10月8日、大学三大駅伝開幕戦となる第24回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)が行われた。
「三大駅伝のうち1つでもタイトルを取りたい」と臨んだ早稲田は、一時は4位まで順位を上げるも、最終的には6位でのフィニッシュ。波乱の幕開けとなった。
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苦しいレースとなった大迫。次は必ずやリベンジしてくれることだろう。
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早稲田のスターターはエース・大迫傑(スポ3)。先行逃げ切りの早稲田にとって、チームにリードをもたらしたいところだ。その願いに応えるかのように大迫は3キロ過ぎにトップに躍り出ると、後続との差を順調に引き離す。しかしその大迫に異変が見られたのは残り1キロとなった頃。突然の腹痛に見舞われ、失速を余儀なくされた大迫を後続が追随、みるみるうちに交わされていく。交わされても対応することが不可能な程苦しい表情の大迫は順位を落とし続け、まさかの10位で中継所へと飛び込んだ。
思わぬ位置で襷を受け取ったのは大学駅伝デビュー戦となったルーキー・高田康暉(スポ1)。高田は予想外の順位にも動じることなく、「風も強かったので、前半オーバーペースにならないように抑えて行こう」と冷静に走り始めた。結果は区間4位。「後半伸びなかった」と自身に厳しい評価を下すが、無難な走りで順位を1つ上げ、エース区間3区の山本修平(スポ2)へと託した。
2年生ながら準エースにまで成長した3区・山本。9番手で受けた襷を一挙5位まで押し上げる意地を見せた。しかし区間3位の結果については「全く満足していない」ときっぱり。「2位集団の背中が見えていたにも関わらず、風も影響して良いリズムが築けずに、追いつくことが叶わなかった」と反省する姿は、「自分の力はこんなものではない」と物語っているようだった。
山本の奮起に鼓舞されたかのように、4区の前田悠貴(スポ4)も粘りを見せた。終始1キロ2分50秒前後の速いペース刻み、前方との差を縮めようとするが、なかなか詰まらない。「とにかく区間賞」と自身が切望していた目標は叶わず、順位そのままに5区へと襷リレーが行われた。
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区間変動が起こりやすい最終区。レース後も平賀の顔には一際悔しそうな表情が見えた。
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5区には田口大貴(スポ2)が出場し、大学初駅伝を経験。駅伝に憧れて早大を志望しただけに出場への想いも人一倍強かった。今シーズンめきめきと頭角を現した田口は中間点付近で順大を捉え、4位でアンカーへと繋げた。しかし、区間8位の結果については「自分の中で力はついてきたけど、それに過信しすぎてしまったところがあった」と納得いかない様子。飽くなき向上心の持ち主にはまだまだ伸びしろがありそうだ。
アンカーは4年連続で平賀翔太(基理4)が担当。「襷をもらった時点では3位を狙える位置だった。後続は気にならなかった」と振り返る平賀だったが、後方からは山梨学院大・オムワンバと駒大・窪田が猛追。7.5キロ付近でついに平賀も両者に捉えられた。「簡単に離されてはいけないと思った」としばらくは3者で並走状態を続けたものの、相手のペースに対応できなくなった平賀はラスト1キロを前に離されてしまう。昨年に続き今年も最終区での逆転を許し、6位でゴールテープを切った。
今回は惨敗を喫した早稲田だったが、選手たちは「次こそは」と前を向く。次戦の全日本大学駅伝でリベンジなるか―。ここからの1ヶ月は早稲田の真価が問われる時となりそうだ。
2012年第24回出雲全日本大学選抜駅伝競走
個人記録
区間 |
氏名 |
学年 |
学部 |
出身 |
個人記録 |
区間順位 |
チーム順位 |
1区 |
大迫傑 |
3 |
スポ |
東京・佐久長聖 |
23.57 |
10 |
10 |
2区 |
高田康暉 |
1 |
スポ |
鹿児島・鹿児島実業 |
17.09 |
4 |
9 |
3区 |
山本修平 |
2 |
スポ |
愛知・時習館 |
23.46 |
3 |
5 |
4区 |
前田悠貴 |
4 |
スポ |
鹿児島・小林 |
18.01 |
5 |
5 |
5区 |
田口大貴 |
2 |
スポ |
秋田・秋田 |
18.41 |
8 |
4 |
6区 |
平賀翔太 |
4 |
基理 |
長野・佐久長聖 |
30.32 |
5 |
6 |
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計 |
2.12.06 |
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関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
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