野球部特集「松坂世代最終章〜戦え同期〜」
立教戦総評
TEXT=長友亮太
3月中は多くのオープン戦や社会人との試合で経験を積み、99年春以来の優勝を目指すべく、初戦となる立教戦に標準を合わせてきた早稲田。今季を占う上でも注目の試合となった。
4月13日(土) 早稲田1-0立教
プロ球界も注目する両エース対決となった開幕試合は、戦前の予想通り両投手の息詰まる投手戦となった。早稲田のエース和田(人科4)がキレのいい速球と変化球で次々と打者を打ち取っていけば、立教・多田野も負けじと140kmを超える速球を武器に、次々と三振を奪っていく。
両チームとも三塁までランナーを進めるも、最後の一本が出ない。0-0のまま試合が進む中、9回表ついに均衡が破れる。先頭の2番青木(人科3)が俊足を生かしバントヒットで出塁。バッター3番鳥谷(人科3)の間に青木が盗塁を決め、鳥谷、続く4番比嘉(社学3)が内野ゴロに倒れるも、2アウトながらランナー3塁。早稲田側応援席のボルテージも最高潮に達する。ここで、この日チーム唯一の2安打を放っていた5番伊藤貴樹(社学4)がレフト前にしぶとくヒット。9回裏も和田がきっちりと抑え見事完封。1-0で大事な開幕戦を飾った。
この試合、和田が被安打4で11奪三振、一方の多田野は被安打4、三振は和田を上回る14個を奪い、両投手とも十分に実力を見せてくれた。打線にはかなりの不安が残る試合ではあったが、和田の快投にはネット裏に集まった各球団のスカウト陣も納得の表情を浮かべていたに違いない。
4月14日(日) 早稲田9-3立教
早稲田の二番手ピッチャーが誰になるか。注目の第二戦、早稲田の先発は意外にもルーキー越智大祐(人科1)だった。その越智、立教1番の福井に先頭打者初球ホームランを浴び、立教打線から洗礼を受ける。しかし、その後は最速140kmの速球中心の安定したピッチングを見せた。
2回裏、バッター越智大祐の場面で代打を送ったため、3回からは今季二番手として期待がかかる清水(人科3)がマウンドに立った。清水は5回裏にビッグイニングを迎える。鳥谷、比嘉にようやく当たりが出ると、1アウト2、3塁で期待の新戦力武内(人科1)がライト線に痛烈な二塁打を放ち3-2と逆転。8番由田(一文3)や清水にもヒットが生まれ、この回に計4点を挙げる。
清水は尻上がりに調子を上げるが、7回にピンチを迎えると連投の和田にスイッチ。和田は後続をきっちり退け、打者8人に対して6奪三振のパーフェクトピッチング。9-3で対立教戦二連勝を飾り、勝ち点1を挙げた。
多田野、上重の二枚看板を持つ立教に照準を合わせてきた早稲田であるが、一戦目は投手力、二戦目では打撃力で勝利し、投打ともに力を発揮することが出来た。次は27・28日に予定されている対法政戦。首位打者経験のある後藤武敏主将擁する法政は優勝候補と目されているだけに、早稲田としては法政との試合が早慶戦前の最も重要なカードになりそうである。
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