6月20日、早大東伏見グラウンドにて早稲田大学・高麗大学校定期戦が行われた。先日、明治大との接戦を制し、2年連続となる総理大臣杯出場を決めたア式蹴球部。前期リーグでは序盤苦戦したものの、中盤戦以降勝ち星を積み重ねており、チーム上昇気流にある。対する高麗大学校は、現在の韓国フル代表に数多くのOBを輩出している韓国を代表する強豪である。この定期戦、早稲田が最後に勝利したのは実に14年前にも遡るほど圧倒的に分が悪い。7月2日から始まる大臣杯本選、そして28日の早慶戦とこれから重要な試合が続く。その前に行われる最後の試合であるだけに、いい形で勝利しはずみをつけたいところだ。
早大のシステムは3−4−1−2。右CBとして梅澤誠司(教育2)が先発した。開始直後の2分、高麗大が積極的に攻撃を仕掛ける。CKからのこぼれ球を強烈シュート。ゴール右に外れたものの、相手の強さを知るには十分な一撃だった。その後も、高麗大の鋭い出足に早稲田は翻弄され、中盤でのパスミスからボールを奪われるという苦しい展開に。守備面でピンチを迎え、攻撃面でも出しどころがなく苦し紛れのロングパスか、ドリブルでつっかけて相手に止められるというちぐはぐな展開に。先取点を奪われるのは時間の問題かに思われた。それでも、12分ロングパスが松本怜(スポ1)に通り、上げたクロスを山本脩斗(スポ3)が頭であわせ先制点を奪った。少ないチャンスをものにした。これで流れが変わるかに思われたが、変わらず高麗大ペース。なかなかパスがつながらない早大の攻撃はロングシュート中心の構成となった。一方、高麗大もボールを支配するものの、決定機を作るまでにはいたらず28分に19番が中へ切れ込んで放った強烈なシュートも、時久省吾(スポ4)の正面をついた。なかなか、本来の持ち味を出せない早大であったが32分、激しい前線のポジションチェンジから山本がスルーパス、走りこんだ今日先発の島村毅(スポ3)がアウトサイドでシュートを打つが、惜しくもゴール左。このまま両チームともにチャンスがつくれないまま前半を終了した。リードこそ奪ったもののパスがつながらず、逆に相手に自分たちのサッカーをやられてしまい、後半に向けて課題の残る内容となった。
後半に入り、メンバーを大幅交代。鈴木修人(スポ3)と金田隼輔(スポ4)が久々にボランチを形成した。この二人の投入によって中盤でボールがまわりはじめる。3分鈴木が前線に送った浮き球を、渡邉千真が頭で合わせるが惜しくもゴール右。明らかに得点の匂いが感じられるようになった。そして、それが現実になったのは7分。左からのクロスをGKがはじき、ひろった松本が落とすと、鈴木が難しい体制から強烈なダイレクトボレーを放ち、豪快なゴール。まだ万全とはいえない鈴木だが、そのキックは健在、復活をアピールした。さらに9分、渡邉が前線でボールをカットし金田がスルーパス、それを再び受け取った渡邉がシュート。GKがはじいたボールを島村がきっちりつめ、3−0。勝負を決めた。意気消沈する高麗大を尻目に、早稲田はボールを支配。18分には兵藤慎剛(スポ3)が相手と交錯しながらパスを出し、抜け出した渡邉が落ち着いてゴールを破り、4点目をあげた。その後、試合は激しさを増し、高麗大は退場者を出すなどカードが乱れ飛ぶ試合となったが、攻め続けた早大が試合を押し切り、見事久々となる定期戦勝利を飾った。
後半に入り、メンバーを大幅に入れ替えたことで、本来の早稲田のサッカーができるようになった。さらに、守備陣も最後まで集中を切らさず無失点に終えたことは、前期リーグでの反省から大きな収穫と言えるだろう。また、キャプテンである金田の、チームを鼓舞する声も印象的だった。難敵である高麗大に快勝した早稲田。迎えるは6/28、国立競技場での対慶應戦である。みなさん是非、会場に足を運んで応援してください!
関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト
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