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ラグビー全国大学選手権大会準決勝
早稲田大学vs法政大学
1月2日(木)国立霞ヶ丘競技場
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昨日はサッカー天皇杯で京都サンガの初優勝に沸いた国立競技場。新年2日の国立では正月の風物詩・ラグビー大学選手権準決勝2試合が行われた。1回戦・2回戦ともに70点台をたたき出し、依然として好調さを維持している早稲田。準決勝の相手は関東リーグ戦2位の法政大学である。法政はリーグ戦で関東学院に3点差まで肉薄。選手権1回戦では龍谷大学相手に100点ゲーム、続く2回戦では明治を破って意気あがる近畿大学の勢いを完全に封じ、昨年に続き準決勝に駒を進めてきた。その勢いを持続してきた法政ではあるが、戦前の予想では総合力で上回る早稲田有利の声がほとんど。しかし“正月越え=ベスト4”を果たしたチームだけが踏める舞台、国立競技場での戦いは、予想以上に困難なものであった。
立ち上がりの悪い早稲田。この日も法政ディフェンスに苦しめられ調子を掴めないでいるが、先制したのは早稲田であった。前半7分、早稲田陣内でできた密集から、ボールはノーマークのWTB仲山(人4)へ。仲山の前には本来カバーしているはずの相手WTBがおらず、相手ゴールまであたかも一本の道ができたような恰好に。ボールを受けた仲山はその俊足を生かしなんとそのまま70m独走トライ。インパクトのある得点シーンであっただけに、準決勝でも1・2回戦の圧勝劇の再現が期待された。だが、冬の東京の寒さと強い風でボールが手につかないか、それとも風下が影響しボールに思ったより伸びがあるのか、早稲田はハンドリングにミスが多く見られ、今までになかった苦戦を強いられる。
逆に前半23分には早稲田が本来見せるべき左右への展開ラグビーを法政に思うようにやられ、最後は中央にできたディフェンスのギャップをつかれてトライを許す。ゴールも決められ5-7と法政が逆転。早明戦のときとは違う嫌な雰囲気が国立に流れる。このまま法政が勢いに乗ってしまうのか。しかし早稲田は歴戦の兵たるところを見せ、その3分後に相手ゴール前ペナルティで奪ったチャンスから最後はSO大田尾、そして右隅に一人残っていたWTB山岡(教3)にボールが渡ってトライを決めた。
これで完全に流れを断ち切ったかに思われたが、前半の法政は出足の早いディフェンスが冴えに冴え渡る。早い段階で早稲田の攻撃の芽を摘み取り、早稲田は常に自陣ゴール前でのプレーを強いられる場面が多かった。だが、法政も早稲田同様ノックオンやオフサイドなど、肝心なところで細かいミスを連発。多くのチャンスを作りながらそれを自らフイにする拙攻に早稲田は助けられ、前半を何とかリードしたまま終える。
攻守がめまぐるしく入れ替わり見どころ十分であった前半戦。後半もさらに拮抗した試合展開が期待されたが、後半はフィットネスで上回る早稲田が、疲れが見られ受けに回った法政を圧倒する形となった。2分の仲山のトライを皮切りに一気にたたみかけ、後半開始15分間で4つのトライを奪い法政を突き放すと、終了直前にもスクラムから押し込んで駄目押しのトライ。後半は実に33-0と法政をシャットアウト。結果的には貫禄の勝利といえる内容であった。
早稲田×法政に先立って行われた準決勝第1試合で関東学院が帝京に勝利し(51―28)、決勝戦は関東学院×早稲田という2年連続同じ組み合わせとなった。昨年の決勝では関東を追い詰めながらもあと一歩及ばず(16-21)、早稲田は苦汁をなめることになった。あれから一年。早稲田はただ関東だけを見てきた。マスコミ等はすでに早稲田が王者になったかのような論調で報じているが、気持ちはあくまでチャレンジャー。“らしくない”プレーが多かった本日の教訓を生かし、最後まで挑戦者の気持ちを忘れることなく関東に挑みたいところだ。
いよいよクライマックス。1月11日、国立競技場で荒ぶる日はもうそこまで迫っている。
特集
ラグビー蹴球部特集「黄金期への序章〜The Prologue
to the Golden age〜」
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