明日に迫った第65回早慶サッカー定期戦。これまでスポーツの聖地、国立競技場で数々の名勝負を繰り広げてきた早稲田大学ア式蹴球部。今年は改修工事に伴って等々力競技場で開催される。メモリアルイヤーである90周年を迎えたア式蹴球部にとってぜひとも勝利を収めたいところである。
早稲田の真骨頂は「最後までボールを追う泥臭いプレー」だ。全員攻守のサッカーは早稲田の伝統のサッカースタイルである。今年も近藤洋史主将(スポ4)を中心にその姿勢を貫き、リーグ戦を始めとする試合に臨んできた。事前インタビュー時に古賀聡監督も「ピッチに立つ一人ひとりが、攻撃でも守備でも能動的に挑戦していったときにようやく勝利というものが手に入る」と挙げている通り、ここに勝利につながるポイントが隠されている。対して、慶応のサッカーは個の力で圧倒するプレーが多い。特に攻撃に転じてからの展開が速い。ただし、反面ボールを奪われた後には隙を感じさせられる場面が多いので、一つ一つの慶応のプレーに対して早稲田の組織力で対応していけばおのずと勝利が見えてくるだろう。いや、勝利しかない。
私がア式蹴球部の取材を始めさせていただいてから2年と3か月。多くの選手とスタッフの方々にご協力いただき、ウィルウィンの一員として活動してきた。時に選手のポジションを間違えながら力説して失笑を買い、時に記事そのものの情報を誤ってご指摘をいただく。本当に数えきれない失敗を重ねてきた。その中でも常に笑顔で対応してくださるア式蹴球部のみなさんの優しさに触れ、プレーはもちろん、プレー外の人柄にも魅了された。そんな私の取材における早慶サッカーも最後を迎える。毎年事前インタビューをしているが、その中で心に残る選手の言葉がある。それは去年の事前取材においての言葉だ。
【チームスポーツなので苦しい思いをしているのは一人じゃないし、同じ思いをしている人が自然とたくさんいる。そういう存在がいるだけで簡単には折れないし、一緒だからこそより頑張ろうと思えたり、自分一人だけ折れられないというか。学年問わず仲がいい集団だと思うのでそういう点でもエネルギーとなって支えになっていると思います。】
「一人じゃない」その思いが、頑張る力になり、苦しみを乗り越える力になる。それが学年も超え、チーム全体にある思いなら、その力は何倍にもなる―
ア式蹴球部を取材することが出来て誇りに思う瞬間だった。今もその思いを抱いている。だからこそ90年という節目を迎える早稲田にぜひとも勝ってほしい、心の底から思う。
明日、2日19時から等々力競技場にてキックオフ。ア式蹴球部の一人一人の熱い思いが詰まったプレーを観に行こう!応援に出かけよう!
関連URL
ア式蹴球部公式ホームページ
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