高田康暉選手プロフィール 　　スポーツ科学部3年 鹿児島・鹿児島実業高校出身 　自己記録　5000m：14分00秒99 　　　　　　　10000m：28分49秒59 ハーフマラソン：62分02秒

――今シーズンは怪我が長引いていたように思います
箱根駅伝が終わった後に自分がこうなりたいと決めたのですが、自分自身のレベルがそこまでいなくて。その中で驕りや焦りがあって、完全に怪我が治りきらないうちに走り出して再発しましたし、気持ちでいえばまだまだ「早稲田のエース」になりきれていませんでした。今まで箱根駅伝で1発走れただけだったので、そこはもっと目先にとらわれずいければよかったなという後悔もあります。でも(怪我をすることで)それに気付けたので全体としてはプラスになったのかなと思います。

――怪我をしてから取り組んだことはありますか
短距離と一緒に補強をするとかして腹筋みたいに一瞬でやるものではなくて、我慢する補強、時間をかけるような補強に取り組みました。走り自体がぶれてばらばらになっていた部分が身体の左右差に出て故障につながったと思うので、まず体幹をしっかり作ってからトレーニングしていきました。

――渡辺監督が「今年1年で一番成長した選手は高田」と言われていました。ご自身としてはどうですか
去年1年では走りの面で成長できたんじゃないかなと思っています。箱根に出られない選手から区間賞を獲れるようになったので。今年は気持ちの面で成長できたんじゃないかなと思います。

――自己新が出た上尾ハーフはどのように捉えていますか
全日本で駄目だったという悔しさがあったんですけど、走り込みがまだできていなくて、上尾ハーフでしっかり最後追い込むことが出来ないと、箱根駅伝の2区をずっと走りたい、リベンジしたいと思っていたのにチャンスがなくなるので、上尾では絶対に優勝するという気持ちで臨みました。レース内容としても勝負どころでしっかり勝てたので、勝負勘や走り込みが出来なかった分の最低限の仕上がりが出来たんじゃないかなと思っています。

――「リベンジ」というのは
区間賞は取れたんですけど、1年トータルで見ると村山（謙太・駒大4)さんは日本のトップで戦っていますし、他の服部(勇馬・東洋大3)や大六野(秀畝・明大4)さんは学生のトップでやってきていて、自分は全日本でも分かる通り、力の差が完全に開いている状況なので、1年を通してのリベンジでもあるし、繋ぎの2区と言われて区間賞を獲ったんですけど、タナボタという面もあったのでリベンジしたいなと思っています。

――真の早稲田のエースになりたいと
そうですね、もちろんトラックで世界に通用しないとエースとは言えないんですけど、自分の中で「世界で戦っていきたい」という思いがあるので今年の箱根の走りは自分の今後にも必ず生きてくると思うので、他大学の選手には絶対負けたくないという気持ちでいます。

――2区を走りたいということですが、レースのポイントは
アップダウンがあってとても難しいコースなので走力だったり、心の面での厳しさがないとあそこは走れないのでごまかせないというか、最後までついて走った(上尾の)経験から集中練習も終わったこの1週間で継続して心や身体のスタミナを準備していきたいと思います。

――意識している選手は
村山さんが一番強くてマークはしているんですけど、同年代の服部は去年はもちろん勝ってはいるんですけど最後離されていますし、今年の活躍として彼はエースになっているので、同学年には特に負けたくないです。また、高校の先輩でもある市田(孝・大東大4)さんも意識しています。より一層負けたくないというか、高校の時にずっと勝てなくて悔しさがあるので自分の力で勝ちに行きたいと思います。

――2区のレースプランは
今の時点で後半まくるまではいけないかもしれないのですが、全日本でも正直自分で置いていかれて流れも失っているので、チームの流れを後押しするというか流れを引き寄せるという意味でも、「駅伝は繋ぐもの」なので後半で伸びたほうが自分自身としてもチームとしてもいいのかなと思います。村山さんともハーフで(自己ベストが)1分違うので、勝ち目があるのは前半冷静になって後半伸びるレースだと思っています。

――今年は渡辺監督は最後の采配となります
監督としても選手としても早稲田で活躍されている方にずっと指導してもらってきて、1年生の箱根に出られなかった時に気にかけてくれたり、厳しく接してもらったりしてきて、自分の底の時から期待してくれました。長年作ってきたものに最後自分も携わることができるので個人的な感謝の気持ちも含めて「ありがとう」といった言葉はいつでも言えるので、結果として有終の美を、胴上げを出来るように恩返しをしたいです。

――監督に言われた印象に残る言葉は
1年生の箱根駅伝を走れなかった時に「お前はここで競っている選手じゃない」と言われて、そこで元々世界を目指すために早稲田に入ったということを思い出しました。その時はただ箱根で走りたいというような思いに気を取られていた部分もあったので、この時の渡辺さんの言葉が自信にもなったし、陸上競技にちゃんと向き合うきっかけにもなりました。

――最後に箱根駅伝への意気込みをお願いします
攻めの走りで総合優勝に貢献できるように頑張ります。