者ともサイドからの攻撃を得意としており、サイドの主導権を握った方が自分たちのサッカーに大きく近づける。早稲田は右サイドの松本怜の突破などから勝機を見出したい。また、セットプレーも大きな鍵となるだろう。慶應にペースを握らせないためにも、早稲田は前線から積極的にプレスをかけて、相手のパス回しを封じたいところである。今季のチームの特徴である攻守とも「アグレッシブ」なプレーに注目して頂きたい。早慶両雄の力は拮抗しており、試合は1点を争う白熱した戦いが予想されるが、両チームとも守備に若干の不安を抱えるため、一度試合が動き出せば一気に昨年のような激しい打ち合いのゲームになる可能性も考えられる。そうなると、最後に勝負を分けるのは「決定力」。当然のことだが、チャンスをしっかりゴールに結び付けられた方が勝利を掴むだろう。

 何が起きるか分からない特別な試合である早慶戦。今年は60回記念大会ということで、女子部の早慶戦も行われる(16:30キックオフ)。28日は選手達の熱い戦いを観に、ぜひ国立競技場に足を運んで頂きたい。

関連URL
ア式蹴球部公式ホームページ
第60回早慶サッカー定期戦ホームページ

(TEXT=岡崎聡、PHOTO=岡崎聡、田辺里奈)
 


 
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