11月7日に行われる第42回全日本大学駅伝対校選手権の区間エントリーが発表された。
愛知県名古屋市の熱田神社西門前〜三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前、8区間106.8キロで行われる全日本大学駅伝。今年で4年連続の本選出場となった早稲田は、07年が5位、08年が2位、09年が4位という結果で、3年連続でシード権を獲得している。
レースの流れを作る重要な1区(14.6km)には、早稲田不動のスターター・矢澤曜(教3)が登場。全区間中2番目の長さを誇り、今年も第一工大のジュグナら強豪が集う区間ではあるが、経験、実力ともに申し分ない矢澤なら十分対応できるだろう。積極的な走りでレースを作り、出雲に続く区間賞、または最低でもトップに30秒以内でタスキをつなぐことが求められる。
今年も柏原(東洋大)、鎧坂(明治大)ら各校のエースが集う2区(13.2km)。早稲田はなんとルーキーの大迫傑(スポ1)を大抜擢。出雲では思うような走りが出来ず悔しい思いをしたという大迫だが、その実力はチームでもトップクラスで渡辺康幸監督からの期待も大きい。持ち前のスピードを存分に生かして他校のエースに食らいつき、今度こそ本領発揮といきたいところだ。
スピード区間といわれる3区(9.5km)を走るのは八木勇樹(スポ3)。大会最短区間であるがラストには上り坂が待ち受けており、スピードとともに冷静さも要求される。チーム浮沈のカギを握る八木は、まだまだ本人は満足していないものの、出雲駅伝では3区区間賞を獲得するなど、少しずつ完全復活への手応えを掴みつつある。状態は万全ではないようだが、粘りのある走りで最低でも区間上位でまとめてほしい。 前半戦最後の4区(14.0km)を任されたのは佐々木寛文(スポ2)。4区は今大会3番目に長く、中盤の勝負所となる大事な区間であるが、出雲でも区間新記録を樹立するなど、安定した走りで監督からの信頼も厚い佐々木なら適任である。後半戦に向けチームの勢いを更に加速させるような走りを期待したい。
全長106.8kmという長丁場のこの大会では、レース後半で大きな順位変動はあまり見られず、前半から上位でレースを進め、流れに乗れるかが優勝への絶対条件となる。前半4区間に主力をつぎ込んだ早稲田のオーダーからは、出雲のような先行逃げ切りを目指すチームの意図が見える。2区の大迫の出来が一つのポイントとなりそうだが、序盤から先頭集団で常に優位にレースを進め、出来れば少しでも貯金を作ってレース後半を迎えたいところである。
厚い選手層を誇る今年の早稲田は、つなぎの区間とも言われる5、6、7区にも力のある選手を配置。5区(11.6km)を任されたのは志方文典(スポ1)。大学駅伝初陣となった出雲では、1年生らしからぬ落ち着いた走りでまずまずの結果(5区・区間5位)を残しており、今大会でも前回を上回るような快走が期待される。レースの流れをうまく受け継ぎ、しっかりと次の区間に繋いでもらいたい。
6区(12.3km)では、猪俣英希(スポ4)が満を持しての大学駅伝デビュー。今年の関東インカレのハーフマラソンで8位入賞するなど、ロードと長い距離での強さに定評のある猪俣は、先日の早稲田記録会でも10000mで自己記録をマークするなど好調を維持。箱根に向けても必要な戦力なだけに、堂々とした走りで4年生の意地を見せてほしい。
7区(11.9km)で猪俣からタスキを受けるのは、2年連続で全日本出場となる前田悠貴(スポ2)。昨年は全日本以外では出番がなかったが、今季は6月に5000mで自己記録を更新するなど着実に成長。春先から練習を継続して積んで駅伝シーズンに備えてきた。昨年は区間13位に沈んだ苦い経験を生かし、今年こそは、区間上位での快走を見せてもらいたい。
最終8区(19.7km)は、平賀翔太(基理2)が務める。大会最長区間であり、今年もベンジャミン(日大)や村澤(東海大)など各校の実力者がエントリー。早稲田としては平賀にトップで襷をつなぐのが理想だが、もしレースがアンカーにまでもつれる接戦となっても、チーム一の安定感を誇る平賀なら他校のエース達とも十分対抗できるだろう。 持ち味である冷静な走りでレースを進め、出雲に続く歓喜の優勝のゴールテープを切って欲しい。
大学駅伝三冠を目標に掲げる今年の早稲田。先月の出雲駅伝では1区からトップを一度も譲らない完全優勝を収めたが、総距離も伸び、他大もほぼベストメンバーで臨んでくるこの大会では東洋大、駒澤大ら強豪との激戦が予想される。とはいえ、戦力的には早稲田も十分に優勝を狙える位置におり、出雲と同様一人ひとりがしっかりと自分の役割を果たし、堅実に襷をつないでいけば、15年ぶりの伊勢路制覇に大きく近づくことが出来るだろう。今大会も内容、結果が伴った今後に繋がるレース運びで、今季2つ目の駅伝タイトルを掴んでほしい。
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