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TEXT=鈴木英介(5/19)・白井邦博(5/20・21)



5月19日(土) 第1試合 W2-5R


優勝に向けて、早稲田・立教とも絶対に落とせない試合。和田・多田野のエース同士の対決で緊迫した決戦は、立教に軍配が上がった。
序盤は完全な投手戦。1回から3回までは、共にパーフェクトピッチング。特に和田は5回3分の1までパーフェクトの上、6者連続三振を含む13奪三振。敗れはしたが、誰も彼を責めることはできないだろう。問題は4回・6回に訪れたチャンスに点を取れなかった打線か。特に4回、2死満塁のチャンスに無得点で終わってしまったのは、崩れかけていた多田野を完全に復調させてしまった。
両チーム無得点で迎えた7回、ついに和田が立教打線に捕まる。四球のランナーをバントで進めて1死2塁、ここで立教の4番・和田が打った当たりは、風にも乗ってレフトスタンドへ。更に和田が降板した9回、代わった早稲田の投手・川口がヒット・四球・バントで1死2・3塁のピンチを迎えると、松倉の適時打、そして代わった生出からも多田野がヒットを放ち、3点の追加点。早稲田はその裏、比留間の2ランで2点を返すも後続が続かず、痛い敗戦を喫した。
早稲田は田中・比嘉が完全にブレーキ。また、8回裏、投手・和田に代打は普通としても、9回表の川口の投入は失敗だったと言わざるを得ない。むしろ、9回最初から生出や江尻を出した方が良かったのではないだろうか。特に、裏に2点取れたので、9回の失点はとても痛かった。(鈴木 英介)



5月20日(日) 第2試合 W2-4R

ここで負ければ自力優勝が消滅する早稲田は、江尻が先発。立教はノーヒッター・上重がマウンドに上がった。
序盤は昨日と同様に投手戦。江尻は課題の四球を毎回の様に出しながらも要所は抑え、一方の上重も安打を許さない。
試合が動いたのは6回。末定のタイムリーで1点を先制した早稲田は、しかしその裏、四死球とヒットで1死満塁のピンチを迎える。対する立教のバッターは昨日本塁打を放っている和田。江尻が投じた1球はセカンドゴロ、セカンド田中が追いついてショート鳥谷に送球、鳥谷が1塁に投げて併殺・・・と思いきや、鳥谷、1塁へまさかの暴投!この間に一気に2人の走者が帰り、立教が逆転。なおも2死2塁、失意の江尻が投じた直球は吸い込まれるようにど真ん中へ。立教の松倉、これを見逃さず、レフト中段へ放り込む・・・・・・
その後は早稲田・生出、立教・速水の好投で試合はあっという間に9回へ。今季、今まで何度も逆転劇を演じてきた早稲田は諦めず、先頭打者・末定がサード和田のエラーを誘うゴロで出塁、続く鳥谷もセンター前に弾き返し、無死1・3塁。立教のエース多田野を引っ張り出した直後、代打・野国の犠牲フライで2点差。エース・和田も逆転を信じ、ブルペンへ。しかし続く比嘉、青木が続かず、ついに早稲田の自力優勝は消滅した。
試合終了直後、和田が項垂れながら、小走りで挨拶に向かう姿には、思わず泣き出す学生もいた程、胸に迫るものがあった。6回の攻防が全てと言えば簡単だが、立教の優勝への執念が、紙一重の差で早稲田を上回っていたのではないだろうか。他力本願にはなってしまったが、和田、そして悔やんでも悔やみきれないエラーを喫した鳥谷に、もう1度チャンスを。そう願わずにはいられない。(白井 邦博)


5月21日(月) 慶応-法政 第3回戦 K3-4H

3-3の同点で迎えた9回裏、法政は1死から金井がヒット。続く清水の打席で、慶応のエース・長田が牽制で走者を誘い出し、アウトにすると思った刹那、送球が逸れて殺すことが出来ず。清水は敬遠され、1死1・2塁。更に奈須が2-3からから四球を選び、1死満塁。続く先頭打者・河野が詰まりながらもセンター前に落とし、優勝に望みを繋ぐ逆転勝ちを収めた。
この瞬間、早稲田は早慶戦で連勝しても、立教、若しくは法政に勝率で及ばず、2位以下が確定した。神宮球場を出た際、失意の早稲田ファンを大量に見た時、寂しい中にも早稲田への愛を感じ、一瞬、嬉しかった。けれども、本当に残念。(白井 邦博)

 

 



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