兵庫県猪名川町で2日間に渡って行われた内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権に、早大からは7名の選手が出場し、フリースタイル66s級で佐藤吏(スポ3)が優勝、同96s級で伊藤拓也(スポ2)が3位、同84kg級で木村元気(法3)が8位入賞という成績をおさめた。
1日目、66kg級に出場した佐藤。大学選手権連覇中ということもあり今回も優勝が期待されていたが、実はこの大会の3日前、練習中に腰を痛めるというハプニングに見舞われていた。大会直前に思うように練習ができず、不安もあったというが、1、2回戦は順当に勝ち進んでいった。試合中は腰の痛みを全く感じなかったという佐藤は「どうやって勝つかイメージをして試合に臨んだ」という。準々決勝、第1ピリオドは積極的にタックルを仕掛けるが専修大の林田重吾に逃げられ0―0。クリンチへと持ち込まれ、コイントスで優勢権を逃した佐藤はそのまま林田にポイントを奪われてしまった。しかし第2、3ピリオドと確実にポイントを取り、準決勝へとコマを進めた。準決勝は日大の坂本将典と対戦し、第1ピリオドは互いに責めきれずクリンチに持ち込まれたが、優勢権を獲得した佐藤が坂本を場外へと押し出して先制。第2ピリオド、ポイントを先制された佐藤であったが、最後まで粘り強い戦いでラストポイントを奪い勝利を決めた。決勝の相手は昨年の全日本選手権フリースタイル60s級で優勝し全日本王者となったが、今年66s級へ階級を上げた日体大の小島豪臣。「2分間で勝利を決めるのが自分のスタイルだから、クリンチは歯がゆい」と語っていた佐藤だが、第1ピリオドでは準々、準決勝に引き続きまたもやクリンチへともつれ込んでしまった。優勢権を得た佐藤は小島をそのままひっくり返しきっちりとチャンスをものに。しかし実は第1ピリオドの途中、手をつってしまいコーチとのハイタッチもろくに出来ないほどだった。「手もつっていたし、早く試合を決めたかった」という佐藤、第2ピリオドは開始15秒で小島を投げ倒し、そのままローリングを決めてわずか22秒で6ー0テクニカルフォール勝ち、優勝。前々回、前回大会につづき三連覇を成し遂げた。
2日目、96kg級に2回戦から登場した伊藤。2、3回戦は確実に勝ち進んでいったものの、準決勝、全日本選抜選手権などで今年すでに数回対戦し、いずれも厳しい戦いを強いられた日体大の米山祥嗣との対戦となった。第1ピリオドはお互いスキをみせることなく0ー0でクリンチにもつれこみ優勢権を得た伊藤であったが、米山に逃げ切られポイントを奪われてしまった。後がなくなり臨んだ第2ピリオドであったが、開始20秒で米山にバックを奪われ、そのまま攻めきれず惜敗。3位決定戦へとまわることになってしまった。3位決定戦では中央大の今井晋次郎とあたり、実力は伊藤が上であると思われていたが第1ピリオドでラストポイントを奪われ先手をとられてしまった。しかし第2、3ピリオドでは確実にポイントを奪い、3位の座を譲らなかった。
12月には全日本王者の決まる天皇杯全日本選手権が控えている。この大会では今まで優勝を逃している佐藤だが、「3度目の正直。今度こそは優勝する」と意気込みは熱い。今大会課題が残った選手達もすでに次に向けての新しいスタートを切っている。彼らの今後の成長に是非注目してもらいたい。
関連URL
早大レスリング部公式サイト
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