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ラグビー全早慶明三大学対抗戦特集
全早稲田大学vs全慶應義塾大学 総評
TEXT=長友亮太

 2002年3月24日(日) 14:00キックオフ @秩父宮ラグビー場

 先日の英国・アイルランド遠征で大健闘を見せたワセダが秩父宮に帰ってきた。この試合、遠征で活躍した現役組はオフで、全早大チームは4年生とOBという異例の構成で宿敵全慶大チームに臨んだ。全早大は過去13年連続(引き分けを挟む)で全慶大を下しているだけに、今回も負けられない一戦となった。試合は58-17(前半31-5)で全早大の圧勝。公式戦でないとはいえ、点差以上に見応えのある試合となった。


全早慶明三大学対抗戦
3月24日14:00 秩父宮ラグビー場
全早大
58
31 - 5
17
全慶大
27 - 12

 まず先制したのは全慶大。前半10分、ゴール前密集からSO吉野が左隅に飛び込んでトライ。しかし、全早大もすぐに追いつく。前半14分、ゴール前スクラムからNO.8平田(H9卒・九州電力)がサイドアタック。最後はLO吉上(H10卒・九州電力)がトライを決める。ここからは終始全早大のペースだった。パスミスや反則など、急造の現役・OB混合チームらしく息の合わないところもあったが、そこは運動量と総合力でカバー。26分にCTB小森(H12卒・リコー)、30分と37分にはWTB永島(H9卒・サントリー)がトライを決め、一気に差をつける。印象的だったのは前半終了間際のプレー。全早大ゴール前スクラムからFB山崎(H13卒・トヨタ自動車)が前方にキック。ハーフウェイライン付近でイレギュラーしたボールが全早大のHO中村(法4)の手に。そのまま20mほどゲインし、再び最後方からトップスピードで走ってきた山崎へ。トップスピードのままゲインを続け、最後は相手を振りきって右隅へトライをした。

 後半開始直後は一進一退の攻防が続く。均衡が破れたのは後半10分。慶大新主将のLO水江がゴール左隅にトライ。前半同様、最初のトライを奪われたものの、その後はまさに全早大のトライラッシュ。15分に全慶大のNo.8野澤(4月に神戸製鋼に入社)にトライを決められたものの、WTB永島、艶島(H13卒・セコム)、FB山崎、そして終了間際にはCTB川崎(4月に住友商事に入社)が立て続けにトライを奪い、最後まで全慶大を寄せ付けなかった。 

 前回の全慶大対全明大の試合に続いて、私が個人的にMan of the Matchを選ぶとすると、この全早慶戦ではぜひ全早大のWTBの永島茂樹選手を挙げたい。この試合をもって引退となった永島選手は、最後とは思えない動きを見せ前後半合わせて計4トライ。小刻みなステップで対面を切るプレーなど、まだまだ現役で通用する動きを見せ、ファンを魅了していた。また、FB山崎弘樹選手の動きも冴え渡っていた。トヨタ自動車に所属する山崎選手であるが、強豪トヨタにおいてシーズン中は常に控えメンバー。この日はそのうっぷんを晴らすかのようにフィールド全体を駆け回った。圧巻だったのは後半5分のプレー。全慶大のFB廣瀬選手が10mラインから抜け出し独走態勢に。しかし山崎選手だけは諦めず追い続け、廣瀬選手に後ろから飛びつきインゴール内でのノックオンを誘い、奇跡的にトライを防いだ。このプレーには場内からもこの日一番の歓声が上がり、山崎選手本人も右手を高々と上げ、会心のガッツポーズを見せてくれた。トライも前後半合わせて2本奪い、存在感を十分に見せつけた。

 計3試合行われる全早慶明三大学対抗戦の最終試合は、31日に行われる全早明戦。卒業する4年生にとっては学生生活最後の試合となる。今シーズンのワセダを支えた左京前主将をはじめとする4年生の勇姿をぜひとも見に行ってほしい。



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