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「第78回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会@立川国営昭和記念公園」。
TEXT=白井邦博


 昭和記念公園は広い。パンフレットにはコースが掲載されていたものの、スタート地点を探すと実は公園の外からスタートだったり(お金を払って公園に入ったのに…)、公園の中の日本庭園に紛れ込んでしまったり(やたらと道が複雑に分かれている…)、走る選手の姿を探すのに随分と苦労してしまった。ようやく沿道を見つけたのは3キロ地点。しかし、その沿道も大量の観衆に埋まり、気合の入った声援が飛び交っていた。陸上部員が多いのは勿論だが、多く見かけたのは選手の関係者、各大学の応援部、それにオールドファン。特に早稲田のオールドファンは多く、ところどころで「頑張れ早稲田!」の声を聞くことができた。

 約400人の選手が同時に走るので、先頭から最後尾まで、10分以上の長い列が出来る。ぶっちぎりで先頭を走るのは平成国際大学の黒い弾丸・カーニー。その少し後を各大学のエースが追いかける。早稲田のエース・原田もこの集団を引っ張るように好走を見せていた。そこから後ろは、まさに大混戦。多くの選手が一丸となって走るので、応援しようにもなかなか見分けがつかない。とにかく自分の大学の選手が10人、記録を出せば良いので、観客は自分の応援する大学の選手を必死に見つけようとする。そこに響く各校応援部の怒声。緊張感がそこにエッセンスを添えて、かなり奇妙な光景が現出していた。ちなみに早稲田は、予選会ということもあって、ユニフォームは正調の臙脂ではなく、白に臙脂でWのものだった。それが更に見分けるのに苦労させられたのだが。

 走り終わった後は、公園中央の「みんなの広場」での結果発表。各校は集まって結果が出るのを待つ。ほぼ出場が決定した大学、或いは駄目だと分かっている大学の選手には笑顔も見えるが、出場できるかどうかの境にある大学の選手は、顔が引きつっている。特に亜細亜、国士舘、関東学院などは近寄りがたい程の緊迫感を見せていた。また、正直な感想だが、駅伝でしか名前を聞かない大学であればあるほど、予選会に賭ける気持ちの表上化が強い。出店を出したり、幟を並べたり、総長がお出ましになっていたり。でも偉い人がビール飲みながら応援するのはちょっとなぁ。

 11時頃、最終結果発表。「みんなの広場」の各所で歓喜の絶叫、悔し涙の啜り声。今年の予選会の特徴を挙げるとすれば、早稲田が強かったこと、専修の本選出場が意外だったこと、更に平成国際大学が11位と低迷したこと、の3点だろうか。しかし、それにしても、6位と7位のタイム差は、1人辺りに換算すると僅か4秒。昨年、早稲田がシード落ちしたのも、1人6秒の差だった。長閑な公園で行われる予選会だが、その裏の緊迫感を垣間見た感じがした。

 
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