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2002年東京六大学秋季リーグ第8節
早稲田大学×慶應義塾大学1回戦
11月2日(土)明治神宮球場
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今年で99年目を迎えた早慶戦。数多くの名勝負が生まれてきたこの伝統の一戦。この日、その歴史にまた新たな栄光の1ページが加わることとなった。先発は早大・和田(人4)、慶大・長田という大学球界を代表する両エース。この早慶戦が彼らにとって大学生として最後の対戦の舞台となる。早稲田が春に続き慶應の目の前で優勝を決めるのか。それとも、今年1年を通じ不本意な結果に終わった慶應が、最後の最後で意地を見せるのか。早慶戦という独特の雰囲気の中、先攻慶應、後攻早稲田で試合が始まった。
先制したのは早稲田。2回裏、先頭の武内(人1)がレフト前ヒット。バッテリーエラーで武内が2塁に進んだところで、由田(一文3)が送りバントを決め、1死3塁絶好のチャンスを作る。ここで坂本(人3)がきっちりとセンター前にタイムリーヒットを放ち先取点を挙げる。しかし、今日の和田は連覇へのプレッシャーからか、力みが見られ制球に苦しむ。3回表、2つの死球、守備の乱れなどから1死満塁のピンチを迎えると、併殺崩れの間にあっさり同点に追いつかれる。しかし早稲田もすぐに反撃。4回裏、由田、坂本の連打から1死満塁とし、田中(社2)がセンターへ犠飛を打ち上げ1点を勝ち越す。だが、今日の慶應は粘りに粘る。続く5回表に四球で出したランナーをタイムリーで返し、再度同点に追いつく。
序盤になかなか調子が出なかった和田、長田両投手であったが、中盤以降試合は徐々に投手戦となり、試合は早い展開で進んでいく。和田にとって最大のピンチは8回表。四球をきっかけに盗塁を絡められ、1・3塁にランナーを背負ってしまう。しかし、ここで後続をきっちりと抑え踏ん張った和田。ピンチの後にチャンスあり。その言葉に裏打ちされたかのように、その裏早稲田に待望の勝ち越し点が入る。1死後、伊藤(社4)が三遊間を破るヒットで出塁すると、打席には武内(人1)。武内は1ボールからの2球目、低めのスライダーをすくい上げると、打球は大歓声の中ライトスタンドへ一直線。起死回生の2ランホームランが飛び出した。打った武内は1塁キャンバスを回った瞬間ガッツポーズ。早稲田スタンドはもう優勝が決まったかのような大騒ぎであった。
残るは9回表の守りのみ。大歓声の中、和田がゆっくりとマウンドに上る。先頭打者を三振に切ってとると、続く打者からも三振を奪う。この試合で初めて和田らしさが存分に発揮された。そして「和田!」コールと「あと一人!」コールが交錯する中、3人目の打者が放った打球はフラフラと1塁側ファールグランドへ。ボールは勝越しホームランを放った武内のファーストミットに吸い込まれゲームセット。その瞬間、選手たちが一斉にマウンドへ飛び出し、スタンドでは紙吹雪が舞い、学生たちが飛び上がって喜びを爆発させた。「都の西北」がこだまするグランドで胴上げが始まり、野村監督が宙に舞う。早稲田の52年ぶりの春秋連覇が達成されたのだ。
和田は、制球に苦しんだものの、終わってみれば被安打2。調子が悪い中で、十分に貫禄を見せつけた。今季、法政戦では味方の援護が無く2連敗を喫した和田。しかしこの早慶1回戦では打線が和田を助けた。来季からは和田無しでの戦いになるが、この試合での経験は後々生きることであろう。
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関連URL
早大野球部公式サイト
東京六大学野球連盟公式サイト
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