TEXT=松原克利
「復路」が決め手。ハコネ新世紀
ここ数年、主力を往路に固める「往路重視」は崩れ、復路でも勝負を掛けられる布陣で区間配置するよう傾向は強くなってきている。今年は特に復路の争いが熾烈を極めた。
スタートから順大・宮井は中大を追い越し、レース序盤で3回目の山下りだった宮井が首位に立つ。順大は逃げきり体制に入ろうとした。だが、「復路の順大」に負けないくらいの布陣で駒大は対抗した。
両陣とも7区と9区にはエースクラスを走らせた。強い者には強いものをぶつけ合った。つなぎとなる8区には箱根未経験者をどちらも出した。戦力的にも似ていた。両チームは復路で再レースといった様相を呈した。
7区での3年生対決、8区の初箱根対決では駒大が順大を猛追し、差はわずかになった。 復路のエースが走る9区、両校ともチームのエースが走った。大方の予想を覆し、駒大の高橋正仁が順大の高橋健介に競り勝つ。駒大は3区間連続区間賞で復路優勝も総合優勝も近づいたかのようだった。だが「復路の順大」が駒大にキバをむいたのは10区でのこと。
伝統的に復路を軽視しない順大はアンカー育成にも力を入れていた。3年目のアンカー宮崎は勝負強さを発揮し、再逆転に成功する。そのまま優勝のゴールテープを切った。10区での首位交代は15年ぶり。15年前も順大が逆転
優勝した。 アンカー勝負そして復路での戦いは復路重視の先達順大が駒大の上を行った。優勝を決めたのは「復路の順大」だった。
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TEXT=まつばらかつとし
早稲田大学社会科学部4年 早稲田スポーツ新聞会、昨年の競走部担当チーフ。
スポーツカメラのスペシャリスト。自身も長距離を走る。当サイト代表とはともに駅伝大会に出場
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