今月15日から開幕した全国大学ラグビー選手権大会(以下、選手権)。昨年、対抗戦覇者として臨んだ早稲田であったが、決勝で王者・関東学院相手にあと一歩まで追いつめたものの16-21と苦汁をなめた。今年こそは大学日本一へ。“UltimateCrush”をテーマに掲げた早稲田。最後に“完膚無きまで叩きつぶす”相手は関東学院なのだ。
今年も対抗戦を1位で勝ち上がった早稲田は、第2シードとして関東学院とは違うブロックに入った。1回戦(15日12:00@秩父宮)の相手は流通経済大学。今季3勝4敗で関東大学リーグ戦5位に終わった流経大だが、3位の東海大に競り勝ち(24-21)、大東文化大には完封勝ち(27-0)するなど、決して侮れない相手であった。しかし対抗戦からの勢いそのままの早稲田は、流経大をペナルティキック一本に抑え圧勝(79-3)。2回戦(22日14:00@花園)では東海大学(関東リーグ戦3位)と対戦し、計12トライの猛攻で76-17と快勝した。この試合、ポイントになったのは1日の早明戦で欠場したSO大田尾(人3)の戦線復帰。相手が一線級になる準決勝前にプレーできたことは大きいが、久々の実戦であっただけにSHとのコンビネーションなど不安な点も残った。
1・2回戦を順調に勝ち上がった早稲田は、1月2日の準決勝(14:00@国立)で法政大学(関東リーグ戦2位)と戦うことになった。法政はリーグ戦で関東学院に3点差まで肉薄し好調さを強烈にアピール(32-35)。選手権では初戦の龍谷大学戦で100点ゲーム(105-12)、2回戦では明治を敗って息あがる近畿大学に対し56-31と快勝。いいムードを持続したまま早稲田との戦いに臨むことができる。「正月越え=ベスト4」が旗門となる選手権であるため、正月越えをしてきたチームは強敵揃い。だが、早稲田が持つ総合力に加え、対抗戦で見せた勢いを継続することができれば、準決勝も高くはないハードルであろう。
選手権の最大の焦点は、決勝での関東学院大学との再戦に集中する。関東学院は今季も関東リーグ戦を全勝優勝。選手権では3連覇を目指している。1回戦筑波大学(関東対抗戦5位)には79-7、2回戦中央大学(関東リーグ戦4位)には先制トライを許すも40-7で貫禄勝ちを収めた。準決勝の相手は同志社、慶應の伝統校を撃破して勢いに乗る帝京大学(関東対抗戦4位)との対戦が決まった。ここに来てケガ人が続出しているが、総合力に勝る関東学院が決勝に駒を進めることは間違いないであろう。
悲願の選手権制覇をもくろむ早稲田。そのためにはまず準決勝で強敵法政に勝つことが至上課題。そしてその先に見えるのは…。2003年になっても早稲田ラグビーから目が離せない。
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