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野球部特集「松坂世代最終章〜戦え同期〜」
今季の展望(他大学編)
TEXT=長友亮太

 リーグ戦も第3週も迎え、各チームとも初戦を終えた。今回は今季の展望(他大学編)ということで、早稲田のライバルとなる他大学の戦力分析をしてみたい。今年の4年生は「松坂世代」と言われるだけあって、特に投手の面において、早稲田の和田毅(人科4)以外にも逸材が揃っている。どのチームの投手力があるだけに、大量得点は期待できないシーズンになるであろう。

 そんな混戦模様の中、優勝候補と目されるのは法政である。昨年は春に優勝、秋は2位と安定した結果を残している。今年は過去二度の首位打者経験を持つ大砲・後藤武敏が主将となり、昨年を上回る春秋連覇を狙っている。投手では故障中だったエース土居が復帰。土居はリーグ通算16勝(4/28現在)と和田に次ぐ現役2位の勝利数を誇り、二番手ピッチャーとして期待がかかる奈須とともに、プロ注目の先発二枚看板を形成している。

 昨秋優勝の慶應は、攻撃力強化がテーマのシーズンとなりそうだ。昨年チームの主軸をなした喜多、三木がともにプロ入り。今年はクリーンアップを打つ早川、池辺の2年生コンビらが大黒柱の抜けた打線に活気を取り戻せるかが焦点になる。投手力に関しては、長田、清見の二本柱を中心にこちらの投手陣も法政同様豊富である。特に4年生の長田は勝ち数こそ劣るものの、今や和田とともに東京六大学の顔的存在。昨秋は4勝1敗とリーグ優勝に大きく貢献し、初のベストナインも受賞。最終学年となった今年に完全燃焼を誓う。

 立教は1節目の早稲田、2節目の明治に連敗し、優勝争いからは一歩後退したが、エース多田野には大注目。今季初戦の対早稲田では負け投手にはなったものの、和田を上回る14奪三振の快投を見せた。140kmを超える速球と多彩な変化球が持ち味の本格派。こちらもプロ球界注目の投手である。

 明治は若い力に期待がかかる。まず、2年生エースの一場。桐生第一高校時代に1年上の正田(現日本ハム)とともに甲子園制覇を経験。1年生ながら昨年は4勝を挙げ、今季は立教と慶應を相手にすでに2完封を果たしている。4番を打つのは1年生の原島。日大三高出身の原島は、チームの主砲として昨年夏の甲子園での優勝に貢献。甲子園で見せた破壊力を武器に、神宮球場でもその快音を響かせることができるだろうか。

 

 東大は2年生投手松家が柱となる。高校時代、プロのスカウトからも注目され、昨秋の新人戦では法政相手に6回を無失点。今季は初戦の慶應に7回自責点1、次の法政戦では負け投手になったとはいえ完投し自責点2と、素質を開花させようとしている。松家率いる今年の東大は見逃せない。

 各チームとも投手力が高いだけに、打撃陣がいかに相手投手打ち崩せるかが勝利へのカギになってくる。混戦のリーグ戦を制するのは一体どのチームなのだろうか。今年は神宮球場に目が離せない。



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