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   「早稲田で勝ちたい!」
   〜浪人生が語る早稲田のスポーツ〜
    TEXT=手嶋剛(早稲田大学庭球部)





浪人選手が活躍するワケ

なぜ、早稲田は浪人選手が活躍するのだろう。他大ではあまり見られないこの現象が、なぜワセダでは起こるのか。なぜワセダで活躍できるのか。私は、浪人生が早稲田で活躍できる背景には「受験勉強をやってきた」という自信があるからだと思う。受験勉強というと、参考書を暗記すればよいとか、大学に入ったら役立たない勉強ばかりやるといったイメージがあるかもしれない。しかし、受験勉強において知識や偏差値自体は確かに役立たなくても、「考える力」が養われるという点で見れば、浪人は甚だ捨てたものではない。

まず、受験生は物事を解決するにあたり「効率的な方法を考え、それを実行する能力が優れている」点がある。語弊を恐れず書くが、やはり何事も成功するためには効率的な方法を見つけ出さねばならず、受験勉強も当然例外ではない。早稲田レベルの大学に入るために、自分なりの効率的パターンを作り上げることは、必要不可欠な事である。早稲田に入った浪人生達は、当然その方法が身についており、スポーツをするにしてもその方法が見つけやすいのではないかと思う。浪人生の場合、現役生と比べて試行錯誤を続けていたので、その分頭に残りやすい。 自分がレベルアップしていく「過程」の大切さを知っているというわけだ。

次に、「浪人生には精神的な開放感が存在する」ということがある。浪人生は誰しもが、望んで浪人した訳ではなく、とにかく耐えて耐えてやっと大学に入ることができた人ばかりであると感じる。現役生と比べて、好きな事に打ち込むと言うことに飢えているのだ。だから、いざ入学し、体育会に入りスポーツができるようになると、今までの鬱憤を晴らすように打ち込む事ができるというわけである。



浪人したからこその強さ

「精神的に強い」というのも浪人生の特徴であると思う。浪人生の中には、私のように強い意志をもって体育会に入ってくる輩が多いと聞く。そういった選手は、たいてい「高校時代の花形選手に負けてたまるか!!這い上がって倒してやるぞ」という向上心を持っている。本当にやる気があり、少しくらいの事ではびくともしない精神力を持っているのだ。浪人時代に培った精神が、スポーツでも生かされ自分の強い味方となる。例えば、上達して試合に勝つようになると、上のレベルにいけようになる。このことは、偏差値が上がり難関校の問題が解けるようになる気持ちと似ているところがあると思う。これは、体験した者にしかわからないが、本当に楽しくて楽しくて仕方がないのだ。また、スランプに陥ったり、少しうまく行かなくなったことがあっても「受験の苦しみにくらべれば、このくらいなんだ!」という気持ちになり、逆境に立たされても、へこたれない。そういった強い気持ちを浪人生は持っていると思うのだ。

この他にも、浪人生が早稲田で活躍できる理由は多々あると思うが、私が3年間過ごして来て感じているのことを精一杯述べたつもりだ。浪人生にとって、受験勉強を質・量とも極めた努力とそれによって培われた精神力が、プラスに働いているのではないか。このことは、浪人生だけでなく、一般受験で合格した全員にも通じることかもしれない。こういう要素をもった学生が、体育各部に入ることは推薦生の刺激にもなるし、自分自身のためにもなる。体育各部は、自分に一切言い訳などせず、己の限界にチャレンジしてきた浪人生達の素晴らしさを表現する場でもある。しかしながら、私も初めは、練習についていけず「もう無理だ」とか「所詮、推薦学生を超えられない」という類の思いで、自分の可能性を狭めてしまったこともあった。その時の自分は、「体育会でやっている」という事に満足してしまっていて、悪い言い方をすると「負け犬」だった。しかしながら、日々の練習を通じて「己に打ち勝ち、競技レベルを上げていくことこそが、第一の目的」であると実感してから、私のテニスは変わった。

最後に、私たち浪人生の頑張りが、一般生にも推薦生にも勇気を与え、チームが”骨太”の強さを持つようになる。体育会離れが進んでいる今、浪人生の頑張りが、早稲田スポーツの浮沈を握ると言っても、もはや過言ではない。 ”早稲田”という最高の学問、スポーツ環境で、自分を試すことは、生涯忘れられない自分の”軸”になる。私はそう断言する。



TEXT=手嶋剛
(てしま・たけし)

1977年生まれ。商学部4年。国士舘高出身。2浪ながら庭球部のレギュラーを勝ち取った。昨年は、関東学生ベスト8など活躍。
















 

 

 

 

 
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