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特別対談
早稲田大学野球部 土生翔平主将×濱潤哉学生コーチ


仕上がりは順調!
関東一部リーグ優勝は目前!

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――春季リーグ終了から3週間ほど経ちますが、いまのチームの雰囲気はいかがですか(※取材を行ったのは6月18日)
土生: 春に比べては、やろうとしてることが明確にちゃんとやるようになったっていうか、春はこういうことやろうっていっても、本当にやってるかどうか分かんないような、流れてたって感じなんですけど、今やろうってことに対してしっかり取り組もうっていうのがチーム全体にもありますし、その部分ではちょっとは変わったなと思うんです。これをしっかり継続して甘くならないようにしていけば、良い方向には行くと思うんですけど。
濱:
自分が思ったのは、練習なんかも休みもなくて、だらだらしたりとかすんのかなと思ったら、意外に集中して動きもよくて、元気もありますし、そういった面で、やっぱり春の反省とかしっかり受け止めて、結果受け止めてやろうとしてるんだなっていうのを感じましたね。

――やはり悔しさがモチベーションになっているという雰囲気は感じられますか
濱:
はい、もうやんなきゃいけないなっていう気持ちを自分も感じます。


早慶戦後「神宮を見たくなかった」という言葉もでたが、土生主将からは主将、そして打撃陣の柱としての責任を背負いながら戦う"強さ"を感じた。

――春季リーグは苦しい戦いが続いたと思いますが、いまは野球をやっていて楽しいなと思いますか 土生: そうですね、楽しいって思えないですね(笑)やっぱり、楽しくやってるわけでもないですし、まあ・・そういう気持ちはまだないですね。ないっていうか、厳しくやっていかないといけないと思ってますし、楽しんでやるっていうのは一つの方法かもしれないですけど、それが甘さにもつながると思いますし、終わった時に「楽しかったな」っていうかそういう風に思えればいいかなとは思うんですけど。

――濱コーチはいかがですか
濱:
いや、もう一番、野球人生で一番苦しいですね。

――苦しい戦いながらも、春季リーグで得たものは何でしたか
土生: それが、やろうとしたことがちゃんとできてなかったっていうのを確認できたこととか、一人ひとり、まだまだ力が足りないっていうのも感じたと思いますし、自分もいままで打ってきた中でも、ごまかしごまかし打ってたなっていうのが分かったんで、もっと上に行くにはこういうバッティングしないといけないとか、突き詰めていかないといけないなっていうのを思えたんで、そこはほんとこれからどう自分がやっていくかが、プラスになっていくかどうかじゃないかと思います。
濱:
自分はDVDとかいろいろ見返したんですけど、たったこのワンプレーでこんなに点差がひらいたりだとか、ここしっかりアウトとってれば勝てたんじゃないかって試合が3、4試合もありますし、やっぱりワンプレーでほんとに試合っていうのは流れが左右されて、流れをもったチームは勢いにのってさらに良い雰囲気で試合をすすめていけますし、逆に劣勢のチームはどんどん自分の力を出せなくなってっていうのをすごい感じたので、ワンプレーの重みっていうか、そういうのを一番感じましたね。

――土生主将は打撃陣の柱になる存在だと思いますが
土生: そうですね、そうならなきゃいけないと思ってますし、頼ってもらえるような選手に自分がこれからもっともっと頑張ってなっていかないと、春5位だったんですけど、早稲田が秋も下位の順位になるんじゃないかと思うんで、そこは責任大きいなっていう風に感じてやってます。

――春のリーグ戦前に神宮未勝利の投手陣が課題ではないかと言われていましたが、投手陣が春季リーグを経験して成長したなという部分は
濱:
やっぱり試合経験をつめたんで、春は駄目でしたけど、いまの自分たちの力っていうのが春の時点で分かったと思うんで、それからはやっぱり、ピッチングコーチの中野と一緒に取り組み方が変わってきたなと自分は思います。

野手はバッティング、投手は走りこみに力をいれているそう。

――他のチームで春季リーグ戦前と今とで印象が変わったチームはありますか
濱:相手のことはそんな考えてなかったんですけど、うちのチームはもっと打ってたかなって。うちはむしろ打撃のチームだなと思ってたんですけど・・ね?(笑)
土生: (上を見上げて)・・・。いやーまあそうっすね(苦笑)
濱:
でも、慶應は、去年ごっそりレギュラー陣抜けたんですけど、やっぱりそれなりに仕上げてきたなという感じがします。

