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2002/11/07 [ラグビー蹴球部]

前半戦のヤマの帝京戦、合計10トライの猛攻で64-10で圧勝。5連勝とする。

 
 
 
 
 
早大
64
17-10
10
帝京大
47-0

関東大学ラグビー対抗戦早稲田vs帝京
11月3日(日)秩父宮ラグビー場

 11月3日、前半戦のヤマと言われた秩父宮での帝京大学戦。早稲田は実力を発揮し64-10で帝京を破り、今月23日の早慶戦を全勝で迎えることになった。

 序盤、早稲田は完全に浮き足立っていた。この試合の直前に行われた慶應と明治の一戦の影響(慶應が34-21で勝利)もあり2万2000人という満員に埋まった秩父宮ラグビー場のファンから悲鳴とも怒号とも取れる声が聞こえる。前評判では早稲田の優位と言う声が圧倒的。この帝京戦は続く慶應、明治と続く強敵との対戦を前に絶対に負けられない一戦だった。しかし・・・。

 開始2分にターンオーバーされたボールを繋げられトライを奪われると12分にも右サイドに展開され強引にトライを奪われる。この時点で0-10.帝京オフェンスを早大ディフェンスが止めることが出来ない。帝京バックスのスピードでたびたび間を割られ、ピンチを迎える。オフェンスでも敵陣深くに攻め入るもののアーリープッシュでチャンスを潰したり、トライ目前で痛恨のノックオンを犯すなどリズムに乗り切れない。観客から「何やってるんだ」という声が聞こえた。早稲田の調子が悪いのか、それとも帝京が強くなったのか。

 そんな嫌な空気を切り裂いたのは新人ながらNo.8に君臨する佐々木だ。前半22分、相手ゴールライン前のラインアウトでノットストレートの反則で相手ボールになる。このスクラムで一気に早稲田FWが押し込みボールをターンオーバー。勢いそのままに佐々木が右隅にトライを決める。これでリズムを取り戻した早稲田は攻守ともにキレが戻る。スピードで攻めてくる相手を深く守って確実に対応する。オフェンスでもSO大田尾がサイド偏重の攻撃から、時に中央を突破するという絶妙な判断を見せ、帝京ディフェンスを混乱に陥れる。これ以後、試合は一気に早稲田ペースになる。32分にはフィールド左隅から右まで一気に展開し、人数を余らせてからWTB山岡が右ラインギリギリを快走してのトライ。前半終了間際にはターンオーバーからSO大田尾→LO桑江→CTB豊山と間髪入れない中央突破でポスト左にトライ。17-10で前半が終了する。

 後半に入っても勢いは衰えず、早稲田の独壇場になる。何しろ自陣にほとんどボールがいかない。終始、相手陣内で攻め続け得点を重ねていく。3分にWTB仲山が中央に、7分にはLO高森が力で左中央に飛び込みトライ、12分にはFL羽生のカットから再び佐々木がトライし38-10とどんどん点差を広げていく。その後、佐々木に変わってNO.8に入った岡本が2トライするなど圧倒的攻撃力と層の厚さを披露。フィニッシュはこの日大活躍だったSO大田尾がスクラム展開からトライ。計10トライの猛攻で64-10でノーサイドの笛が鳴り響いた。

 後日、清宮監督は「50点差つけて勝つつもりだった」と言った。そのとおり50点差以上をつける圧勝劇だ。前半のスロースターターぶりは、9月の交流戦の法政戦、筑波戦、日体大戦と変わってはいないが、勢いに乗るともう誰も止められない。昨年度の対戦は27-16で辛勝だっただけに、この試合結果は昨年度より更なる成長をしている証拠と言えるだろう。さらには、今日は交代して入った選手も大活躍、選手層の厚さもアピールした。特筆すべきはPR屋比久。大学に入ってからラグビーを始めて今年遂にアカクロをて試合に出場したと言う苦労人だ。こういう選手がどんどん出てくれば早稲田の未来は明るい。

 慶明戦で34-21で慶応が勝ったことから、次の23日の早慶戦は全勝対決が濃厚となった。春先の招待試合では100点以上奪って早稲田は慶應に快勝した。清宮監督は「一度全部失ったチームは怖い」と言う。早稲田も昨年度、春・夏と関東学院に完敗したがチームを建て直し、最後は大学選手権での決勝、5点差の接戦を繰り広げた。慶応だってその兆しはある。もう早稲田に負けたままでいられない筈だ。タイガージャージの魂のタックルは継承されつつある。

 しかし、前評判ではやはり早稲田の圧勝との声が圧倒的だ。果たしてどういうゲームになるのか。早稲田の最大の課題は試合開始直後に調子が上がってこないことだろう。慶応に猛ラッシュをかけられ一気に点差を広げられたら・・・。面白いゲームになることは間違いない。23日早慶戦は今日と同じ秩父宮ラグビー場で14時キックオフだ。

特集
ラグビー蹴球部特集「黄金期への序章〜The Prologue to the Golden age〜」

関連URL
早大ラグビー蹴球部公式サイト
関東ラグビーフットボール協会

(TEXT=山田浩平、PHOTO=鈴木英介、山田浩平)
 


 
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