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2002/6/29 [ラグビー蹴球部]

35-34の僅差の勝利。勝つには勝ったが・・・。

 
スクラムでは終始関東学院が優勢。
 
 
雨の中多くのラグビーファンが集まった。
 


 
早大
35
14-17
34
関東学院大
21-17
 

2002年春季オープン戦
6月29日(土)
東京スタジアムセカンドフィールド
得点者(早大)内藤晴・上村・山岡ほか


 今年1月12日の大学選手権決勝では早稲田は21-16と涙を飲んだ。関東学院はやはり強かった、それが早稲田ファンのほとんどの感想ではなかっただろうか。しかし、同時に来年はきっといい勝負を演じてくれるだろうと思ったのも事実だろう。そして、その再戦の機会が早くもやってきた。

 両校は春のオープン戦では互いに負けなし、圧勝している。4年生が抜け、新チームに移行中の時期ではあるが、両者の実力は抜きんでていた。どちらが強いのか・・・。昨年はこの時期、早稲田は52点差の大敗を喫したが、シーズン最後は5点差に詰め寄った。夏の菅平合宿前のこの段階での評価は擬似的なものとはいえ、見逃せない一戦である。

 試合は東京スタジアムセカンドフィールドで行われた。試合前から小雨が降り、ボールが滑りやすいグランドコンディション。早稲田はキャプテン山下を始めとして、現時点でのフルメンバーに近いメンバー構成。関東学院は立川・山本・山村の学生最強の第一列は昨年同様健在ではあるが、WTB水野・FB霜村がU21世界選手権のため不参加だった。関東の強さ健在か、それとも早稲田、関東も飲み込むか。

 前半最初は好調だった。右に展開してWTB内藤晴児が先制トライを奪う。その後、裏をつかれて関東学院にトライを奪われるものの、再び20分過ぎに内藤がトライし14-5と突き放した。しかし、調子がいいのはここまで。これ以降は相手の力強さに押されて力を発揮できない。試合のほとんどは自陣で展開された。30分過ぎると連続してトライを奪われ14-17。関東のリードで前半を終えた。

 後半になっても流れは変わらない。開始2分、こぼれ球を右に展開されてトライを奪われ14-24。すると、関東は一気にメンバーチェンジ。自慢の前3人を入れ替える。その後、5メータースクラムをミスしたり、ハイバントのキャッチミスも重なり連続2トライ許す。後半19分前にモールを押し込まれてFL赤井に奪われたトライは今年もFWの関東だと認識付けるには充分だった。14-34、試合の雌雄は決したように思われた。

 しかし、早稲田はここから猛攻を見せる。相手のクリアをカットしてゴールエリアに転がったボールを紙一重で押さえトライを奪うと、副キャプテンFL上村が中央に、31分には右サイドに抜け出たWTB山岡と連続トライで一気に35-34と逆転した。試合はそのまま終了し、早稲田は35-34で勝利した。

 試合は確かに勝った。しかし、どうも勝った気がしないというのが、この試合を見た観客の感想ではないだろうか。理由はいろいろある。トライ数が5本対6本で負けていること。また、逆転したのが関東がリザーブを一気に出した後で、相手のフィールドプレーヤーが一線級ではなかったことなどが挙げられる。水野、霜村が出場していたらどうなっただろうか。だが、勝利をもぎ取ったことは評価に値する。

 試合が雨でボールが両チームともにうまく回らなかった。雨でボールが滑ることを考え、キックを多用し、相手ラインの裏を付く攻撃が目立った。しかし、ハイボール処理やラインアウトの面で早稲田が関東に劣っていたことは目に見えて明らかだった。この辺は課題になるだろう。また、SOからコンバートされたCTB安藤がキックを全て決めるなど絶好調だった。昨年度の武川の再来となれるか、これからの成長を大いに期待したい。その他、SH後藤が積極的にゲインを狙ったり、FL羽生は相変わらず激しいタックルを披露していた。新星と昨年度レギュラーがマッチしてきている。

 しかし、一方で関東学院大学はやはり強い。LO犬飼、NO8堺田などの新戦力の台頭は昨年度抜けた4年の穴を感じさせない。スクラムは昨年レギュラーが残り健在。関東を崩すのは容易ではない。スクラムは完全に押し負けていた。反省材料は山ほどある。

 夏の菅平合宿を境にチームはまったく別のチームに生まれ変わると言われる。夏の合宿でまた関東との再戦がある。夏はどういう結果になるのか。そして大学選手権、今年度も是非とも決勝での決戦を期待したい。早稲田・関東学院の2強時代に突入するのか。法政は慶應は明治はどうなのか、それは分からない。夏を越えると各リーグ戦が始まる。春は僅差で関東学院に勝った。さて、秋のリーグ戦は、正月の大学選手権は・・・。秋が、正月が待ち遠しい。早稲田ラグビー蹴球部の躍進を期待したい。

(TEXT=山田浩平・PHOTO=長友亮太)
 


 
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