4月9日、千葉県市原・フクダ電子アリーナにおいて、関東大学リーグ1部第3節早大ア式蹴球部対順天堂大学蹴球部の試合が行われた。この日の相手、順天堂大は開幕してここまで1分け1敗と不調ながら、昨年はインカレで準優勝、ユニバーシアード代表である小宮山尊信(4年)など能力の高いプレーヤーを多く擁する好チームである。一方、ここまでの2試合で同じく1分け1敗と未だ勝ち星のない早稲田。内容は悪くないだけに、是非ともこの試合で初勝利を飾りたいところである。
早大のシステムは4−4−2。松橋優(スポ4)、鈴木修人(スポ3)が引き続き怪我で欠場、また松本怜(スポ1)が高校選抜でチームを離れているため、首藤豪(人3)が右のサイドアタッカーとしてスタメンに名を連ねた。序盤、早稲田は順大の厳しいチェックに苦しみ、DFラインからボールを前に運ぶことが出来ず、逆にミスから自陣でボールを奪われ押し込まれる非常に不安定なスタートとなった。それでも、何とかピンチを防ぎ攻撃を試みるが、順大の見事なゾーンディフェンスに攻撃の形を創れない。しかし、一つのプレーをきっかけに状況は一転する。14分に得たコーナーキックを、渡邉千真(スポ2)が打点の高いヘディングで合わせ、貴重な先制点。すると、ここから渡邉にボールが収まり始め、前線にタメができたことでパスが回るようになる。しかし、これに対し順大もディフェンスに人数をかけることで対応。パスは繋がるようになったものの、なかなか決定的なチャンスを得ることが出来ない。40分に、松本征也(教育2)が左サイドからあげたクロスに再び渡邉が飛び込むが、ミートせずゴール右にそれた。そしてこのまま終わるかに思われたロスタイム、相手コーナーキックからPA内での混戦でファウルを取られ、痛恨のPK。これを決められ同点で前半を終了。疑惑が残る判定だっただけに、ショックの大きい折り返しとなった。
後半に入ると、一進一退の攻防が続く。7分に順大9番・福士が見事なファーストタッチでDFをかわし、シュートを放つがゴール左へ、15分には早大がショートコーナーから兵藤慎剛(スポ3)がクロスを上げるが、惜しくも届かず。20分には、同じく兵藤がドリブル突破から一人をかわし、そのままシュートを放つがゴール上へ。25分には首藤がPA内からシュートを放つがゴール右へ外れる。どうしても勝利がほしい早大は、前田亮(教育3)、島村毅(スポ3)と続けて前線の選手を投入すると、これが功を奏し、38分に兵藤が蹴ったフリーキックのこぼれ球を、金田隼輔(スポ4)が蹴りこみ、待望の追加点。キャプテンの意地の一発で、リードを奪う。その後は、前がかりになった順大に対し、鋭いカウンターを仕掛け、ロスタイムに相手ゴール前でボールを奪うと、兵藤のスルーパスから島村が、ダイレクトで叩き込み3点目を挙げ、勝負を決めた。試合はそのまま終了。見事3−1で、早稲田がリーグ戦初勝利を飾った。
DFラインはまずまず安定していたものの、ボランチから前線においては、攻守両面で課題の残る内容だった。流れの中からチャンスが創れず、攻撃が左サイドに偏りがちな点からも、連携の更なる向上が必要なようだ。それでも、初勝利を手にしたことは今後リーグ戦を戦う上で、大きな自信となるに違いない。まだまだ始まったばかりの今シーズン、早大の更なる成長に期待したい。
関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト
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