――土生主将は選手として戦われて、いかがですか
土生: そうですね、慶應はまとまりがやっぱりあるなとういう風には。どういう風に仕上げてくるのかなと思ったんですけど、いままで出てきてなかった人でも、しっかり結果残してますし、そういう指導っていうのがしっかり練習の中でもされてるなというのを感じました。でも、どの大学もなんですけど、自分たちが絶対勝てない大学はないなっていう風にも感じました。負けたんですけど、はっきりとこんな点差になるほど、力の差はないだろうなっていう風にも感じましたし、ちゃんとやるっていうか、ピッチャーもコントロールよく自分のピッチングができれば絶対抑えられると思いますし、バッターも本当のバッティング、自分のバッティングをやれば、全然打てないピッチャーはいないとも思うんで、監督さんには力不足って言われますけど、力不足っていうのもあると思うんですけど、でも、もっともっとやれたんじゃないかなとは思います。

――秋のリーグ戦までの野球部の予定は
濱:
春はオープン戦も地震の影響で数が踏めなくて、新チームの戦い方っていうのが確立できなかった部分があって、「まあ打撃のチームだろう」、「投手陣をなんとか打撃でカバーしよう」っていう頭のイメージだけでやってたんで、8月はしっかり試合をつんで、自分たちの勝ち方っていうか、勝ちパターンっていうのを確立して、それをリーグ戦でやろうっていう風には自分は思ってます。

――なにか新しい取り組みは
土生: 量は増えたんですけど、メニュー自体はそんな変えないで、あとはどう意識してひとつひとつのメニューをやるかっていうところが大事だなと思います。

――秋までにどんなチームに立て直していきたいという構想は
濱:春はピッチャーのミスを打撃陣がカバーできなかった、打撃陣のミスをピッチャーもカバーできなかったっていうのがあったんで、あんな点差ひらいたと思うんですけど、やっぱり投打どっちもが歯車かみあうっていうのはそうそうないと思ってるんで、そこは助け合いっていいますか、ピッチャーが苦しんでる時はバッターが打ってであったりとか、バッターが打てない時はピッチャーが頑張るとか。そういう投打のバランスというか、そういうところでやっぱり悔しい思いはしてると思うんで、いま取り組んでることを秋にしっかり発揮してもらいたいなと思います。
土生: 春はあっさり負けた試合も多いんですけど、2戦目の早慶戦のように4-0から4-3までもっていける、終盤粘り強く戦える力もあるんで、そういう粘りの野球っていうか、しぶとくやっていく、ピッチャーもピンチになっても粘り強く抑えるとか、バッターもそう簡単にチャンスとか普通の場面でも凡退しないとか、そういう粘りをみせられるチームにしていきたいなと思います。

――いまの時点で秋、優勝できる自信はどれぐらいありますか
濱:春は力を出せなかったんで、普通にやれば5位にはならないと自分は思っていて。今しっかり練習やって、それなりに選手も前向いてるんで、自分は優勝できるとは思ってます。
土生: いまの時点ですよね。それだと、まだ優勝はきついなと思うんですけど、このままずっとやって力もつけていけば優勝すると思ってやってるんで、このままやって、優勝する気まんまんでやります。

――選手としてコーチとして自身に課している課題はありますか
土生: そうですね、自分はとにかくバッティングでも守備でもひっぱっていけるように。ほんとチャンスで打てるバッターになりたいっていうか、頼れるバッターになりたいって思ってます。

――濱コーチはいかがですか
濱:
常に周り見て、選手見てるんで、常に状況把握しながらやることを心掛けてますね。それが、試合の時、自分は三塁コーチャーなんですけど、瞬時の判断にすごい判断材料として関わってくるものだと思ってるんで、常に試合中じゃなくても、いろいろ周りをみて、選手をみてやってます。

――お互いのことについて聞きたいのですが、まず濱コーチからみて土生主将のここがすごいというところはどんなところ?
濱:すごいところですか?いっぱいありますよ、土生は。
土生: (笑)
濱:
土生のすごいところは、とりあえず満足しないですね。ずっと練習パートナーやってますけど、「うーん、うーん」ってずっと常に。いいバッティングしてるんですけど、「うーん、うーん」ってずっと言ってて、「え、これで大丈夫?」「大丈夫?」「濱、大丈夫?」みたいな。逆に聞いてくるぐらい心配性で。
土生:
まあ、それがいいとこなのか分からないけどね(笑)
濱:
ずっと継続して練習を一番する選手だと思いますし、そういうところが土生の良いところだと思いますね。

濱コーチの真面目さはこの真っすぐな眼差しからも伝わってきた。

――逆に土生主将から濱コーチのこんなところがすごいというのは
土生: それは、やっぱ真面目じゃないですか。濱は、ほんとチームのこと考えてくれてると思いますし、濱も自分でコーチのタイプではないみたいなそんな感じで言ってて、確かにタイプではないとは思うんですけど・・(笑)、でも必死にやれる限りやってくれてる、そういう一生懸命さっていうか真面目さはこの野球部でも一番じゃないかなと思うんで、何事に対しても一生懸命に取り組むっていうのはほんとに尊敬する部分であると思います。

 

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(TEXT=平尾実夏、PHOTO=磯綾乃)

 


 
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