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2007/4/18 [ア式蹴球部]

「劣勢で見えた変化」関東リーグ第4節、法政大に1−2で敗れ、今期初黒星。

 
 
早大
1
0-1
2
法大
1-1

関東大学リーグ第4節
早稲田大学×法政大学
4月18日(水)
夢の島競技場

 4月18日、東京・夢の島競技場にて関東大学リーグ1部第4節、対法政大学の試合が行われた。開幕3連勝と絶好のスタートを切ったア式蹴球部。得点8、失点1と攻守においてその強さを発揮している。今節の相手は、同じく3連勝中の法政大。昨年は3戦3敗という“天敵”である。今期最初の大一番であり、今年のチームの真の実力が試される一戦となった。

  早稲田は前節に引き続き、兵藤慎剛(スポ4)が怪我で欠場。期待の新鋭、幸田一亮(スポ1)が右サイドで初スタメンを飾った。試合は降りしきる雨の影響からロングパスを多用する展開に。ショートパスを主体とする早稲田は劣勢を強いられ、スピードを活かしたシンプルな攻撃を見せる法政にゲームを支配される。17分、法政はカウンターから10番・市川(4年)がキーパーと一対一のチャンスを向かえシュートを放つも、伊藤拓真(スポ3)が左手一本で何とかセーブ。続く19分には、11番・菊岡(4年)のフリーキックが早稲田ゴールを襲う。スリッピーなピッチに早稲田はパスを繋ぐことができず、身体能力に勝る法政が次々と好機を創っていく。そして迎えた25分、コーナーキックを9番・稲葉(4年)に押し込まれあっさり先制点を許す。32分にも、フリーキックから混戦となり18番・山本(3年)の折り返しがクロスバーに直撃し、あわや追加点というピンチを迎えた。しかし、ここから徐々に法政のペースが落ち始め、早稲田にチャンスが生まれ始める。34分に鈴木修人(スポ4)が得意のミドルシュートを狙うがGK正面。37分には右サイドからのフリーキックを頭でコースを変えるが、惜しくもゴール上へ。41分にはセンタリングからペナルティエリア内で首藤豪(スポ4)がつぶれ、フリーになった渡邉千真(スポ3)がシュートを狙うも、GKの好セーブにあう。このまま前半終了。得点を挙げることはできなかったものの、後半へ期待のできる内容となった。

 後半、序盤は早稲田ペース。9分にフリーキックのこぼれ球を中島健太(社学4)が強烈なボレー。相手GKがファンブルするもつめきれず。12分にはコーナーキックに渡邉が頭で合わせるもゴール上へ。徐々に得点の匂いが漂い始める。しかし、チーム全体として前がかりになった所を、試合巧者・法政に見事なまでにつかれる。27分、素早いカウンターに合うと、右サイドからのクロスを18番・山本に打点の高いヘッドで完璧に合わせられ、痛恨の追加点。与えてはならなかった2点目を奪われ、早稲田はここで燃え尽きたかに思われた。しかし、選手はあきらめてはいなかった。兵藤に代わってキャプテンマークを巻く鈴木が、雨にも関わらず体を張ったプレーを見せ、チームを鼓舞。最後まで勝利への意欲を絶やさない姿勢を見せた。そして40分、それが形になる。コーナーキックからの折り返しを、渡邉が懸命に足を伸ばして押し込み1点を返す。まさに“意地”で奪ったゴールだった。その後も猛攻をしかけ、ロスタイムにはコーナーキックからのこぼれ球を途中出場の松本怜(スポ4)が左足で狙うも、わずかにゴール上。天を仰いだところで試合終了のホイッスル。1−2で敗れ、今シーズンの連勝が止まるとともに、対法政戦4連敗を喫する事となった。

 ピッチの状態が悪く、そのサッカースタイルゆえ早稲田にとっては不利な状況であったが、法政の見事なサッカーに力負けしたと言ってよいだろう。個々の高い技術とスピードを活かした攻撃、そしてソリッドな守備と、チームの戦術が浸透している法政は、今年も早稲田の前に幾度となく立ちはだかる事になりそうだ。大きな敗因は、序盤あまりにも簡単に相手にペースを握らせてしまった事。先制点を奪われ、常に後手後手の展開となってしまった。とはいえ、追加点を奪われた後も簡単には勝利をあきらめない姿勢は、昨年には見られなかった大きな変化だった。まだシーズンは始まったばかり。チームの根本にこのような「勝利への執念」があるのならば、今後も確実に成長を続けていくに違いない。次節、順天堂大戦に期待したい。

 

関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト

(TEXT=平野峻、PHOTO=神崎風子)
 


 
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