12月に行われる全日本選手権(天皇杯)と並ぶレスリングの各階級の日本一を決める全日本レスリング選抜選手権が代々木第2体育館で2日間に渡って行われ、早大からは1日目にフリースタイル96キロ級に伊藤拓也(スポ2)、同120キロ級に安田伊織(スポ2)、2日目に同66キロ級に佐藤吏(スポ3)、同74キロ級に大月葵斐(スポ1)の計4名の選手が出場した。今大会は昨年の天皇杯で3位入賞した選手と今年4月に行われた予選を勝ち抜いた選手が出場。今年9月に行われる世界選手権の代表選考会も兼ねているだけに、日本を代表する選手が並んだ。
1日目、フリースタイル96キロ級に出場した伊藤は1回戦に昨年の天皇杯2位の横山武典と対戦し、第1ピリオド、第2ピリオドともにラストポイントを取り2-0で勝利。つづく第2試合の準決勝では、今年のユニバーシアード代表の米山祥嗣と対戦。1試合目に故障した部分が痛み始めたためかばいながら挑んだという第1ピリオド。姿勢を低くして攻め込もうとするものの、逆にバックを奪われ1点を失う。第2ピリオドも米山のペースは変わらない。タックルされそのまま場外に出されてしまい、相手にポイントを許す。そのまま取り返すことができずに試合終了。0-2で準決勝で敗退し、3位が決まった。
フリースタイル120キロ級に安田伊織(スポ2)が出場。1回戦は、専修大の北村克哉とあたった。第1ピリオドはバックを取られて先制される。しかし第2ピリオドで取り返してイーブンにし、勢いをつける。そして積極的に攻め続けた第3ピリオドもバックを2回奪い、2-0で試合を制した。続く第2試合準決勝は秋葉洋一に挑んだ。しかし相手との力の差を見せつけられることになる。開始32秒でフォールされ、敗退。この時点で3位が確定した。
最終日、フリースタイル66キロ級の佐藤とフリースタイル74kg級に大月が出場した。66キロ級の佐藤は昨年の天皇杯と全日本選抜では共に3位。今年は少しでも表彰台の高い位置に上りたいところだろう。第1試合は予選を勝ち上がってきた拓殖大の米満達弘との対戦。第1ピリオド、佐藤は低い姿勢で積極的にタックルを狙い続けるが、米満もすきをみせず一進一退が続く。残り15秒の時に佐藤はローリングで2点を奪い、まずは先制。第2ピリオドもお互い譲らない攻防が続き、0-0でクリンチでの勝負となった。クリンチの優先権を決めるコイントスで優勢に立った佐藤は、米満の片足を持ったままひっくり返して1-0で第1試合を制した。つづく第2試合準決勝では、第1試合と同じく予選を勝ち上がってきた拓殖大の藤本浩平との対戦。第1ピリオド、1分を過ぎたところでタックルをしかけてバックに回り込みまずは1点を得て、試合に大手をかける。しかし藤本も本領を発揮し始めた。第2ピリオド、藤本の投げ技がきまり佐藤は3失点。残り時間で追いつこうとバックをとるが失点を埋めることはできず、勝負は第3ピリオドにもつれこんだ。負けられない第3ピリオド、佐藤はバックに回り込んでまずは1点を得る。しかし残り30秒、諦めなかった藤本のローリングが決まり2点を奪われる。結果藤本に1-2で破れ、昨年と同様3位で終わった。
そして74キロ級に出場したルーキーの大月は、1回戦に昨年天皇杯3位の工藤祐士とあたった。先日行われたアジアジュニア選手権では5位と不本意な成績に終わり、「攻めるレスリング」を今まで以上に意識したという大月は、第1ピリオドから積極的な姿勢で挑んだ。開始15秒でバックをとり、まずは1点。しかし逆にバックを取り返され、1-1のラストポイントで第1ピリオドを落とす。つづく第2ピリオド、大月は第1ピリオドと同様積極的な姿勢を貫くがまたもや一瞬のすきをつかれて後ろを取られ1失点。バックをとった工藤はそのままローリングを試みようとするも、大月はマットに這って難を逃れる。そして残り30秒、大月は工藤を場外に押し出し同点に追いつく。このまま逃げ切り、ラストポイントで勝負の行方は第3ピリオドに持ち越すはずだった。しかし1枚上手だった工藤に、残り10秒で3失点。結局1-4と大差をつけられてしまい、1回戦で敗退となってしまった。試合後大月は「(74キロ級は)強い人ばかりだったけど、ひとつくらいは勝ちたかった」と話す。
大学王者を決めるインカレまであと2ヶ月を切った。8月末から始まるインカレでは、今大会でみつけた各自の課題を乗り越えて、さらに強くなった彼らの姿を目にすることができるだろう。
関連URL
早大レスリング部公式サイト
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