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[馬術部] 「馬術部、マル見え」

長谷部悦郎主将インタビュー


  今回は、伝統ある馬術部を率いる長谷部悦郎主将(法4)へのインタビューです。馬術を始めたきっかけから馬術にかける思いまで多岐にわたる質問に答えてもらいました。



 

長谷部悦郎主将プロフィール
早稲田大学法学部4年生
城西大学付属川越高校出身

――馬術を始めたきっかけは
 始めたきっかけは、本当に適当で大学から新しいことをしたいなという風に思っていた時に入学式の後の新歓で馬術部員の先輩の方々に誘われて、面白そうだなと思ったので1回ここ(早稲田大学馬場)に来たんですけど、そのときに馬に乗らせてもらって面白いなと思ったのと、あとは部の雰囲気がすごく好きだったので入ることを決めました。

――入るかどうかは新歓で決めたのですか?
 そうです。ほんとたまに馬やりたいって入ってくる子とかもいるんですけど、僕はそういうのではなくて、新しいことやりたいというのと部活で自分の4年間を馬術に没頭できるかなと考えて決めました。

――運命ですね
 そうなんですかね(笑)まあそんなところで。

――主将になられて馬術に対する思いは変わりましたか?
 とにかくずっと考えていたのは大学から始めても経験者と勝負できるようなところで勝負したいなとは思ってきたんですけど、主将になってからは自分のことだけではなくて部全体として強いチームをどうやって作っていけるかなというので下級生にちゃんと練習馬を用意してあげたりしています。当然他のスポーツとは違って道具があって人が集まればできるっていうものでもなくて、やっぱり馬の体力とか体調面もあるのでそういう意味で練習馬を用意してあげたりとか競技馬を用意するとかちゃんと試合に対応できるようにと考えてやっていますね。

――生き物を相手にしているのは大きいですか
 他の競技と違って、考えることが2倍、3倍、4倍ってあるなぁというのが自分のバスケットをずっとやっていた経験からも実感していて、人の技術だけでも駄目だし、馬の技術だけでも駄目だし、馬と人のバランスを考えていくと他に比べてやらなきゃいけないことがたくさんあるなと感じますね。

――相性とかは大事になってくるものなのですか?
 そう思いますね。

――先ほど(練習風景見学)お話を伺っていて「馬にも性格がある」とおっしゃっていました
 そうですね。身体的な能力ももちろんそうですし、やはり気性の部分もそれぞれの競技の向き不向きみたいなのがあるので、性格面は尊重していかなきゃいけないのかなと思います。

――馬の世話をしていて朝早かったり大変なことも多いと思いますが
 うーん、慣れですね(笑)もともと僕早起きが苦手なんですけど入ってから早起きするのがなんでもなくなって、試合の前とかは朝始発で来たり、始発がない時は連日泊まったりするのも苦じゃなくなりました。




 

下級生に指示を飛ばします

――1日の馬術部の流れは
 朝集合して、馬房の掃除をして餌を作ったり、周りの掃き掃除を終えてから練習を始めて、終わったら手入れをして用意していた餌を昼にあげてって感じですね。おが粉なんでまた掃き掃除をしてきれいにしての繰り返しです。あとは馬の洗濯物ですね。足を拭いたりとか鞍の下につけてるゼッケンとか馬は汗をかくのでそういったものも全部きれいにして午前中は終わりです。今、早実の高校生がここ(早大馬場)で練習しているので、基本的に午後は高校生が使っています。大学生が練習を見て高校生が同じような流れで作業をしてという感じです。馬は1日に4回餌を食べるんですけど、泊り番が前日の夜9時につけて(餌をあげて)、朝5時につけて、昼みんなが集合した10時半につけて、夕方の3時半に高校生がつけてっていうのをぐるぐるやっています。

――汗かいて食事してって人間と同じなんですね
 スポーツで使っているんで怪我とか病気とかも多いのでそういったものもケアしていかなければならないです。

――医者にもかかるんですか
 そうですね、毎日目が離せないですね。

――スポーツとしてということですが、やはり馬術と乗馬は違いますか
 どうですかね、まあ競技で使っていくという面でやっぱり結果を出さなきゃいけないので馬に求めるストレスも違ってくると思いますし、人もそうですけど、馬もトレーニングしていかなければならないので厳しさっていう面で違うのかなあと感じます。

――部員の方から「ストレス解消のために放牧させている」と聞きました
 乗っていろいろ馬に求めた後に体をリラックスさせてあげたりだとか、やっぱりただ人間本位で求めてやってても馬に対して負担がかかってしまうのでスポーツをやってるという部分では怪我をしないで、なおかついい状態で競技会に臨めるようなバランスっていうのは大事なのかなと思います。

――馬術は3つの種目で分かれますが、それぞれの特徴は
 障害はもちろんハードルみたいのを跳ぶんですけど、馬に注意力が必要ですし、障害に向かう勇気も必要ですし、そういうのがあるのかなと思います。馬場はフィギュアスケートみたいな感じで素人からだとわからないかもしれないんですけど、足を入れ替えて走ってみたり、「はみうけ」っていって馬がリラックスして、なおかつ人の推進力を受けた状態なんですけど、それをしていないと頭が上がって体がうまく使えていない状態なんですけどそれができると馬を支配できてるっていうことで「魅せる」っていう部分の競技になりますね。実際に審判がついて経路が決まってるんですけどその経路に対して「今のは何点」とつけて最終的に何%と点数をつける競技です。障害は落とした数で決まるんですけど、素人目に見ていて面白いのは障害じゃないかなと。

――もう一つの総合は
 今話した2つに加えてクロスカントリーっていって水の中に入ったりだとか木の丸太を跳び越えたりだとか坂上がってそのまま障害を跳び越えたりだとか本当になんでもありで段差から飛び降りたりだとかして3種類の総合で競う競技です。

――担当は決まっているのですか?
 障害の選手は総合も兼ねたりするんですけど、だいたい3種目で分かれていますね。あんまり馬場の選手で障害をやるっていうのはないですね。

――向き不向きはあるんですか
 そうですね、やっぱり障害の場合は踏切の合わせたりだとか、走り幅跳びの時も踏切を合わせますよね。あれを馬でも合わせてあげなきゃいけないんですよ。なんで障害をやってない人は苦手ですね。逆に体のバランスを使ってやる競技なんかは馬場の選手は得意としていますし。まあ最終的には基本的なことは同じなんですけどね。

――ちなみに長谷部さんは
 総合ですね。

――それは自分で志願したものなのですか?
 だいたい希望に沿って下級生の頃に「どっちがやりたいの」っていうのがあって。もちろん向き不向きもあるんですけどそれでだいたい決まりますね。


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(TEXT=西村侑美、PHOTO=福島瑠都)
 


 
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