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ビギナーズのための箱根駅伝〜予選会ばーじょん〜」。
TEXT=鈴木英介


 言わずと知れた、正月のビッグイベント、箱根駅伝。出場への最大の関門が、”箱根駅伝予選会”です。今年わずかのところでシードを逃した早大もこの予選会に出場するので、私達も朝5時台に起きてはるばる立川まで観戦に行ってきました。このコラムでは、予選会の説明も兼ねて素人観戦記を書いてみました。

 さて、この予選会ですが、本戦と違って駅伝ではなく、20キロのロードレースです。1チーム12人までのエントリー選手が周回コースを走り、チームの上位10名の記録の合計タイムの上位6校が本選出場を決めます。6つも枠があるんじゃん!と思っていましたが、これが大間違い。予選会は実にシビアなものなのです。

 まず、全ての大学がエントリーできる訳ではありません。5000m17分以内or10000m35分以内の公式記録を10名以上が持つ大学のみが予選会に出場できます。今年はこれをクリアした大学が34校。

 次にスタート位置。これは去年までの順位に基づいており、早大のように昨年の本戦に出てシードを逃した大学、昨年度の予選会で惜しくも出場権を得ることが出来なかった大学の上位12校はスタートラインから出発できるのですが、13校目からはその12校の後ろからスタート。出発前から大きな大きな差があるのです。

 さらに、もっとシビアなのが、周回ルール。レースでは、公園内を3周ちょっと走るのですが、見ていてふと、最後尾の人達が周回ごとに明らかに違うことに気付きました。パンフレットを見ると、「トップに1周差をつけられた選手はその時点で失格。」とあります。つまり、チームで3人以上、学生トップレベルの先頭の選手に1周差をつけられると、チーム記録も残らないのです。

 そのようなシビアな条件をクリアした大学どうしが競って、10人合計のタイムでわずか数十秒、1人当り数秒の差で天国と地獄が別れるのです。今年も、6位の関東学院大学と7位の拓殖大学の合計タイム差は42秒。1人4秒の差で、出場の可否が出てしまいます。

 ”箱根駅伝”。それは、確かにこたつでぬくぬくとテレビ観戦するだけでも感動し、また、スポーツの厳しさを感じさせてくれる、正月の一大行事です。

 しかし、箱根駅伝には、テレビで映ることのない、その裏に、ほんとうに多くの人のそれぞれの思いがあるのだろう、と思いました。選手はもちろん、チームスタッフ、応援団、学生補助員などの学生、コーチ、選手の友人や保護者。さらに役員や、予選会にも沢山訪れていたオールドファンの人びと。それら沢山の人達のそれぞれの思いを包括しているところに”駅伝”の魅力があるのかもしれません。私達も、予選会で初めてみた早大の選手にも、大声で声援を送っていましたし、正月は絶対に応援に行こう!と決意してしまいました。

 皆さんもぜひ正月に沿道に、中継地点に、箱根の山に行き、箱根駅伝を感じてみてはいかがでしょうか。

 
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