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2002/6/9 [バスケットボール部]

手に汗握る名勝負。昨年に続く劇的な勝利!!

 
早稲田・藤野主将
 
 
勝利の瞬間
 
 
早大
94
30-16
92
慶大
19-23
27-17
8-28
10-8
 
第60回早慶バスケットボール定期戦男子戦
6月9日(日)早稲田大学記念会堂

女子戦は94-24で早大の圧勝。

 第1、2、3クォーター、早稲田は各々の個人プレーが光り、チームとしてかなり機能しているように見えた。3ポイントシュートがおもしろいように決まる。ハードなディフェンス、軽やかなボールさばき、観衆を沸かせる数々のプレーには余裕さえ感じられた。

 第3クォーターを終えて76対56。接戦との前評判を覆して早稲田の楽勝ペース。このまま試合終了になるはずだった。しかし・・・今年も早慶戦に魔物はいた・・・。

 第4クォーターが始まると、見る見る内に点差が縮まっていく。前半戦、あれほどまで決まっていた3ポイントシュートが入らない。逆に慶應は確実にチャンスをものにしていく。早稲田は明らかに浮き足立っていた。点が入らない。早稲田にとって嫌な流れが漂う。残り3分30秒を切った時、主将の藤野が5ファウルで退場になってしまう。チームの柱を欠いた時、スコアは80-79。1点差まで詰め寄られていた。

 そして、残り2分28秒、ついに恐れていた事態が起こってしまう。相手のシュートが決まり、80-81に。この時点で第4クォーター、早稲田が4点得点する間に慶應は25点。勢いは慶應にあった。その後早稲田が2点返して逆転するものの、残り24秒で慶應が3ポイントシュートを決める。84-82。早稲田側の誰もが勝利を信じたかった。でも状況はあまりにも悪いように思われた。しかし、終了のブザー直前に麻生の手から放たれたボールは美しくリングに吸い込まれた。84-84。昨年度は土壇場で慶應に同点シュートを決められ延長戦にもつれ込んだ。そのお返しとばかりに今年度は麻生の執念の同点シュートによって勝利への望みをつないだのだ。

 5分間の延長戦、一進一退の攻防が続く。早稲田が決めれば慶應も決める。激しい展開に観客は興奮した。一瞬たりとも気が抜けない。そして、残り12秒。慶應のファウルから得たフリースローを岩崎が2本とも確実に決める。94-92。残り時間はもうない。慶應の最後のシュートがリングから外れる。・・・勝った。勝ったんだ。記念会堂は悲鳴と歓声で大きく揺れた。笑顔と涙でもみくちゃになる早稲田の選手やスタッフたち。4年生の藤野、岩崎、麻生が抱き合う姿からはこれまで苦楽を共にし、戦ってきた仲間だけに存在する神聖な絆を感じずにはいられなかった。。

 最終スコアは94-92。苦しい展開にはなったが感動的ないい試合だった。20点以上の差をひっくり返されるなど反省点もあることだろう。でもチーム一丸となってつかんだ勝利は今後に必ずつながると信じている。新人戦、秋シーズンへ向けて、早大バスケットボール部の更なる飛躍を祈りたい。

 

(TEXT=山田浩平・山下葉子、PHOTO=布川健太郎・長友亮太)
 


 
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