第1回大会から参加し、当時から早稲田のライバルであった古豪、明治大学。今回が7年連続57回目の出場となる。最近では6大会連続でシード権を獲得しており、存在感を放っている明治大学だが、箱根駅伝の優勝からは1949年を最後に遠ざかっている。全日本大学駅伝で過去最高の2位となった今年度、満を持して古豪復活を狙う。
明治大学の中心となるのは上級生だ。16人のエントリーメンバー中、3、4年生が11人を占める。主将の有村優樹(4年)は1年時から主力として活躍してきた選手で、過去3年の箱根はすべて区間3位以内と安定感が光る。同じく3度の箱根を経験しているのはエース大六野秀畝(4年)。過去3回とも1区、2区といった主要区間を任されており、今回も2区での起用が濃厚か。他大の監督からも警戒されている選手で、全日本では最長のアンカー区間で東洋大と青学大を逆転、意地の走りでチームを2位へと引き上げた。1区のスペシャリスト文元慧(4年)の存在も大きい。全日本こそ失速してしまったが、前回の箱根では各校のエース級が揃った1区で4位と力を発揮している。このほか全日本で好追をみせた松井智靖(4年)と、山田速人(4年)を含めた5人の4年生がエントリーされている。
また、1番の注目株と言ってもいいのが横手健(3年)だ。昨年までは故障などで調子が上がらなかったが、今年は全日本5区で区間新を樹立、初代MVPに輝いた。箱根でも主要区間での起用が予想される。今シーズン5000m、10000mともにベストを更新している木村慎(3年)も力のある選手で、駅伝では安定した成績を残している。全日本を走った8名はいずれも3、4年生で、順当にいけばそのまま箱根にも出走するだろう。残りは2枠となるが、気になるのは山要員だ。前回大会、5区山登りは横手が担当するも、区間19位に沈んでいる。6区は前回区間賞の廣瀬大貴(現大阪ガス)が卒業。山は未知数となっている。近年の箱根は山の成績が総合成績を決めるといっても過言ではなく、誰が配置されるのか、要注目だ。
力のある4年生、八木沢元樹(4年)や前野貴行(4年)らが故障によりエントリーから漏れたのは痛手だが、それでもタレントは揃っている。早稲田にとって脅威になることは間違いないだろう。距離に強い早稲田と、スピードが武器の明治。対照的な2校がどのような競り合いを見せるのか。全日本の展開からもわかるように、どの大学も序盤で後れを取ることは避けたい。明治はかつて86回大会では1区から4区に主力を並べトップを独走、強烈な印象を残したこともある。来る91回大会、優勝を狙う古豪は果たしてどんなレースを見せるのか。
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早稲田大学競走部公式サイト
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